“緑蔭”の読み方と例文
読み方割合
りょくいん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ほう、あれが少女の滝かね」その滝は左の緑蔭りょくいんからかかってあまりにかすかな水の線、線、線であった。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
桜の散る時分には、夕暮の風に吹かれて、四つの橋を此方こちらから向うへ渡り、向うから又此方へ渡り返して、長いどてを縫う様に歩いた。がその桜はとくに散てしまって、今は緑蔭りょくいんの時節になった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
詩人が歌う緑蔭りょくいん幽草ゆうそう白花はくかを点ずるの時節となって、はたけの境には雪の様にの花が咲きこぼれる。林端りんたんには白いエゴの花がこぼれる。田川のくろには、花茨はないばらかんばしく咲き乱れる。然し見かえる者はない。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)