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追
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おい
ふりがな文庫
“
追
(
おい
)” の例文
お婆さんと見えたのは
美留藻
(
みるも
)
が化けたので、今ドンドン流れて行く果物と、それを
追
(
おい
)
かけて行く紅矢を眺めて気味悪くケラケラと笑いました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
と両手を
差伸
(
さしの
)
べれば、お嬢様は恥かしいのが一杯なれば、目も
眩
(
くら
)
み、見当違いのところへ水を掛けておりますから、新三郎の手も
彼方此方
(
あちらこちら
)
と
追
(
おい
)
かけて
漸
(
ようよ
)
う手を洗い
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
芳江が玄関まで
追
(
おい
)
かけて来て、何か云っているのを、背中に感じたが、振向きもしなかった。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
儂も久しく
考
(
かんが
)
えた末、届と税を出し、
天下
(
てんか
)
晴
(
は
)
れて彼を
郎等
(
ろうどう
)
にした。郎等先生此頃では非常に柔和になった。第一眼光が違う。尤も
悪
(
わる
)
い
癖
(
くせ
)
があって、今でも時々子供を
追
(
おい
)
かける。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
展覧会に集った吾々の友達は皆、これらの品々を非常に
悦
(
よろこ
)
んだ。私は知らない人々に売られてゆくのを惜んで、民藝館のためにまず幾つかを買い求めた。
追
(
おい
)
注文はかなりの数に及んだ。
思い出す職人
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
▼ もっと見る
怪老人は、あくまで
執拗
(
しつよう
)
に
追
(
おい
)
かけてくる。舷灯の無い、暗い甲板だが、星の光で、
四辺
(
あたり
)
の様子がうかがわれる。物かげに身を潜めていると、怪老人は、よろよろと後甲板へやって来た。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
ルパンは一生懸命
追
(
おい
)
かけた。そしてからくも庭の
扉
(
と
)
の出口で
捕
(
とら
)
える事が出来た。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
ト僕ガ言つてはヤツパリ
広目屋臭
(
ひろめやくさ
)
い、
追
(
おい
)
て
悪言
(
あくげん
)
を
呈
(
てい
)
するこれは
前駆
(
ぜんく
)
さ、
齷齪
(
あくせく
)
するばかりが
平民
(
へいみん
)
の能でもないから、今一段の
風流
(
ふうりう
)
気
(
き
)
を
加味
(
かみ
)
したまへ
但
(
たゞ
)
し
風流
(
ふうりう
)
とは
墨斗
(
やたて
)
、
短冊
(
たんざく
)
瓢箪
(
へうたん
)
の
謂
(
いひ
)
にあらず(十五日)
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
凡ての事情が偶然にも山野氏を指さしている様に見えたのです。第一事件の当夜山野氏は洋館の方で
夜更
(
よふか
)
しをしました。運転手の蕗屋を
追
(
おい
)
かけて行って多額の金円を与えました。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
雨戸
(
あまど
)
引きあけると、何ものか影の如く
走
(
は
)
せ
去
(
さ
)
った。白は後援を得てやっと
威厳
(
いげん
)
を恢復し、二足三足あと
追
(
おい
)
かけて
叱
(
しか
)
る様に吠えた。野犬が肥え太った白を豚と思って喰いに来たのである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
しかしこうした江戸草創時代の元気横溢した平民の気象——逃げ水を
追
(
おい
)
つつまきつつ家を建てた時代の芳烈な彼等の意気組は、太平が続くに連れて、次第に頽廃的傾向即ちブル気分を帯びて来た。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
府中の町を出はなれたかと思うと、
追
(
おい
)
かけて来た黒雲が彼の
頭上
(
ずじょう
)
で
破裂
(
はれつ
)
した。
突然
(
だしぬけ
)
に天の
水槽
(
たんく
)
の底がぬけたかとばかり、雨とは云わず
瀑布落
(
たきおと
)
しに
撞々
(
どうどう
)
と落ちて来た。紫色の光がぱッと射す。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
追
常用漢字
小3
部首:⾡
9画
“追”を含む語句
追付
追放
追掛
追駈
追懸
追立
追着
追従
追憶
追躡
追剥
追出
追懐
追駆
追風
追想
追手
追蒐
追從
追及
...