“剣尖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けんさき66.7%
けんせん33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一角が片手に持った大刀は、ヌーと寄って、相手の精気をすくませ、みるまに、その剣尖けんさきに立った者を、死相に変らせてしまうかと思われる。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
銃は側の砂の上に倒れ、その剣尖けんさきがきらきらと月に光っていた。私は傍に行って彼を見下したまま「Nか?」と訊ねた。Nというのは昼間彼といさかいをした五年生の名前だった。
虎狩 (新字新仮名) / 中島敦(著)
僕は立合わないうちから敗れを知っていたから立たなかったのだ、そんな誘いの剣尖けんせんにつり込まれたらよい見世物である。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
痩躯そうく鶴の如き左典の身は、ヒラリと剣尖けんせんをかわして、その途端にあかざの杖がブーンと新九郎の横面に飛んだ。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)