トップ
>
懊悩
>
うるさ
ふりがな文庫
“
懊悩
(
うるさ
)” の例文
旧字:
懊惱
その
懊悩
(
うるさ
)
さに堪えざれば、手を以て去れと命ずれど、いっかな鼻は
引込
(
ひっこ
)
まさぬより、老媼はじれてやっきとなり、手にしたる針の
尖
(
さき
)
を鼻の
天窓
(
あたま
)
に突立てぬ。
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お見舞に出なければ済まないと考へまする訳がございますからで、その実、上りますれば、間さんは
却
(
かへ
)
つて私の伺ふのを
懊悩
(
うるさ
)
く
思召
(
おぼしめ
)
してゐらつしやるのですから
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
綾子は茫然瞳を据えて、石に化せるもの数分時、
俄然
(
がぜん
)
跳起
(
はねお
)
きて、「ああ、
懊悩
(
うるさ
)
い。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お通は清川
何某
(
なにがし
)
とて、五百石を領せし旧藩士の娘なるが、幼にして父を失い、
去々年
(
おととし
)
また母を失い、全く孤独の身とはなり果てつ、知れる人の嫁入れ、婿
娶
(
と
)
れと要らざる世話を
懊悩
(
うるさ
)
く思いて
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
垢抜
(
あかぬけ
)
して色の浅黒いのが、
絞
(
しぼり
)
の浴衣の、
糊
(
のり
)
の落ちた、しっとりと露に湿ったのを
懊悩
(
うるさ
)
げに
纏
(
まと
)
って、
衣紋
(
えもん
)
も
緩
(
くつろ
)
げ、左の手を二の腕の見ゆるまで
蓮葉
(
はすは
)
に
捲
(
まく
)
ったのを膝に置いて、それもこの売物の広告か
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
伯爵は
懊悩
(
うるさ
)
がり
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
懊
漢検1級
部首:⼼
16画
悩
常用漢字
中学
部首:⼼
10画
“懊悩”で始まる語句
懊悩呻吟
懊悩地獄
懊悩戦慄
懊悩煩悶
懊悩転輾