まとわ)” の例文
鶴見が離れようとすればするほどまとわりついてくる女の執拗さにあきれて、女のこびには応諾おうだくも与えずに、押黙って本を見ていた。
と思つたときにかなしくなりました。矢張り小さい時からの悪いくせは何処までもまとわりついてゆくものだと思ひました。それは本当に私の悪いくせです、小さな卑怯者とは私のことです。
と云う壮い木客の声がきこえて来た。すると前方の声はそれにまとわりつくように
死んでいた狒狒 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)