-
トップ
>
-
斯麽
『さう、
眞箇に!』
怖れて
尻尾の
先までも
顫へてゐた
鼠が
叫びました。』
若し
私が
斯麽事を
話したが
最期!
私の一
家族は
殘らず
猫を
仇敵に
念ふ。
愛ちやんは
何とも
云ひませんでした、
生れてから
今までに
斯麽無愛想な
事を
云はれたことがなかつたので、
愛ちやんは
甚だ
面白からず
思ひました。
『だッて、
私は
先きには
斯麽に
小さかなかつたんですもの、なかつたんですもの!
眞箇に
餘程酷いわ、さうよ!』