右馬うま)” の例文
右馬うまかみ菟原うばら薄男すすきおはとある町うらの人の住まない廃家の、はや虫のすだいている冷たいかまどのうしろにこごまって、かくれて坐っていた。
荻吹く歌 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
長崎円喜えんき、金沢ノ大夫たゆう宗顕そうけん佐介さかい前司ぜんじ宗直むねなお、小町の中務なかつかさ秋田あきたじょうすけ、越後守有時ありとき右馬うまかみ茂時しげとき相模さがみ高基たかもと刈田式部かったしきぶ、武蔵の左近将監さこんしょうげんなど、ひと目に余る。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
津の国にまでこの音いろがとどいたなら、右馬うまかみのところが分るだろうにと思うくらいだった。
荻吹く歌 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
右馬うま
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
生絹はまだ明るい夕あかりのなかにまごう方もない、菟原うばら薄男すすきおを見たのであった。頬はくぼみ眼はおとろえ、これが薄男の右馬うまかみとはどう考えても信じられぬほどであった。
荻吹く歌 (新字新仮名) / 室生犀星(著)