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美味
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おい
ふりがな文庫
“
美味
(
おい
)” の例文
それをよく洗って
一旦
(
いったん
)
美味
(
おい
)
しく下煮をしてその
汁
(
つゆ
)
へ醤油と味淋と水とを加えてお釜の底へ煮た松茸を入れて御飯をその汁で炊きます。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
少しおつまみなさいませんか、精進は心のもので、かたちにとらわれるばかりでも供養にはならないものです、ちょっと
美味
(
おい
)
しいですよ
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
真に
美味
(
おい
)
しい料理はどうも
付焼刃
(
つけやきば
)
では出来ません。隣りの奥さんがやられるからちょっとやってみようか、ではだめであります。
日本料理の基礎観念
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
どことなくホロ苦くてトテモ
美味
(
おい
)
しいんですって……だけど一度に沢山飲ませると、すぐに眼や鼻から血を噴き出しながらブッたおれて
鉄鎚
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ああどんなにしても私は食わなければならない。街中が
美味
(
おい
)
しそうな食物で埋っているではないか! 明日は雨かも知れない。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
▼ もっと見る
親切な彼は、火の
点
(
つ
)
いた新しいやつを、あたしの唇の間に
挟
(
はさ
)
んでくれた。吸っては、吸う。
美味
(
おい
)
しい。ほんとに、美味しい。
俘囚
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ポンス酒の泡立っている大盃などが各自の
美味
(
おい
)
しそうな湯気を部屋中に漲らして、一種の玉座を形造るように、床の上に積み上げられていた。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
時にはコーン・フレックスといって
玉蜀黍
(
とうきび
)
の沢山入ったパン菓子の暖め立てのものを食べます。なかなか
美味
(
おい
)
しいものです。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
午後五時が過るとすぐ、私たちは、
珈琲
(
コーヒ
)
を小さい茶碗に一杯と、黒パン半切れの食事をした。私は、パンを
貪
(
むさぼ
)
り食ひ、
珈琲
(
コーヒ
)
を
美味
(
おい
)
しく飮んだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「そう
穿
(
ほ
)
じくらないで、ついて行くのならさあ行こう! その代り私はあとで
美味
(
おい
)
しいものをあなたにご馳走してあげる」
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
何でもビフテキ専門の有名な
美味
(
おい
)
しい料理屋のあると云ふ事を聞いて居たが案内して貰ふ人が無いので行かずに
仕舞
(
しま
)
つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
店に居る力三もその又下の
跛足
(
びつこ
)
な哲も呼び入れて、何処にしまつてあつたのか
美味
(
おい
)
しい煎餅の馳走をしてくれたりした。
お末の死
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
いけない。それではいけない。悪くすぐりでなく、品好く、本筋であるうえに、もうひとつふるいつきたいほどその味が
美味
(
おい
)
しいのでなければ……。
初看板
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
「……あなた、何か
美味
(
おい
)
しい物でも喰べないこと。……ねえ。仰っしゃって下さいよ。わたし、つくづく悪かったわ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
固型
寿司
(
ずし
)
や、水玉のように、ごむ袋の中に入った
羊羹
(
ようかん
)
は、とても
美味
(
おい
)
しかったので、舌鼓を打つと、将校の一人は
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
余
(
あま
)
り
美味
(
おい
)
しくはございませんが、
東京見物
(
とうきやうけんぶつ
)
に
来
(
く
)
る
他県
(
たけん
)
の
方々
(
かた/″\
)
が、
故郷
(
くに
)
へ
土産
(
みやげ
)
に
持
(
も
)
つて
往
(
い
)
つたものと見えまする。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
僕が
美味
(
おい
)
しい
美味
(
おい
)
しいと、そのお魚フライを食べてゐると、やがてツカツカと、白い大きいヹーレをかぶり、青い洋服に薄い焦茶のストッキングをはいた
夜汽車の食堂
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
「や、これはひどい
烟
(
けむり
)
だね……君、君の死んだ後で、君の肉体を煙草にして喫んだら、さぞ
美味
(
おい
)
しかろう!」
あめんちあ
(新字新仮名)
/
富ノ沢麟太郎
(著)
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
此
(
この
)
犬
(
いぬ
)
の
爲
(
た
)
めに、
晩餐
(
ばんさん
)
の
美味
(
おい
)
しい「ビフステーキ」を、
其儘
(
そのまゝ
)
窓
(
まど
)
から
投
(
な
)
げてやつてしまつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
遲い夜食は、前日捕れたといふ牝鹿の汁、てうまの燒肉で
美味
(
おい
)
しく味ひ、午前零時十五分に就寢。
黒岩山を探る
(旧字旧仮名)
/
沼井鉄太郎
(著)
「あ、
美味
(
おい
)
しい、も少し頂戴。先刻のクロロフィルの入った水よりか、よっぽど、美味しい。」
蜜のあわれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
簡単な、いもの煮たのさえ
美味
(
おい
)
しがって、友達と一緒に妻と一緒にたべることを愉快がる重吉。
風知草
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
第二は植物性食品はどう考えても動物性食品より
美味
(
おい
)
しくない。これは何としても否定することができない。元来食事はただ営養をとる為のものでなく又一種の
享楽
(
きょうらく
)
である。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
これが最後の大チャンの手料理だと思うと
美味
(
おい
)
しかった。わざと冷めたのを食べたのだが、番茶を飲むと汗が全身に吹き出してきた。暑い日だった。ひとつも風がなかった。
軍国歌謡集
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
どこからともなく肉の焼ける
美味
(
おい
)
しそうな
匂
(
にお
)
いがして来る——フト顔をあげると、それは宿屋の外壁で、窓の中には山のような
御馳走
(
ごちそう
)
と、温かい火と、楽しい歓談とがあった。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
時間をきめて
洋杯
(
コップ
)
になみなみと
注
(
つ
)
いだのへレモンと砂糖を添えて持ってくるが、
身体
(
からだ
)
が要求するのだろう、さして
美味
(
おい
)
しくもないのに、
咽喉
(
のど
)
がひりひりして飲まずにはいられない。
踊る地平線:01 踊る地平線
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
でも人參だの、蕪だの、食用薊なんてものは——ちつとも
美味
(
おい
)
しいものぢやないわ。
狂人日記
(旧字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
その蕨は実に
美味
(
おい
)
しかったろうが、我輩の伯夷叔斉に望みたいことは、蕨が美味しかったなら、何故その蕨を八百屋へでも持って来て、皆の人にも食わせるようにしてくれなかったか
教育の目的
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
Fはナフキンで、ぞんざいに胡瓜を拭ふとその儘、白い歯をむき出して
美味
(
おい
)
しさうに食べた。Fは、手持無沙汰になると丁度彼が煙草でも喫ふやうに、少くとも毎日十本の胡瓜は食べただらう。
或る五月の朝の話
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
もっとも僻村なのですから格別に
美味
(
おい
)
しいものとか、贅沢なものとては一つもありませんが、普通一と通りの魚類は売りに来ますし、ここの海でとれとれの新鮮なものも気安く得られますので
謡曲仕舞など:――文展に出品する仕舞図について――
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
そして暖かそうな白い飯に
琥珀
(
こはく
)
のような光りのある黄汁をかけたものが、私の前に運ばれた。昨夜軍艦の中では缶詰の牛肉を食った。その牛肉は素敵に
美味
(
おい
)
しいものであった。それにパンも食った。
丸の内
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「ボクが、じぶんでつくれるような、やさしくて、
美味
(
おい
)
しいもの」
キャラコさん:08 月光曲
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
『実はあまり、秋刀魚さんが
美味
(
おい
)
しさうなものだからですよ。』
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
「伊勢海老、鮪、鴨、蓮根、葱など
美味
(
おい
)
しゅうござりまする」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
美味
(
おい
)
しそうね、そのサンドウィッチ食べてもいいか知ら」
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
こうした田楽ならば香気が高くてまことに
美味
(
おい
)
しい。
香気の尊さ
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
そしてそれをどんなに
美味
(
おい
)
しいと思ったかを。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
ブリスケを買う時は
脂身
(
あぶらみ
)
の附いている処でないと
美味
(
おい
)
しくありません。それを二斤も買って
極
(
ご
)
く強い塩水へ一晩漬けておきます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
……但し……そんな著述の中でも一番
美味
(
おい
)
しいロースのクラシタどころだけは、この遺言書の中に留めておいて、適当の時代に
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そのたいの刺身は、自分が今までに味わったことのある
明石
(
あかし
)
だいよりは、はるかに——とも言えるほど
美味
(
おい
)
しいたいであった。
明石鯛に優る朝鮮の鯛
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
美味
(
おい
)
しいという気持はおこらない、そしてその一つ一つが松代の家のことに思い比べられ、しめつけられるように胸が痛んだ。
日本婦道記:糸車
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
私は非常に
美味
(
おい
)
しかつた。食物もよかつた——これまでは、熱つぽい
臭
(
くさ
)
みの爲めに飮み込んでも胸に
閊
(
つか
)
へてゐたのだけれど。それも攝れて了つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
家政婦のお菊さんが、台所で
美味
(
おい
)
しそうな五目寿司を
拵
(
こしら
)
えているのを見てとても嬉しくなった。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
父がここの肉を
美味
(
おい
)
しがって百合子に食べさせてやりたい、いつか行こう、ね、ぜひ行こうと云っていたっきり、私はまだ一遍も行かなかったので、特にそこにきめたわけ。
獄中への手紙:05 一九三八年(昭和十三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
葛岡は、胸に溜まっていた誰にも話せない鬱積を漸く吐き出す
緒口
(
いとぐち
)
がついて来たので、とても元気が出たらしく、出た最初の皿をいかにも
美味
(
おい
)
しそうに食べながら話し続けます。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ma
(
マ
)
chère
(
シェール
)
(いとしいかた)、あたし、あの大きなしやぶりからしの骨なんか、ちつとも
美味
(
おい
)
しいなんて思へないのに、うちのポルカンなんぞはいつもお臺所でガリガリ噛つてるの。
狂人日記
(旧字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「
剥
(
む
)
いたのだけ喰べてみなよ。ね……喰べてみれば、きっと、
美味
(
おい
)
しいよ」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二三度誘ったが、こりゃ駄目だと思った。そのままで
賞味
(
しょうみ
)
してしまう手段はあったが、それでは充分
美味
(
おい
)
しく
戴
(
いただ
)
けない。そう悟ったので、僕は一夜脳髄をしぼって、最も科学的な方法を案出した。
恐しき通夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
空っぽの茶碗を唇へあて、さも
美味
(
おい
)
しそうに一吸いしたが
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「いいのかい。大へん結構だ。たべ物は
美味
(
おい
)
しいかい。」
フランドン農学校の豚
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
美
常用漢字
小3
部首:⽺
9画
味
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“美味”で始まる語句
美味佳肴
美味求真
美味物許