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埋
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うま
ふりがな文庫
“
埋
(
うま
)” の例文
呀
(
やあ
)
?
衣
(
きぬ
)
も
扱帶
(
しごき
)
も
上
(
うへ
)
へ
摺
(
ず
)
つて、するりと
白
(
しろ
)
い
顏
(
かほ
)
が
襟
(
えり
)
に
埋
(
うま
)
つた、
紫
(
むらさき
)
と
萌黄
(
もえぎ
)
の、
緋
(
ひ
)
を
流
(
なが
)
るゝやうに
宙
(
ちう
)
に
掛
(
か
)
けて、
紳士
(
しんし
)
は
大跨
(
おほまた
)
にづかり/\。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
自分は依然として病院の門を
潜
(
くぐ
)
ったり出たりした。朝九時頃玄関にかかると、廊下も控所も外来の患者でいっぱいに
埋
(
うま
)
っている事があった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その頁には、昨日の日附と夕刻の数字とが
欄外
(
らんがい
)
に書きこんであり、本欄の各項はそれぞれ小さい文字で
埋
(
うま
)
っていた。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「おめえと
従兄弟
(
いとこ
)
同士の源右衛門はどうした。駈け落ちをしたと云うのは嘘で、あの抜け道のなかに
埋
(
うま
)
って死んだのだろう。その死骸はどこへ隠した」
半七捕物帳:66 地蔵は踊る
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
禿谷には、その翌日、一山の人々が
踵
(
きびす
)
をついでぞろぞろと
群
(
む
)
れてきた。講堂は
立錐
(
りっすい
)
の余地もなく人で
埋
(
うま
)
った。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
姐さん一人に八割も頭をはねられるんでは
埋
(
うま
)
らねえ、どうだ、このへんで姐さんと手を切ろうじゃねえか
三悪人物語:忍術千一夜 第二話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
厭
(
いや
)
だった。——そしてスタンフォドに着いたら、大学の森中、数千台の自動車で
埋
(
うま
)
っている人出でした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
並
(
なら
)
んで
掘
(
ほ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
望生
(
ぼうせい
)
の
膝頭
(
ひざかしら
)
が
泥
(
どろ
)
に
埋
(
うま
)
つて
居
(
ゐ
)
るのを、
狹衣子
(
さごろもし
)
が
完全
(
くわんぜん
)
な
土器
(
どき
)
と
間違
(
まちが
)
へて
掘出
(
ほりだ
)
さうとすると、ピヨイと
望生
(
ぼうせい
)
が
起上
(
たちあが
)
つたので、
土器
(
どき
)
に
羽根
(
はね
)
が
生
(
は
)
えたかと
驚
(
おどろ
)
いたのも
其頃
(
そのごろ
)
。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「
私
(
あっし
)
なんざ、内儀さんにはよくする方なんだ。これで不足を言われちゃ
埋
(
うま
)
らないや。」
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
丁度
紅葉
(
もみじ
)
も色づきます秋のことでげすが、軍艦が
五艘
(
ごそう
)
も碇泊いたし
宿
(
しゅく
)
は大層な賑いで、夜になると貸座敷近辺は
恰
(
まる
)
で水兵さんで
埋
(
うま
)
るような塩梅、
何
(
いず
)
れも一杯
召食
(
きこしめ
)
していらっしゃる
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
だから風琴がなくなった時の事を考えると、私は胸に塩が
埋
(
うま
)
ったようで悲しかった。
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
空と
艸木
(
くさき
)
との
映
(
うつ
)
つた池の水面が、
殆
(
ほとんど
)
埋
(
うま
)
る位な蛙だから、賛成の声も
勿論
(
もちろん
)
大したものである。
丁度
(
ちやうど
)
その時、
白楊
(
はこやなぎ
)
の根元に眠つてゐた
蛇
(
へび
)
は、このやかましいころろ、かららの声で眼をさました。
蛙
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
即ち近くで泣く子供を
叱
(
しか
)
り付けながら、足の
痺
(
しび
)
れを
我
(
が
)
まんしながら、遠いせりふを傾聴しながらあるいは弁当とみかんの皮に
埋
(
うま
)
りながら、後ろの戸の
隙間
(
すきま
)
から吹き込む冷たい風を受けながら
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
店という店、もう九割はそれで
埋
(
うま
)
る。かつて都を指して
上
(
のぼ
)
った地方の品々は、その逆流に手向うことが出来ない。特色ある各地の伝統と技術とは無数の優れた職人と共に
斃
(
たお
)
れつつあるのである。
地方の民芸
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
ほめてでももらわなくちゃあ
埋
(
うま
)
らないヨ、五十五銭というんだもの。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その夜、まつしろいものに
埋
(
うま
)
つて寝た。
雪
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
横竪
(
よこたて
)
の目盛りは
一手
(
ひとて
)
ごとに
埋
(
うま
)
って行くのだから、いかに呑気でも、いかに禅機があっても、苦しくなるのは当り前である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
地震
(
ぢしん
)
が
豪
(
えら
)
く
押
(
おつ
)
ぱだかつて、しやつきり
残
(
のこ
)
つたのはお
天守
(
てんしゆ
)
ばかりぢや。
人間
(
にんげん
)
も
家
(
いへ
)
も
押転
(
おつころ
)
ばして、
濠
(
ほり
)
も
半分
(
はんぶん
)
がた
埋
(
うま
)
りましけ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
第七番目、第八番目、第九番目、山の兵営からの手紙は頬を染めるような文字で
埋
(
うま
)
っている。——
吾木香
(
われもかう
)
すすきかるかや秋くさの、さびしききはみ、君におくらむ。とても与一の歌ではあるまい。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
入口の
瀟洒
(
しょうしゃ
)
な新しい小屋や
小館
(
こやかた
)
で
埋
(
うま
)
っていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
地質学者の計算によると、五万年の
後
(
のち
)
には今の
渤海湾
(
ぼっかいわん
)
が全く
埋
(
うま
)
ってしまう都合になっていますと木戸君が語られた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ああ、入替った、うつくしい人の雪なす足は、たちまち砂へ深く
埋
(
うま
)
ったんです。……
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この記憶に富んだ庭も、今は全く
霧
(
きり
)
に
埋
(
うま
)
って、
荒果
(
あれは
)
てた自分の下宿のそれと、何の境もなくのべつに続いている。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
塵芥
(
ごみ
)
で
埋
(
うま
)
った溝へ、引傾いて落込んだ——これを境にして軒隣りは、中にも見すぼらしい
破屋
(
あばらや
)
で、
煤
(
すす
)
のふさふさと下った
真黒
(
まっくろ
)
な
潜戸
(
くぐりど
)
の上の壁に、何の
禁厭
(
まじない
)
やら、上に春野山、と書いて
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「まあどのくらいあれば、これまでの穴が
奇麗
(
きれい
)
に
埋
(
うま
)
るのかと御聞きになるから、——よっぽど言い
悪
(
にく
)
かったんですけれども——とうとう思い切ってね……」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ものこれ、三十年
経
(
た
)
ったとこそいえ、若い
女﨟
(
じょうろう
)
が
埋
(
うま
)
ってるだ。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分は積んである薪を
片
(
かた
)
っ
端
(
ぱし
)
から彫って見たが、どれもこれも仁王を
蔵
(
かく
)
しているのはなかった。ついに明治の木にはとうてい仁王は
埋
(
うま
)
っていないものだと悟った。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その食事さえ雨が降って車の輪が泥の中に
埋
(
うま
)
って、馬の力ではどうしても
運搬
(
うんぱん
)
ができなかった事もある。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
先生はどんな
柱
(
はしら
)
を
抱
(
だ
)
いてゐるだらう。与次郎は偉大なる
暗闇
(
くらやみ
)
の
中
(
なか
)
に正体なく
埋
(
うま
)
つてゐるに違ない。……
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「僕か、そうさな僕なんかは——まあ
自然薯
(
じねんじょ
)
くらいなところだろう。長くなって泥の中に
埋
(
うま
)
ってるさ」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただその色具合が、とくに現代を超越して、
上昔
(
そのかみ
)
の空気の中に黒く
埋
(
うま
)
っている。いかにもこの古道具屋にあって
然
(
しか
)
るべき調子である。井深はきっと安いものだと鑑定した。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
鑿で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に
埋
(
うま
)
っているのを、
鑿
(
のみ
)
と
槌
(
つち
)
の力で掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出すようなものだからけっして間違うはずはない
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それが不思議にも続きもので、右の
端
(
はじ
)
の
巌
(
いわ
)
の上に立っている三羽の鶴と、左の
隅
(
すみ
)
に翼をひろげて飛んでいる一羽のほかは、距離にしたら約二三間の間ことごとく波で
埋
(
うま
)
っていた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「君は私がなぜ
毎月
(
まいげつ
)
雑司ヶ谷
(
ぞうしがや
)
の墓地に
埋
(
うま
)
っている友人の墓へ参るのか知っていますか」
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
市蔵はようやく
諦
(
あき
)
らめたという眼つきをして、一番しまいに、「じゃせめて寺だけ教えてくれませんか。母がどこへ
埋
(
うま
)
っているんだか、それだけでも知っておきたいと思いますから」
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
壕はどのくらい
埋
(
うま
)
ったか分らないが、先の方から順々に飛び込んではなくなり、飛び込んではなくなってとうとう浩さんの番に来た。いよいよ浩さんだ。しっかりしなくてはいけない。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分は手欄の
傍
(
そば
)
まで近寄って、短い首を
伸
(
のば
)
して穴の中を
覗
(
のぞ
)
いた。すると
遥
(
はるか
)
の下は、絵にかいたような小さな人で
埋
(
うま
)
っていた。その数の多い割に
鮮
(
あざやか
)
に見えた事。人の海とはこの事である。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あの橋は人で
埋
(
うま
)
っている」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
埋
常用漢字
中学
部首:⼟
10画
“埋”を含む語句
埋葬
生埋
埋合
溝埋
埋火
降埋
埋木
埋没
埋立
穴埋
埋蔵
埋葬地
埋尽
埋伏
埋立地
埋兵
埋草
埋地
仮埋葬
埋堀
...