きっさき)” の例文
だが、彼はふと、いつもきっさきのように彼に突立ってくるどうにもならぬ絶望感と、そこからね上ろうとする憤怒ふんぬが、今も身裡みうちを疼くのをおぼえた。殆ど祈るような眼つきで、彼は空間を視つめていた。
苦しく美しき夏 (新字新仮名) / 原民喜(著)