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呟
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ぼや
ふりがな文庫
“
呟
(
ぼや
)” の例文
何処からとも無く蜂のやうにぶつ/\
呟
(
ぼや
)
く声が聞え出した。暫くすると、尻に針を持つたらしい一人の学生が
衝立
(
つゝた
)
つて博士を呼んだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
独帝
(
カイゼル
)
はぶつぶつ
呟
(
ぼや
)
きながら宮城に引きかへした。そして侍医の鼻先に血だらけな
拳骨
(
げんこ
)
をぐつと突き出した。侍医は叮嚀に繃帯をした。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
で、今度はまた新しい画絹の上に、
蝌蚪
(
おたまじやくし
)
のやうなものを
描
(
か
)
きかけたが、「駄目だ、駄目だ。」と
呟
(
ぼや
)
いてまた
其辺
(
そこら
)
へおつ
投
(
ぽ
)
り出した。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「これはいかん、時計が止まつてゐる。」車掌は
呟
(
ぼや
)
きながら車中のお客を見まはした。「どなたか時間を教へていたゞけないでせうか。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
と、ぶつ/\
呟
(
ぼや
)
きながら、その男は今度の
新建
(
しんだち
)
をも誰ぞ貰つて呉れ手は無からうかと、人の顔さへ見ると
無理強
(
むりしひ
)
に押しつけてゐるさうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
船橋氏は文部省の玄関を出る時、
独語
(
ひとりごと
)
のやうに
呟
(
ぼや
)
いた。——実際窮屈な世間だ、
真実
(
ほんとう
)
の事の言へない世の中に、嘘が吐かれよう筈がない。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
怪
(
け
)
しからん、一
片
(
きれ
)
位僕にも裾分けしたつてよかりさうなもんぢやないか」と
近眼
(
ちかめ
)
の銀行員が
側
(
そば
)
にゐる助教授の耳許で
呟
(
ぼや
)
いた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「まあ勿体ない、お手紙をみんな
失
(
な
)
くしちまつたんだつて。」と女中は膃肭臍のやうな細い眼で檀那の後姿を見送りながら惜しさうに
呟
(
ぼや
)
いた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
王栄老は郊外電車の不通に出会つた銀行員のやうに、荷物を横抱きにぶつぶつ
呟
(
ぼや
)
きながら、
河
(
かは
)
つ
縁
(
ぺり
)
の宿屋に入つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
キプリングはぶつぶつ
呟
(
ぼや
)
きながら、隣の
主人
(
あるじ
)
あてにこれからは少し気をつけてくれるやうに手紙を書いて出した。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
岡野氏等は房州のやうな天国に松魚の
捕
(
と
)
れない法はない筈だと、ぶつ/\
呟
(
ぼや
)
きながら次の
天津
(
あまづ
)
をさして
発
(
た
)
つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
中橋氏は不足さうに
独語
(
ひとりごと
)
を言つた。そして自分が間違つて文部にでも入つたら、
乾分
(
こぶん
)
の山岡順太郎氏などは、あの
兜虫
(
かぶとむし
)
のやうな顔をしかめて、屹度
呟
(
ぼや
)
き出すに相違ないと思つた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
キリストは腹立まぎれに独語のように
呟
(
ぼや
)
きました。
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
呟
漢検1級
部首:⼝
8画
“呟”を含む語句
呟々
打呟
呟呻
呟呻許
呟払
御呟