入来いで)” の例文
旧字:入來
アヽおかゝつて少々せう/\だんまうしてえ事があつて出ましたんで。書生「おだんまうしたい……エヽ先生八百屋やほや甚兵衛じんべゑさんがお入来いでで。 ...
八百屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ようこそ、御入来いで下さいました。何はなくとも雪中の粗茶一服。さあ、どうぞ、これからおいでなされませ」
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
私は五条西洞院辺にしのとうゐんへんにゐる仏ぢやが、つね/″\評判のお前様の読経を聴きたい/\と思つてゐたが、平素ふだん梵天帝釈ぼんてんたいしやくなどのお入来いでがあるので遠慮してゐた。
... いつ得られましょうか。材料次第で前日に申上げたら翌日お入来いでを願いたいので」玉江
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
私の懇意な内で船場屋寿久右衛門せんばやすぐえもんと云う船宿があります、其処そこへお入来いでなされば宜しいと云う。もこの事を態々わざわざ鉄屋に聞かねばならぬと云うのは、実はその時私の懐中かいちゅうに金がない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
老母はゝは狭き袖に涙ぬぐひて立ち出でつ「オヽ、花ちやん——お珍らしい、くお入来いでだネ、さア、お上りなさい、今もネ私一人で寂しくて困つて居たのですよ——別にお変りもなくて——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
お茶をれるからお入来いでと云って呉れと命じたは、秋元の女房がその昔茶屋奉公したことのあるを、かねて小耳に挾んで居たので、三世相解の埋合せに、今買って来た藤村の最中から漕附ける
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
大「はい、い道具を沢山所持してる様子でございます、今日こんにちは御家老のお入来いでだと、何か大切な品を取出した様子で、なにろくなものもございますまいがほんの有合ありあいで」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
妻「お入来いでなせえまし、毎度おっかめえりましては種々いろ/\御厄介になります、何うかお支度を」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おや/\それくお入来いでだ、さア/\此方これへ、うも御近所ごきんじよながら、御無沙汰ごぶさたをしました、貴方あなた毎日まいにちくおかせぎなさるね朝も早くおきて、だから近所でもお評判へうばんうごすよ。
八百屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
おゝ/\乱暴狼藉らんばうらうぜきで、飛石とびいしなぞはいぬくそだらけにして、青苔あをごけ散々さん/″\踏暴ふみあらし、折角せつかく塩梅あんばいこけむした石燈籠いしどうろうたふし、まつつちまひ、乱暴らんばうだね……何方どちらからお入来いでなすつた。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
へいお入来いでなさいまし是は何うも御免なさいまし、誠に有難う、其処そこに札が附いてます、一帖幾らとして有りますへい半紙は二十四文で、駿河するが半紙は十六文、メンチは十個とおで八文でげす
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
清「いえ、見苦しゅうございまして、此の通り粗木そぼくを以てこしらえましたので、中々大夫さまなどがお入来いでと申すことは容易ならんことで、此のいえはくが付きます事ゆえ、誠に有難いことで」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うむ、ぢやアつてるよ。これから衣服きもの着換きかへて、おくのお医者いしやもとへやつてまゐり、玄関げんくわんかゝつて、甚「おたのまうします。書生「どーれ、ヤ、これはお入来いでなさい。甚「エヽ先生は御退屈ごたいくつですか。 ...
八百屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)