切尖きつさき)” の例文
わが切尖きつさきにかゝりて板の間へ落ちころめけば、和尚悪獣の如き悲鳴を揚げ、方丈のかたへ逃げ行かむとするに、の若衆、隔ての障子を物蔭より詰めやしたりけむ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あかりで見ると、倒れてゐるのは三十五六の浪人者で(後でそれは福井町に住んでゐる城彈三郎と知れましたが)脇差で左の胸を深々と刺され、切尖きつさきが白々と背に突き拔けたまゝ