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總體
池を
圍んだ
三方の
羽目は
板が
外れて
壁があらはれて
居た。
室數は
總體十七もあつて、
庭で
取𢌞した
大家だけれども、
何百年の
古邸、
些も
手が
入らないから、
鼠だらけ、
埃だらけ、
草だらけ。
見られ傳吉は
其頃一兩年村内に居ず松山に在りしや又百姓中
總體の
願ひにて村長に成しと云が然樣なるや
尚又傳吉近頃
押領あるよしにて元の村長憑司に
頼まんと致せしや申立よと
言れければ兩人は成程傳吉は其
節野尻宿與惣次方に居りしを