“かえい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
嘉永81.1%
花影5.4%
花栄2.7%
佳詠2.7%
可愛2.7%
火影2.7%
賈栄2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
嘉永かえい五年五月はじめの或る日、駿河するがのくに富士郡大宮村にある浅間神社の社前から、二人の旅装の青年が富士の登山口へと向っていった。
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
春院しゅんいんいたずらにけて、花影かえいおばしまにたけなわなるを、遅日ちじつ早く尽きんとする風情ふぜいと見て、こといだいてうらみ顔なるは、嫁ぎおくれたる世の常の女のならいなるに、麈尾ほっすに払う折々の空音そらね
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「鎮台大路たいろへむかって、南側の官邸が、りゅう文官のおうちで、もうすこし先の北側のおやしきが、武官の花栄かえい閣下のおすまいでございますよ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「第二は、青州清風寨せいふうさい小李広しょうりこう花栄かえい。——次には白虎山のご隠居と、そのご兄弟なども頼って行けば、どうにかして下さるとは思われるが」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
絵附の性格をよくつかまれた佳詠かえいだと存じます。
益子の絵土瓶 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
商人あきゅうどでも職人でもい男で、女の方は十九か廿歳はたちぐらいで色の白い、髪の毛の真黒まっくろな、まなこが細くって口元の可愛かえいらしいい女で、縞縮緬しまちりめんの小袖にわしイ見たことのくれえ革の羽織を着ていたから
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
二者の間、既にかくごとし、風声鶴唳ふうせいかくれい、人あい驚かんと欲し、剣光火影かえい、世ようやまさに乱れんとす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
四年正月、燕の先鋒せんぽう李遠、徳州とくしゅう裨将ひしょう葛進かっしん滹沱河こだかに破り、朱能しゅのうもまた平安の将賈栄かえい衡水こうすいに破りてこれとりこにす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)