女﨟じょうろう)” の例文
「まあ、そうですか、いうのもお可哀相。あの方、それは、おくらしに賃仕事をなすったでしょう。けれど、もと、千五百石のおやしき女﨟じょうろうさん。」
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いま辻町は、蒼然そうぜんとして苔蒸こけむした一基の石碑を片手で抱いて——いや、抱くなどというのははばかろう——霜より冷くっても、千五百石の女﨟じょうろうの、石のむくろともいうべきものに手を添えているのである。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ものこれ、三十年ったとこそいえ、若い女﨟じょうろううまってるだ。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)