“箱屋”の読み方と例文
読み方割合
はこや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
男は伊三郎という新富町しんとみちょう見番けんばん箱屋はこやで、何でもここの家のおかみさんが待合の女中をしている時分じぶんから好い仲であったらしい。
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
近処の犬だの、箱屋はこやだの、出前持だの、芸者などが、絶え間なく通過とおりすぎるので、二人は立談たちばなしもそこそこに右と左へわかれた。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
いや味な事は言わないかわり、お客になって飲み食いもした事がない。以前はどこかの箱屋はこやだともいうし役者の男衆おとこしゅうだったといううわさもある。君江はこの男から日比谷の占者のことをきいたのである。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)