“いたい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
衣帯40.0%
可愛10.0%
可憐10.0%
幼弱10.0%
異体10.0%
遺体10.0%
遺躰10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
董承は、がくとして、その面を見つめていたが、吉平の義心を見きわめると、今はこの人につつむ理由もないと、一切の秘事をうちあけた後、血詔けっしょう衣帯いたいをとり出して示した。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は元来動物好きで、就中なかんずく犬は大好だから、近所の犬は大抵馴染なじみだ。けれども、此様こんな繊細かぼそ可愛いたいげな声で啼くのは一疋も無い筈だから、不思議に思って、そっと夜着の中から首を出すと
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
さぐることも發見みいだすことも出來でき有樣ありさま——それがためにならぬのはれてあれど——可憐いたいけなつぼみそのうるはしい花瓣はなびらが、かぜにもひらかず、日光にもまだ照映てりはえぬうちに
が、そのおどおどしている幼弱いたいけな体に触ると、限りない愛撫の情がおのずから身内に沁みこんで来るのであった。
生さぬ児 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
蜿蜒ゑんえんとして衣桁いかうに懸る処、恰も異体いたいにして奇紋きもんある一条の長蛇の如く、繻珍しゆちん、西陣、糸綿、綾織繻珍あやおりしゆちん綾錦あやにしき純子どんす琥珀こはく蝦夷錦えぞにしき唐繻子たうじゆす和繻子わじゆす南京繻子なんきんじゆす織姫繻子おりひめじゆすあり毛繻子けじゆすあり。
当世女装一斑 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
杜国とこく亡びてクルーゲル今また歿ぼっす。瑞西すいっつるの山中に肺にたおれたるかれの遺体いたいは、故郷ふるさとのかれが妻の側にほうむらるべし。英雄の末路ばつろ、言は陳腐ちんぷなれど、事実はつねに新たなり。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
与田は中老の筆頭で、すぐ小池帯刀に連絡し、北の馬場へいって現場の検視をし、織部の遺躰いたいを朝田家へ運んだうえ、妻のきい女に仔細しさいを告げた。
ちくしょう谷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)