老女ろうじょ)” の例文
石見守いわみのかみはらでは、吹針ふきばり試合しあいではしょせんあの老女ろうじょ勝目かちめはないと考えていたので、この出来事できごとはもっけのさいわいと思った。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
法師はきちんとすわり、持って来たびわをひきよせると、耳もとで老女ろうじょらしい声がしました。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
社頭しゃとう階段きざはしほとりひと気配けはいいたしますので、こころしずめてこちらからのぞいてますと、其処そこには二十五六のわかうつくしいおんなが、六十ぐらい老女ろうじょれてってりましたが
王子はいろいろ思い廻された上、遂にお守役もりやく老女ろうじょにわけを話して、白樫しらがしの森に行けるような手段てだてを相談されました。老女は大層たいそう王子に同情しまして、いいことを一つ考えてくれました。
お月様の唄 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
大きなこうもりにふさわしい黒衣こくい老女ろうじょが、さッとすがって、うしろから竹童をきすくめ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
保養ほようめに、このむすめ一人ひとり老女ろうじょ附添つきそわれて、三崎みさきとお親戚しんせきあたるものの離座敷はなれざしき引越ひっこししてまいりましたのは、それからもないことで、ここではしなくも願掛がんがけのはなしはじまるのでございます。
と、さっきの老女ろうじょの声が、また法師の耳もとでしました。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)