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漸
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やつと
ふりがな文庫
“
漸
(
やつと
)” の例文
彼
(
かれ
)
は
漸
(
やつと
)
のことで
戸口
(
とぐち
)
に
立
(
た
)
つた。
勘次
(
かんじ
)
を
喚
(
よ
)
ばうとして
見
(
み
)
たら
内
(
うち
)
はひつそりと
闇
(
くら
)
い。
戸口
(
とぐち
)
に
手
(
て
)
を
當
(
あ
)
てゝ
見
(
み
)
たら
鍵
(
かぎ
)
が
掛
(
かけ
)
てあつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
斯の骨の折れる山道を越して、
漸
(
やつと
)
のことで峠の下まで歩いて行きますと、澤深い温泉宿のやうな家々の灯が私の眼に嬉しく映りました。そこが中仙道の
沓掛
(
くつかけ
)
であつたかと覺えて居ます。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
丁度通りかかる音作を呼留めて、一緒に助け起して、
漸
(
やつと
)
のことで家まで連帰つて見ると、今すこし遅からうものなら既に生命を
奪
(
と
)
られるところ。それぎり敬之進は床の上に横に成つた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
其時、私は先住の
匹偶
(
つれあひ
)
にも心配させないやうに、
檀家
(
だんか
)
の人達の耳へも入れないやうにツて、
奈何
(
どんな
)
に独りで気を
揉
(
も
)
みましたか知れません。
漸
(
やつと
)
のこと、お金を遣つて、女の方の手を切らせました。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
漸
(
やつと
)
の思で、敬之進を家まで連れて行つた時は、まだ細君も音作夫婦も働いて居た。人々は夜露を浴び乍ら、
屋外
(
そと
)
で仕事を為て居るのであつた。丑松が
近
(
ちかづ
)
くと、それと見た細君は直に斯う声を掛けた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
漸
常用漢字
中学
部首:⽔
14画
“漸”を含む語句
漸々
漸次
漸〻
佳人意漸疎
東漸
漸進
漸時
漸減
西漸
無漸
浸漸
漸進論
漸源
漸移
漸綻
漸蔵主
漸近線
漸進的
漸次強音
漸遅
...