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老
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おい
ふりがな文庫
“
老
(
おい
)” の例文
老
(
おい
)
の
繰言
(
くりごと
)
の如き、生彩のない、調子の弱い、従って読者に何の印象をも与えない、贅言をくどくどと列べ立てるのが癖だからである。
陳言套語
(新字新仮名)
/
津田左右吉
(著)
妻
(
つま
)
をおさいといひ、俳名を
翠仙
(
すゐせん
)
といふ、夫婦ともに俳諧を
能
(
よく
)
し
文雅
(
ぶんが
)
を
好
(
このめ
)
り。此
柏筵
(
はくえん
)
が日記のやうに
書残
(
かきのこ
)
したる
老
(
おい
)
の
楽
(
たのしみ
)
といふ
随筆
(
ずゐひつ
)
あり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
今
(
いま
)
は
餘波
(
なごり
)
さへもない
其
(
その
)
戀
(
こひ
)
を
味
(
あぢ
)
つけうために!
卿
(
そなた
)
の
溜息
(
ためいき
)
はまだ
大空
(
おほぞら
)
に
湯氣
(
ゆげ
)
と
立昇
(
たちのぼ
)
り、
卿
(
そなた
)
の
先頃
(
さきごろ
)
の
呻吟聲
(
うなりごゑ
)
はまだ
此
(
この
)
老
(
おい
)
の
耳
(
みゝ
)
に
鳴
(
な
)
ってゐる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
これまで種々の人の書いたものを見れば、大抵
老
(
おい
)
が迫つて来るのに連れて、死を考へるといふことが段々切実になると云つてゐる。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
近頃仲違ひをして居る上、病弱で年を老つた主人の萬兵衞は、近頃あまりお常を寢室に近寄せずに、閑寂な
老
(
おい
)
を樂しむ風もあつたのです。
銭形平次捕物控:185 歩く死骸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
商売運の目出たい笑名は女運にも果報があって、
老
(
おい
)
の
漸
(
ようや
)
く
来
(
きた
)
らんとするころとうとう一の
富
(
とみ
)
を突き当てて妙齢の美人を妻とした。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
新井
(
あらい
)
の
宿
(
しゅく
)
より
小出雲坂
(
おいずもざか
)
、
老
(
おい
)
ずの坂とも呼ぶのが何となく嬉しかった。名に三本木の
駅路
(
うまやじ
)
と聴いては連理の
樹
(
き
)
の今は
片木
(
かたき
)
なるを怨みもした。
怪異黒姫おろし
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
一間
(
ひとま
)
隔てて老夫婦の部屋があるので、彼らが
老
(
おい
)
の寝覚めの物語でも交しているのかと想像したが、それにしては人声が遠すぎる。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
おのれやれ、
死
(
し
)
んで
鬼
(
おに
)
となり、
無事
(
ぶじ
)
に
道中
(
だうちう
)
はさせませう、
魂
(
たましひ
)
が
附添
(
つきそ
)
つて、と
血狂
(
ちくる
)
ふばかりに
急
(
あせ
)
るほど、
弱
(
よわ
)
るは
老
(
おい
)
の
身體
(
からだ
)
にこそ。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
この、
老
(
おい
)
たる婿と、
舅
(
しゅうと
)
と
姑
(
しゅうとめ
)
が、どうした事か、毎日の、どんな
些少
(
ささい
)
な交渉でもみんな私のところへ、一々もってくるのだった。
旧聞日本橋:09 木魚の配偶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
形も小くなり丸かつたものが細長いものに変つて居るのです。私は生れて初めて
老
(
おい
)
と云ふことと死と云ふことをその夜の涼台で考へました。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
わが名をさえも
三彦
(
みつひこ
)
と書き、いつかは
老
(
おい
)
の
寝覚
(
ねざめ
)
にも忘れがたない思出の夢を
辿
(
たど
)
って年ごとに書綴りては出す
戯作
(
げさく
)
のかずかず。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
たゞ
老
(
おい
)
て
益々
(
ます/\
)
其教育事業
(
そのけういくじげふ
)
を
樂
(
たのし
)
み、
其
(
その
)
單純
(
たんじゆん
)
な
質素
(
しつそ
)
な
生活
(
せいくわつ
)
を
樂
(
たの
)
しんで
居
(
を
)
らるゝのを
見
(
み
)
ては
僕
(
ぼく
)
も
今更
(
いまさら
)
、
崇高
(
すうかう
)
の
念
(
ねん
)
に
打
(
うた
)
れたのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
二人は
此
(
ここ
)
で又もや
組討
(
くみうち
)
を始めたが、若い重太郎は遂に
老
(
おい
)
たる父を
捻伏
(
ねじふ
)
せた。彼は母の
仇
(
かたき
)
と叫びつつ、持ったる
洋刃
(
ないふ
)
を重蔵の
喉
(
のど
)
へ
差付
(
さしつ
)
けたのである。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いはゞ世紀末的な
敗頽
(
はいたい
)
の底を潜つて、何か清新なものを
掴
(
つか
)
まうと
漁
(
あさ
)
つてゐる、
老
(
おい
)
と若さと
矛盾
(
むじゅん
)
してゐる人間に見えた。
夏の夜の夢
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
眞白髯かき垂る
老
(
おい
)
の、この姿ひと日もおちず、生めよ
殖
(
ふ
)
えよよく番へとぞ、日あたりを冬はよろしみ、
端居
(
はしゐ
)
ますかも。
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
壁の中など有るか無きかの命のほど、
老
(
おい
)
たる人、病める身などにて
聞
(
きき
)
たらば、さこそ比らべられて物がなしからん。
あきあはせ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
男気
(
おとこけ
)
のない
奥庭
(
おくにわ
)
に、
次第
(
しだい
)
に
数
(
かず
)
を
増
(
ま
)
した
女中達
(
じょちゅうたち
)
は、お
蓮
(
れん
)
の
姿
(
すがた
)
を
見失
(
みうしな
)
っては一
大事
(
だいじ
)
と
思
(
おも
)
ったのであろう。
老
(
おい
)
も
若
(
わか
)
きもおしなべて、
庭
(
にわ
)
の
木戸
(
きど
)
へと
歩
(
ほ
)
を
乱
(
みだ
)
した。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
我輩一度考えが
其処
(
そこ
)
に及ぶと若返って
老
(
おい
)
を知らぬ(拍手喝采)。運動そのものは競争である。文明の競争ということの意味は明らかに維新の大命令に在る。
吾人の文明運動
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
おまえの、美しい、若々しい眼と、このわしの
老
(
おい
)
ぼれた、ガラスのような眼と、取替えて見ようというまでさ。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
一度にワーンと蜂の巣をつついたような活気が街に
溢
(
あふ
)
れ、長い長い冬眠から覚めて、
老
(
おい
)
も若きも、町民の
面
(
おもて
)
には、一
様
(
よう
)
に、
何
(
なに
)
となく「期待」が輝くのである。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
懐紙を取り出して、つつむように顔へ押し当てると、梶川は、
老
(
おい
)
の弱腰を、べたっと下へくずしてしまった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白髪に
強
(
し
)
いられて、思い切りよく
老
(
おい
)
の敷居を
跨
(
また
)
いでしまおうか、白髪を隠して、なお若い
街巷
(
ちまた
)
に
徘徊
(
はいかい
)
しようか、——そこまでは鏡を見た瞬間には考えなかった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
たとひ信仰に無知なりとも、七千人の
幼児
(
インノセンス
)
が無知を罰し給ふか。われも亦インノセンスといふ。
主
(
しゆ
)
よ、われも彼等の如く罪は無い。
老
(
おい
)
の
極
(
きはみ
)
のこの身を罰し給ふ勿れ。
法王の祈祷
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
厭
(
いや
)
で厭でならない
老
(
おい
)
ぼれ亭主だが、さりとて浮気するのも女の道にはずれる。そのくせ、みじめな我が身の若さと、生きた感情を殺すことは、決して不道徳じゃない。
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
云い終ると同時に、かれは両手で眼を押えた、兵庫の
老
(
おい
)
の眼からもはらはらと落つるものがあった。
青竹
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
お富は長女の手をひきながら、その度に晴れやかな
微笑
(
ほほゑみ
)
を見せた。勿論二十年の歳月は、彼女にも
老
(
おい
)
を
齎
(
もたら
)
してゐた。しかし目の中に冴えた光は昔と余り変らなかつた。
お富の貞操
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
死に近づいた頃、弟子共に歌をよませ、自分も歌をよんだが、其歌は随分増賀上人らしい歌である。「みづはさす
八十路
(
やそじ
)
あまりの
老
(
おい
)
の浪くらげの
骨
(
ほね
)
にあふぞうれしき」
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
独居する芭蕉の心に、次第に
老
(
おい
)
が近づくのを感じて来た。さらでだに寂しい悔恨の人生である。その上にまた老年が迫って来ては、心の孤独のやり場所もないであろう。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
男は
然程
(
さほど
)
注意を惹かないが、
行
(
ゆき
)
交
(
か
)
ふ女が
老
(
おい
)
も若きも引
擦
(
ず
)
る様な広い
裳
(
ジユツプ
)
を
穿
(
は
)
いて、腰の下迄ある長い黒の肩掛を
一寸
(
ちよつと
)
中から片手で胸の所の
合目
(
あはせめ
)
を
抓
(
つま
)
んで歩くのが目に附く。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
と
翁
(
おきな
)
はりきみました。
姫
(
ひめ
)
も、
年寄
(
としよ
)
つた
方々
(
かた/″\
)
の
老先
(
おいさき
)
も
見屆
(
みとゞ
)
けずに
別
(
わか
)
れるのかと
思
(
おも
)
へば、
老
(
おい
)
とか
悲
(
かな
)
しみとかのないあの
國
(
くに
)
へ
歸
(
かへ
)
るのも、
一向
(
いつこう
)
に
嬉
(
うれ
)
しくないといつてまた
歎
(
なげ
)
きます。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
月日は
百代
(
はくたい
)
の
過客
(
くわかく
)
にして、行きかふ年も又旅人なり。船の上に
生涯
(
しやうがい
)
をうかべ、馬の口とらへて
老
(
おい
)
をむかふる者は、日々旅にして、旅を
栖
(
すみか
)
とす。古人も多く旅に死せるあり。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
敬之進の挨拶は長い身の上の述懐であつた。憐むといふ心があればこそ、丑松ばかりは首を垂れて聞いて居たやうなものゝ、さもなくて、誰が
老
(
おい
)
の
繰言
(
くりごと
)
なぞに耳を傾けよう。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
此
(
この
)
弦月丸
(
げんげつまる
)
にも
屡
(
しば/\
)
其
(
その
)
催
(
もようし
)
があつて
私等
(
わたくしら
)
も
折々
(
をり/\
)
臨席
(
りんせき
)
したが、
或
(
ある
)
夜
(
よ
)
の
事
(
こと
)
、
電燈
(
でんとう
)
の
光
(
ひかり
)
眩
(
まば
)
ゆき
舞踏室
(
ぶたうしつ
)
では
今夜
(
こんや
)
は
珍
(
めづ
)
らしく
音樂會
(
おんがくくわい
)
の
催
(
もよう
)
さるゝ
由
(
よし
)
で、
幾百人
(
いくひやくにん
)
の
歐米人
(
をうべいじん
)
は
老
(
おい
)
も
若
(
わか
)
きも
其處
(
そこ
)
に
集
(
あつま
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
我等二分に買ふべしといふに三五郎
打笑
(
うちわら
)
ひ
若
(
もし
)
々先生
新
(
あたら
)
しい時でさへ四五百文位ゐ
最
(
も
)
う
老
(
おい
)
こんで七ツ
過
(
すぎ
)
の
代物
(
しろもの
)
だ二百がものも
有
(
ある
)
まいに夫を二分に
買
(
かは
)
んとは合點の
行
(
ゆか
)
ぬ
事
(
こと
)
なりと云ふを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
卯の花
縅
(
おどし
)
の鎧に錆色の星冑
鍬形
(
くわがた
)
打ったのを着け、白旗の指物なびかせた
老
(
おい
)
武者がある。
長篠合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
峠は
嶮
(
けわ
)
しく、口を開くのも
臆劫
(
おっくう
)
で、話も途切れた。驢馬はすべりがちで、許生員は
喘
(
あえ
)
ぎ喘ぎ幾度も脚を
歇
(
と
)
めなければならなかった。そこを越える毎に、はっきりと
老
(
おい
)
が感じられた。
蕎麦の花の頃
(新字新仮名)
/
李孝石
(著)
と
急
(
せ
)
き立てる
老
(
おい
)
の一徹、性急なのは恒太郎もかね/″\知って居りますが、長二の
居所
(
いどこ
)
が直に分ると申しましたのは、只年寄に心配をさせまいと思っての間に合せでございますから
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この春の
齎
(
もたら
)
せしものは痛悔と失望と
憂悶
(
ゆうもん
)
と、別に
空
(
むなし
)
くその身を
老
(
おい
)
しむる
齢
(
よはひ
)
なるのみ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「こりゃ申し遅れました、わしは仙台の兵助と申すやくざの
老
(
おい
)
ぼれでがすよ、それでも人様が、こんな鬼のような野郎を、
仏
(
ほとけ
)
とおっしゃって下さいます、お見知り置かれ下さいましよ」
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
地獄の沿道には
三途
(
さんず
)
の川、
剣
(
つるぎ
)
の山、
死出
(
しで
)
の山、
老
(
おい
)
の
阪
(
さか
)
、
賽河原
(
さいのかわら
)
などがあり、地獄には
叫喚
(
きょうかん
)
地獄、難産地獄、
無間
(
むげん
)
地獄、妄語地獄、
殺生
(
せっしょう
)
地獄、
八万
(
はちまん
)
地獄、お糸地獄、清七地獄等々があって
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
このあでやかな自分のすがたも、若かければこそ美麗なれ、瞬間にしてあの醜い
老
(
おい
)
の波は全身を押しひさし、やがてこの身もあの下郎とあまり変らぬむさいものとなるにきまっている——
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
彼はいくぶん前よりか顔にも
老
(
おい
)
を見せていたが、それよりももっと目立つほど背中を
屈
(
かが
)
めるようにしていた。それが何んとはなしに病院の空気を彼が恐れでもしているような様子に見せた。
風立ちぬ
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
而
(
しこう
)
してその利益はすなわち木村
軍艦奉行
(
ぐんかんぶぎょう
)
知遇
(
ちぐう
)
の
賜
(
たまもの
)
にして、
終
(
つい
)
に
忘
(
わす
)
るべからざるところのものなり。芥舟先生は少小より
文思
(
ぶんし
)
に
富
(
と
)
み、また
経世
(
けいせい
)
の
識
(
しき
)
あり。常に
筆硯
(
ひっけん
)
を友として
老
(
おい
)
の到るを知らず。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
妻して水
汲
(
く
)
みはこばする事もかきかぞふれば二十年あまりの年をぞへにきける、あはれ今はめもやうやう
老
(
おい
)
にたれば、いつまでかかくてあらすべきとて、貧き中にもおもひわづらはるるあまり
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
それは
先年
(
せんねん
)
、ついウカウカと
高利貸
(
こうりがし
)
の
証文
(
しょうもん
)
に
連帯
(
れんたい
)
の判を押したところ、その借主がポックリ死んでしまって、そのために気の毒にも明日が期限の一千円の
調達
(
ちょうたつ
)
に
老
(
おい
)
の身を細らせているのだった。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
老
(
おい
)
の一徹短慮に
息卷
(
いきま
)
き
荒
(
あら
)
く罵れば、時頼は默然として只〻
差俯
(
さしうつむ
)
けるのみ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
あるものは
老
(
おい
)
を忘れ、またあるものは立身の遅いのを忘れようとしてゐる場合だつたので、そんな物忘れをするのに
効験
(
ききめ
)
のある草が見つかつたなら、人知れず自分の宿に移し植ゑたいといふのが
茶話:11 昭和五(一九三〇)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
春のなかばに病み
臥
(
ふ
)
して、花の盛りもしら雲の、消ゆるに近き
老
(
おい
)
の身を、うからやからのあつまりて、日々にみとりし
甲斐
(
かい
)
ありて、
病
(
やまい
)
はいつか怠りぬ、
実
(
げ
)
に子宝の尊きは、医薬の効にも
優
(
まさ
)
るらん
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
かうして
僅
(
わづ
)
かでも旅先の、
暫
(
しばら
)
くぶりで見る鏡では、身の衰へと云はうか、何時の間にか忍び込んだ
老
(
おい
)
——老と云ふのも気が早過ぎるが、ともかく青春は既に
昨日
(
きのふ
)
の花であることがありありと分つた。
曠日
(新字旧仮名)
/
佐佐木茂索
(著)
“老”の意味
《名詞》
(ロウ) 年をとること。また、年寄り。
(ロウ) 律令制で、61歳から65歳までの者の呼称。老丁。
《代名詞》
(ロウ) (古)老人が自分のことを卑下していう語。
(出典:Wiktionary)
老
常用漢字
小4
部首:⽼
6画
“老”を含む語句
老爺
老婆
老女
老母
老人
老媼
長老
老父
老夫
老翁
老嬢
老嫗
年老
老耄
老僕
老妻
老婢
老婦
老年
老酒
...