“チョッキ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:ちょっき
語句割合
胴衣54.8%
短衣19.4%
胴着9.7%
胸衣6.5%
短胴服3.2%
胴服3.2%
短服3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところが父親のほうは、上等の黒羅紗の上着と白い胴衣チョッキとを着た、丈の高い肩幅の広い男で、その胴衣には、金縁の鼻眼鏡がつるさがっていた。
道化者 (新字新仮名) / パウル・トーマス・マン(著)
彼女は、その火の玉のような断髪を彼の短衣チョッキの胸へ預けて、片っぽうの眼で笑い、もう一つの眼で泣きながら、スケイトのJAZZを継続した。
踊る地平線:11 白い謝肉祭 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
記章しるしとはどう云う記章です。」とわたくしは風呂敷包を下に置いて、上着と胴着チョッキの胸を一度にひろげて見せた。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
日独同盟!———と資本家は胸衣チョッキのボタンをはづす
寝衣ねまきに着換えさしたのであろう、その上衣と短胴服チョッキ、などを一かかえに、少し衣紋えもんの乱れた咽喉のどのあたりへおッつけて、胸にいだいて、時のやつれの見えるおとがいを深く、俯向うつむいた姿なり
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お若は力なげに洋袴ずぼんをかけ、短胴服チョッキをかけて、それから上衣をひっかけたが、持ったまま手を放さず、じっと立って、再びそっ爪立つまだつようにして、を隔ってあたかも草双紙の挿絵を見るよう
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼は、白い胴服チョッキを着て、踵に素晴らしく大きな鉄製の金庫を引きずっている一人の年寄の幽霊とは生前随分懇意にしていたのであった。
たぶたぶした胴服チョッキをきちんと直した。靴の先から頭の頂辺まで、身体中揺振って笑った。そして、気持の好さそうな、滑らかな、巾のある、肥った、愉快そうな声で呼び立てた———
あら! あら! 短服チョッキに靴を穿いたものが転がって来るぜと、思って、じっと見ていると、橋のまんなかあたりへ来て鼻目金はなめがねをはずした、※がかかって曇ったと見える。
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)