“女﨟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じょろう66.7%
じょうろう33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
聟どのが着座すると程なく、花嫁の寧子は、物吉ものよしの女とう世話女﨟じょろうに導かれて、聟どのの隣へ音もなく坐る。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
熊も熊、荒熊の如き武者修業の背後から、何の躊躇ちゅうちょもなく鎌の刃を引掛けたが、尊き女﨟じょろうの切下げ髪、紫の打紐うちひもにキリキリと巻いたるにさえ、焚籠たきこめてある蘭麝待らんじゃたいの名香。
怪異黒姫おろし (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
「まあ、そうですか、いうのもお可哀相。あの方、それは、おくらしに賃仕事をなすったでしょう。けれど、もと、千五百石のおやしき女﨟じょうろうさん。」
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いま辻町は、蒼然そうぜんとして苔蒸こけむした一基の石碑を片手で抱いて——いや、抱くなどというのははばかろう——霜より冷くっても、千五百石の女﨟じょうろうの、石のむくろともいうべきものに手を添えているのである。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)