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婆々
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ばば
ふりがな文庫
“
婆々
(
ばば
)” の例文
堂宮
(
どうみや
)
の
縁下
(
えんのした
)
に
共臥
(
ともぶせ
)
りをします、
婆々
(
ばば
)
媽々
(
かか
)
ならいつでも打ちも蹴りもしてくれましょうが、それでは、念が届きませぬ。
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
更にその際の唱えごととして「隣の
婆々
(
ばば
)
が
屁
(
へ
)
をひった」という類の下品な言葉があり、またふふらのふんというような鼻の音の声色を
囃
(
はや
)
しにしている。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
浜子さんを一番だまかそうという気があったでは決してない。あの
婆々
(
ばば
)
アの方だっても。向うの
閨淋
(
ねやさび
)
しいところから何とか言われたので。前方から世話になっていて。
藪の鶯
(新字新仮名)
/
三宅花圃
(著)
Dostojewski
(
ドストエウスキイ
)
は「罪と償」で、社会に何の役にも立たない慾ばり
婆々
(
ばば
)
あに金を持たせて置くには及ばないと云って殺す主人公を書いたから、所有権を尊重していない。これも危険である。
沈黙の塔
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「お
独
(
ひと
)
りではお寂しかろ、
婆々
(
ばば
)
アでもお相手致しましょう」
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
▼ もっと見る
婆々
(
ばば
)
さ夜食の
鍋
(
なべ
)
かけろ
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
されど今
憖
(
なまじい
)
に鷲の首などと
謂
(
い
)
う時は、かの恐しき魔法使の整え来ぬとも
料
(
はか
)
り難く因りて
婆々
(
ばば
)
が思案には
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一つの
節
(
ふし
)
がこれだけ広く
弘
(
ひろ
)
まったことはもちろんであるが、なお一方にはまた、ここに出てくる「しょんがい
婆々
(
ばば
)
さん」というような、やや
滑稽
(
こっけい
)
なことをいう老女なども
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
深切な
婆々
(
ばば
)
は、
膝
(
ひざ
)
のあたりに手を組んで、客の前に
屈
(
かが
)
めていた腰を
伸
(
の
)
して、
指
(
ゆびさ
)
された
章魚
(
たこ
)
を見上げ
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「おお、
此方衆
(
こなたしゅ
)
はその註文のぬしじゃろ。そうかの。はて、道理こそ、
婆々
(
ばば
)
どもが附き
纏
(
まと
)
うぞ。」
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今時の品の
可
(
い
)
い学生風、しかも口数を利かぬ青年なり、とても
話対手
(
はなしあいて
)
にはなるまい、またしないであろうと、
断念
(
あきら
)
めていた
婆々
(
ばば
)
が、
堪
(
たま
)
り兼ねてまず物優しく言葉をかけた。
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
こうやって
愛想気
(
あいそっけ
)
もない
婆々
(
ばば
)
が
許
(
とこ
)
でも、お休み下さりますお人たちに、お茶のお給仕をしておりますれば、何やかや
賑
(
にぎ
)
やかで、世間話で、ついうかうかと日を暮しますでござります。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かえってその不祥の
兆
(
きざし
)
に神経を悩まして、もの狂わしく、井戸端で火難消滅の
水垢離
(
みずごり
)
を取って、
裸体
(
はだか
)
のまま表通まで駆け出すこともあった、天理教信心の
婆々
(
ばば
)
の内の
麁匆火
(
そそうび
)
であった事と。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
地柄
(
じがら
)
縞柄
(
しまがら
)
は分らぬが、いずれも手織らしい
単放
(
ひとえ
)
を
裙
(
すそ
)
短
(
みじか
)
に、草履
穿
(
ばき
)
で、日に背いたのは
緩
(
ゆるや
)
かに腰に手を組み、日に向ったのは額に手笠で、
対向
(
さしむか
)
って二人——
年紀
(
とし
)
も同じ程な
六十左右
(
むそじそこら
)
の
婆々
(
ばば
)
が
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
時々、あの辺で今まで見た事の無い
婆様
(
ばあさん
)
に逢うものがございますが、何でも
安達
(
あだち
)
が原の一ツ
家
(
や
)
の
婆々
(
ばば
)
という、それはそれは凄い
人体
(
にんてい
)
だそうで、これは多分山猫の
妖精
(
ばけもの
)
だろうという
風説
(
うわさ
)
でな。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
同じ人間もな……鑄掛屋を一人土間で
飲
(
あお
)
らして、納戸の
炬燵
(
こたつ
)
に潜込んだ、一ぜん飯の
婆々
(
ばば
)
媽々
(
かか
)
などと言う
徒
(
てあい
)
は、お道さんの(今晩は。)にただ、(ふわ、)と言ったきりだ。顔も出さねえ。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
朝晩
汐時
(
しおどき
)
を見ては拾っておきまして、お客様には、お土産かたがた、毎度
婆々
(
ばば
)
が
御愛嬌
(
ごあいきょう
)
に進ぜるものでござりますから、つい人様が御存じで、葉山あたりから遊びにござります、書生さんなぞは
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
実は、
婆々
(
ばば
)
どのの言うことに——やや
親仁
(
おやじ
)
どのや、ぬしは信濃国東筑摩郡松本中での
長尻
(
ながちり
)
ぞい……というて奥方、農産会に出た
糸瓜
(
へちま
)
ではござらぬぞ。三杯飲めば
一時
(
いっとき
)
じゃ。今の
時間
(
とき
)
で二時間かかる。
錦染滝白糸:――其一幕――
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いよ。お
婆々
(
ばば
)
、聞えます聞えます、」
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
婆々
(
ばば
)
は
掌
(
て
)
を挙げて白髪の額に頂き
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「分ったか、お
婆々
(
ばば
)
。」と言った。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
婆
常用漢字
中学
部首:⼥
11画
々
3画
“婆々”で始まる語句
婆々縷
婆々様
婆々連