“胸衣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むなぎ30.0%
チョッキ20.0%
むねあて10.0%
コルセ10.0%
ジレ10.0%
チヨツキ10.0%
ボディス10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ほれ、渡すよ!」と、胸衣むなぎのボタンをかけながら、おかみが言う。——「まだ泣いている。誰かににらまれて、虫が起きたんだろうよ。」
ねむい (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
胸衣チョッキの一番下のぼたんを隠すほどに長い白髯はくぜんを垂れ、魂の苦患くげんが心の底で燃えくすぶっているかのような、憂鬱そうな顔付の老人であるが、検事の視線は、最初からもう一枚の外紙の方に奪われていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「あのね、おい」そう彼は胸衣むねあてを売っている女に街で出逢うと、きまって言ったものだ。
(新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
……鯨骨ほね入りの窮屈な胸衣コルセをつけて、ジュウル・ヴェルヌの教訓小説を読んだり、お弥撒ミサを受けに行ったりしていました。……でも、やっぱり駄目でした。……あたしは、フランス人ではない
キャラコさん:05 鴎 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ふと見ると庭に沿った長い側廊アイルを、ブロンド編髪をやさしく胸に垂れ、レエスの胸衣ジレに鯨骨入りのスカートをつけて大きな西班牙スペインの扇を持った少女が
ハムレット (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
田中氏は心持後に反りかへつて、胸衣チヨツキ胸釦むなぼたんいぢりながら「真理」を語つたあとの愉快さといつたやうな顔をしてゐた。
暗緑色のスカートに縁紐バンドで縁取りされた胸衣ボディスをつけ、それにひじまで拡がっている白いリンネルの襟布カラー、頭にアウグスチン尼僧が被るような純白の頭布カーチーフを頂いている。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)