“緑陰”の読み方と例文
読み方割合
りょくいん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
緑陰りょくいんかさなった夕闇にほたるの飛ぶのを、雪子やしげ子と追い回したこともあれば、寒い冬の月夜を歌留多かるたにふかして、からころと跫音あしおと高く帰って来たこともあった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
こは火の如き婦人の熱情のために心身ふたつながら溶解し去らるるならんと、ようやく渠を恐るる気色を、早くさとりたる大年増は、我子ともすべき美少年の、緑陰りょくいん深き所をいといて
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
むしろ馬蠅の世界には、緑陰りょくいんの涼風があり、豆の花が咲いていた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)