トップ
>
些
>
すこし
ふりがな文庫
“
些
(
すこし
)” の例文
神には撃たれ友には誤解せらる、
自
(
みずか
)
ら自己のために弁明するも
些
(
すこし
)
の効なく、神の我を苦むる手は
弛
(
ゆる
)
まず友の矢はますます
頻
(
しげ
)
く
来
(
きた
)
り注ぐ。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
それ來りてこの
報知
(
しらせ
)
を聞く者甚だ
罕
(
まれ
)
なり、高く飛ばんために生れし人よ、汝等
些
(
すこし
)
の風にあひてかく墜ちるは何故ぞや 九四—九六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
思い切って
斯
(
こ
)
うふいと
何処
(
どこ
)
かへ行って
仕舞
(
しまお
)
うかと思って、それには下総に
些
(
すこし
)
の
知己
(
しるべ
)
が有りますから
其処
(
そこ
)
へ
行
(
ゆ
)
こうかと思うので
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そして信吾は、加藤に対して
些
(
すこし
)
の不快な感を抱いてゐない、
却
(
かへつ
)
てそれに親まう、親んで
而
(
そ
)
して繁く往来しよう、と考へた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「フロオベル、モオパッサン、それから、ブウルジェエ、ベルジックのマアテルリンクなんぞを
些
(
すこし
)
ばかり読みました」
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
しずかに匂う木犀の花と夜寒とがぴたりと一緒になって、
些
(
すこし
)
の
隙
(
すき
)
も見せないのは、実感によるより仕方がない。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
赤ぐろい治部太夫のまじろぎもせぬ眼の光に脅迫を
些
(
すこし
)
も感じていない、平常とただ違うのは呼吸の
紊
(
みだ
)
れだけだ、それも気がつくとほどなく、平調に復しかけてきた。
討たせてやらぬ敵討
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
それにも拘らず人類は
些
(
すこし
)
も神の国に近づかうとしない、などと
遁口上
(
にげこうじやう
)
を言つてはならない。仏の慈悲、神の愛を知つたものは、知つただけで、神の国へ近づいてゐるのである。
工場の窓より
(新字旧仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
この行事中余りに劇しく笞うたれて辛抱ならず、用事に
託
(
かこつ
)
け退き去るも構わねど、もし眼を
眴
(
うご
)
かすなど
些
(
すこし
)
でも痛みに堪え得ぬ
徴
(
しるし
)
を見せると大いに嘲られ殊に婦女に卑しまると。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
路は山の脊に出でゝ、裸なる巖には
些
(
すこし
)
許りなる
蔓草
(
つるくさ
)
纏ひ、灰色を帶びて緑なる
亞爾鮮
(
アルテミジア
)
の葉は朝風に香を途りぬ。空には星猶輝けり。脚下には白霧の遠く漂へるを見る。是れ
大澤
(
たいたく
)
の地なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
池
(
いけ
)
を
圍
(
かこ
)
んだ
三方
(
さんぱう
)
の
羽目
(
はめ
)
は
板
(
いた
)
が
外
(
はづ
)
れて
壁
(
かべ
)
があらはれて
居
(
ゐ
)
た。
室數
(
へやかず
)
は
總體
(
そうたい
)
十七もあつて、
庭
(
には
)
で
取𢌞
(
とりまは
)
した
大家
(
たいけ
)
だけれども、
何百年
(
なんびやくねん
)
の
古邸
(
ふるやしき
)
、
些
(
すこし
)
も
手
(
て
)
が
入
(
はひ
)
らないから、
鼠
(
ねずみ
)
だらけ、
埃
(
ほこり
)
だらけ、
草
(
くさ
)
だらけ。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
些
(
すこし
)
も勞れ不
レ
申、朝暮は是非散歩いたし候樣承り候得共、小
網
(
あみ
)
町に而は始終
相調
(
あひかなひ
)
不
レ
申候處、青山之
極
(
ごく
)
田舍
(
ゐなか
)
に
信吾
(
しんご
)
之屋敷御座候間、其宅を
借
(
かり
)
養生中に御座候間、朝暮は駒場野は
纔
(
わづか
)
四五町も有
レ
之候故
遺牘
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
心は、
些
(
すこし
)
も中心人物と共に鼓動していない。
印象:九月の帝国劇場
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
彼等
(
かれら
)
は
其處
(
そこ
)
に
些
(
すこし
)
の
遠慮
(
ゑんりよ
)
をも
有
(
も
)
つて
居
(
を
)
らぬ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
またかれのいみじき小人なるをさとらせんため、その記録には略字を用ゐて、
些
(
すこし
)
の場所に多くの事を言現はさむ 一三三—一三五
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
しかし手島が渋江氏を
訪
(
と
)
うて、お
手元
(
てもと
)
不如意
(
ふにょい
)
のために、
今年
(
こんねん
)
は返金せられぬということが数度あって、維新の年に至るまでに、還された金は
些
(
すこし
)
ばかりであった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
さて鶴が
些
(
すこし
)
休息しようとしだすと蝶はたちまちその背を離れ予の方が捷いと言いながら前へと飛んで行く、
小癪
(
こしゃく
)
なりと鶴が飛び出して苦もなく蝶を追い過すと蝶また鶴の背に留まり
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
わが目のこれに
堪
(
た
)
ふるをえしはたゞ
些
(
すこし
)
の間なりしも、そがあたかも火よりいづる熱鐡の如く火花をあたりに
散
(
ちら
)
すを見ざる程ならざりき 五八—六〇
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
我は死せるにもあらずまた生けるにもあらざりき、汝
些
(
すこし
)
の
理解
(
さとり
)
だにあらば請ふ今自ら思へ、彼をも此をも共に失へるわが當時のさまを 二五—二七
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
あゝわが
想
(
おもひ
)
に
此
(
くら
)
ぶれば
言
(
ことば
)
の足らず弱きこといかばかりぞや、而してこの想すらわが見しものに此ぶればこれを
些
(
すこし
)
といふにも當らじ 一二一—一二三
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
われ目をさだめて見しに一旒の旗ありき、飜り流れてそのはやきこと
些
(
すこし
)
の
停止
(
やすみ
)
をも
蔑視
(
さげす
)
むに似たり 五二—五四
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
かくて血に
黯
(
くろず
)
むにおよびてまた叫びていひけるは、何ぞ我を裂くや、憐みの心
些
(
すこし
)
も汝にあらざるか 三四—三六
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
かたく目の手綱を
緊
(
し
)
めてこゝを過ぎよ、たゞ
些
(
すこし
)
の事のために足を誤るべければなり。 一一八—一二〇
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
些
漢検準1級
部首:⼆
7画
“些”を含む語句
些少
些々
些事
些細
些末
些子
些程
些中
些細事
露些
一些事
今些
些額
些許
些計
些箇
些末事
些末主義
些技
些小
...