“ようやく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
27.3%
踊躍27.3%
踴躍18.2%
妖薬9.1%
用役9.1%
要扼9.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まだようやくく二十四五にしかえず、いずれかといえば妖艶ようえんなかたちの、情熱じょうねつえたえて
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
明智は平気で答えた。田村氏の顔色はようやくく真剣味を帯びて来た。刑事部長も一膝前にのり出した。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
さてけふになつて見れば、心に逡巡しゆんじゆんするおくれもないが、又踊躍ようやくするきほひもない。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
私が最も愛読した書物は西田先生の『善の研究』であったが、私はそこにおいてかつて感じたことのない全人格的な満足を見出すことができて踊躍ようやく歓喜した。
語られざる哲学 (新字新仮名) / 三木清(著)
「イザ叡山えいざんに紙旗押し立てん、千人の義兵あらば、竪子じゅしを倒すは眼前にり」と高山彦九を踴躍ようやくせしめたりしは、実にこの時にありとす。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
一たび槍ヶ岳や穂高岳に登った人は、日本アルプスに列座する大連嶺の、雪にひらめき氷にとがれる壮観に接して、北へ! 北へ! と、踴躍ようやくする自然崇拝者の、憧憬を持ち得られるであろう、それからそれへと、自然に対する愛慕と驚異の情を、有し得るようになるであろう。
上高地風景保護論 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
「このふみ御覧のころはわたしども夫婦はおしりに帆上げたあとと思召し被下度以下御不審を晴さむとてかいつまみ申述候大手住おおてずみにてお前さんをお見かけ申しあまり夫と生うつしなるまま夫の窮場を救わんとの一芝居打ちお前さんをくわえこみ夫の手をかりて妖薬ようやくをあたえかみの毛をあたって死んだと見せ夫の身代に相立申候段重々不相済あいすまずとは存候共これひとえに夫なる卍の富五郎を落しやらんわたしのこんたん必ずおうらみ被下間敷くだされまじくただただ合掌願上奉候金子些少には候えども一夜の悪夢の代としてなにとぞお納め被下度尚当夜あたりお手入のあるべきことはわたし共の先刻承知女房のわたしでさえ取違えそうなお前さんへお引合せ下すったは日頃信ずる五右衛門さまのれいけん夫の悪運のつよいところ今ごろ探したとて六日の菖蒲あやめ十日の菊無用無用わたしゃ夫とふたり手に手をとり鳴く吾妻のそらをあとにして種明しは如依件よってくだんのごとしお前さんも生々無事息災に世渡りするよう昨夜のことを忘れずに末永く夫ともども祈上申候あらあらかしく——卍女房巴のお若より。」
其方共儀忠節ちうせつの計ひとは申乍ら用役ようやく身分みぶんを以て家事不取締とりしまりいたし候段屹度叱り申付る
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こいつと目差した船があると、まずその進路を要扼ようやくし、ドンと大砲をぶっ放すのだ。だがそいつは空砲だ。つまり停まれという信号なのだ。それで相手が停まればよし、もしそれでも停まらない時には、今度は実弾をぶっ放すのだ。が、それとてもあてはしない。相手の前路へ落とすのだ。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)