おい)” の例文
女はまさしく寂照が三河守定基であった時においいだした其女であった。女の眼の中には無量なものがあった。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
もっとも滑稽物や何かで帽子を飛ばして町内中おいかけて行くと云ったような仕草しぐさは、ただそのままのおかしみで子供だって見ていさえすれば分りますから質問の出る訳もありませんが、人情物
中味と形式 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
跡に残っていた五十両の金を返そうと二人をおいかけ、先へ出越して待っている押上堤で、図らずお柳の話を聞きまさしく実の母親と知ったから、飛出して名告ってくれと迫るを、幸兵衛が支えて
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)