“いりき”の漢字の書き方と例文
語句割合
入来100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しばし有りてをんなどもの口々に呼邀よびむかふる声して、入来いりきし客の、障子ごしなる隣室に案内されたる気勢けはひに、貫一はその男女なんによの二人づれなるを知れり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一首の意は、古人も亦、今の吾のように、三輪山の檜原に入来いりきて、揷頭かざしを折っただろう、というので、品佳く情味ある歌である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
果して人の入来いりきて、夕餉ゆふげまうけすとて少時しばしまぎらされし後、二人はふべからざるわびしき無言の中に相対あひたいするのみなりしを、荒尾は始て高くしはぶきつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
宮は奥より手ラムプを持ちて入来いりきにけるが、机の上なる書燈をともをはれる時、をんなは台十能に火を盛りたるを持来もちきたれり。宮はこれを火鉢ひばちに移して
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)