)” の例文
またまとい給う銀紗ぎんしゃのおんから、藍田らんでんの珠の帯やら白玉はくぎょくのかざりにいたるまで、光燿こうようそのものの中にあるおすがただった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
螺鈿らでん細太刀ほそだちに紺地の水の紋の平緒ひらをを下げ、白綾しらあや水干すゐかん櫻萌黄さくらもえぎに山吹色の下襲したがさね、背には胡籙やなぐひきて老掛おいかけを懸け、露のまゝなる櫻かざして立たれたる四位の少將維盛これもり卿。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
こうかりょくようのおん、くれないの袴、その一つ/\に満ち/\ている匂いと云うものは、小路を行く人もあやしんで立ち止り、隣りあたりの家までも花のようにかおったくらいで
三人法師 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
香染こうぞめのおん、おなじ色のみ袈裟けさ、まき絵の袈裟ばこをそばにおかれ、寝殿中央に御座あって、まんまえのひさし玉座おましに束帯低う“御拝ぎょはいノ礼”をとられた天皇のおすがたを
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて、お湯殿の上屋うわやのあたりで、みかどのお声がしていた。「……廉子やすこを呼べ」と、仰っしゃったようである。浴後の御髪みぐしやおんの奉仕にかしずいていた女官のひとりが
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なろうものなら、その手は、帝のおんのすそにすがりついて、なおこと御諚ごじょうをと、おせがみしたかったに違いあるまい。指のさきも、ひれ伏したびんも、ふるえていた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御服ぎょふく直衣のうし指貫さしぬき白綾しろあやのおん
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おんを。……おはかまのすそを」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)