“前駆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぜんく60.0%
さきばし13.3%
さきとも6.7%
さきぶれ6.7%
ぜんぐ6.7%
まえぶれ6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
信長公の図南西覇となんせいはの基点として、秀吉がその前駆ぜんくをうけたまわるところのもの。もそっと、雄大たらねばならん、重鎮じゅうちんの風を示さねばならん
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かしは突裂つんざく雷火いかづち前駆さきばし電光いなづま
魔女 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
紺足袋こんたび福草履ふくぞうりでお前駆さきともで見廻って歩きます、お中屋敷は小梅で、此処これへお出でのおりも、未だお部屋住ゆえ大したお供ではございませんが、權六がお供をして上野の袴腰はかまごしを通りかゝりました時に
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
みぞれは絶えず降りそゝいで居た。あの越後路から飯山あたりへかけて、毎年まいとし降る大雪の前駆さきぶれが最早やつて来たかと思はせるやうな空模様。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
何人の夜けてまうで給ふやと、あやしくも恐ろしく、親子顔を見あはせていきをつめ、そなたをのみまもり居るに、はや前駆ぜんぐ若侍わかさむらひ七四橋板はしいたをあららかに踏みてここに来る。
この古い家のしんとした空気は、暴風雨あらしのくる前駆まえぶれに似ている。……それもよかろう、土肥家の根太ねだも古すぎた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)