トップ
>
産
>
うま
ふりがな文庫
“
産
(
うま
)” の例文
一々
算盤珠
(
そろばんだま
)
を
弾
(
はじ
)
いて、口が一つ
殖
(
ふ
)
えればどう、二年
経
(
た
)
って子供が一人
産
(
うま
)
れればどうなるということまで、出来るだけ詳しく積って見た。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
その親が海に働こうとして
暁
(
あかつき
)
に浜に出たが、まだ夜が明けぬのでしばらく寄木を枕にして
仮睡
(
うたたね
)
していると、今ほど
何某
(
なにぼう
)
の家に子が
産
(
うま
)
れる。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
いい医者の事をむかしから
国手
(
こくしゆ
)
といふ。茶話子の
産
(
うま
)
れ故郷に、風邪を治すよりも鮒を釣る方がずつと上手の医者があつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
要するにチヨーサーのシバルリイ(即ち英国の)は我がシバルリイの如く暗憺たる時代に
産
(
うま
)
れたるにあらず、我がシバルリイのごとく圧抑の反動として
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
ともに
莱州
(
らいしゅう
)
の
産
(
うま
)
れだが、武芸はいずれ劣らない。
慨世
(
がいせい
)
の気があり過ぎてかえって世に
容
(
い
)
れられぬ
狷介
(
けんかい
)
の男どもだ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
掘
(
ほり
)
につきたる時は
漁師
(
れふし
)
もこれをとらず、たま/\
捕
(
と
)
るものあれども
強
(
しひ
)
てはせぬ事也。
女魚
(
めな
)
さへとらざれば
男魚
(
をな
)
は其所をさらず。
鮏
(
さけ
)
の河に
泝
(
さかのぼ
)
るは子を
産
(
うま
)
んとて也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
産
(
うま
)
せいよいよ
榮
(
さか
)
え行けるに母のお勝も大いに
安堵
(
あんど
)
し常に
念佛
(
ねんぶつ
)
三
昧
(
まい
)
の
道場
(
だうぢやう
)
に遊び
亡
(
な
)
き庄兵衞が
菩提
(
ぼだい
)
を
弔
(
とむら
)
ひ
慈悲
(
じひ
)
善根
(
ぜんこん
)
を事としたれば九十餘
歳
(
さい
)
の
長壽
(
ちやうじゆ
)
を
保
(
たも
)
ち
大往生
(
だいわうじやう
)
の
素懷
(
そくわい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
太古の文芸がこの水の
漂
(
たゞよ
)
ふ岸辺から発生した歴史から、美しい
女神
(
によしん
)
ベヌスが紫の波より
産
(
うま
)
れ
出
(
いで
)
たと伝ふ其れ等の神話までが、如何にも自然で、決して無理でないと
首肯
(
うなづ
)
かれる。
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
雄二は自分が
産
(
うま
)
れた日は、どんな、お天気だったのかしら、としきりに考えてみました。
誕生日
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
ここに泉富子(目下農学博士某の妻なり)の来歴を述べんに、彼女は
素
(
もと
)
備前の
産
(
うま
)
れなり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
恙
(
つゝ
)
がなく
産
(
うま
)
れ
出
(
いで
)
しといふやうに
言問
(
ことゝひ
)
の前の人の山を
潜
(
くぐ
)
り
出
(
いで
)
て見れば、
嬉
(
うれ
)
しや、
此
(
こゝ
)
に
福岡楼
(
ふくをかろう
)
といふに
朝日新聞社員休息所
(
あさひしんぶんしやゐんきうそくじよ
)
の
札
(
ふだ
)
あり、
極楽
(
ごくらく
)
で
御先祖方
(
ごせんぞがた
)
に
御目
(
おめ
)
に
掛
(
かゝ
)
つたほど
悦
(
よろこ
)
びて
楼
(
ろう
)
に
上
(
のぼ
)
れば
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
子供は
産
(
うま
)
れたが、婦人は死んでしまった所密通をした
廉
(
かど
)
と子を
堕胎
(
おろ
)
した廉が有るから、
拠
(
よんどころ
)
なく其の死骸を旅荷に
拵
(
こしら
)
え、女の在所へ持って
往
(
ゆ
)
き、親達と相談の上で
菩提所
(
ぼだいしょ
)
へ
葬
(
ほうむ
)
る積りだが
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「チェッ! やり切れねえなあ、
嬶
(
かかあ
)
は又腹を
膨
(
ふく
)
らかしやがったし、……」彼はウヨウヨしている子供のことや、又此寒さを目がけて
産
(
うま
)
れる子供のことや、滅茶苦茶に産む嬶の事を考えると
セメント樽の中の手紙
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
お
京
(
きやう
)
さん
母親
(
おふくろ
)
も
父親
(
おやぢ
)
も
空
(
から
)
つきり
當
(
あて
)
が
無
(
な
)
いのだよ、
親
(
おや
)
なしで
産
(
うま
)
れて
來
(
く
)
る
子
(
こ
)
があらうか、
己
(
お
)
れは
何
(
ど
)
うしても
不思議
(
ふしぎ
)
でならない、と
燒
(
やき
)
あがりし
餅
(
もち
)
を
兩手
(
りやうて
)
でたゝきつゝいつも
言
(
い
)
ふなる
心細
(
こゝろぼそ
)
さを
繰返
(
くりかへ
)
せば
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その年に、母は赤ん坊を
産
(
う
)
んだ。私達は
兄妹
(
きょうだい
)
五人となった。
産
(
うま
)
れた男の子を、子守りするために、私は学校を休む日が、まえより多くなった。ともすると一週間ぐらいぶっとおしに休むことがあった。
戦争雑記
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
「そちはどこで
産
(
うま
)
れたな?」
古千屋
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そのころ小野が結婚して、京橋の岡崎町に間借りをして、小綺麗な
生活
(
くらし
)
をしていた。女は
伊勢
(
いせ
)
の
産
(
うま
)
れとばかりで、
素性
(
すじょう
)
が解らなかった。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
言ひ伝へによると、
白拍子
(
しらびやうし
)
静
(
しづか
)
が母の
磯禅師
(
いそのぜんじ
)
はこゝに住むでゐたのださうで、禅師の
血統
(
ちすぢ
)
はその後も伝はつてゐるが、
産
(
うま
)
れる娘は皆
醜婦揃
(
すべたぞろ
)
ひである。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
謙信はふと
厳粛
(
げんしゅく
)
に眉をひき
緊
(
し
)
めた。思い出したからである。この斎藤下野なるものの祖先は越後ではなかった。この厩橋城から数里の東にある
生品郷
(
いくしなごう
)
の
産
(
うま
)
れである。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
われは
函嶺
(
かんれい
)
の東、山水の威霊少なからぬところに
産
(
うま
)
れたれば、我が故郷はと問はゞそこと答ふるに
躊躇
(
ためら
)
はねども、往時の産業は破れ、知己親縁の風流雲散せざるはなく
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
我国の鮏は初秋より北海を
出
(
いで
)
て
千曲川
(
ちくまかは
)
と
阿加川
(
あかかは
)
の
両大河
(
ふたつのだいが
)
に
泝
(
さかのぼ
)
る、これ其子を
産
(
うま
)
んとて也。
女魚
(
めな
)
に
男魚
(
をな
)
随
(
したがふ
)
てのぼる。
泝
(
さかのぼ
)
る事およそ五十余里、河に
在
(
ある
)
事およそ五か月あまり也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
全く氏自身の深い内的生命の神秘なる衝動から
産
(
うま
)
れ
来
(
きた
)
つたものである事が
分
(
わか
)
る。
谷崎潤一郎氏の作品
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
鐵「へえ……それからお前さんが
産
(
うま
)
したのかえ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
笹村
(
ささむら
)
が妻の入籍を済ましたのは、二人のなかに
産
(
うま
)
れた幼児の出産届と、ようやく同時くらいであった。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
他国に出稼ぎするものにくらべると、
産
(
うま
)
れ在所に残つてゐるものの方が多く長命なのは、最近の統計の証明するところで、これは男にも女にも共通の
確
(
たしか
)
な事実である。
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
沙
(
すな
)
に
小礫
(
こじやり
)
の
交
(
まじ
)
りたる所にあらざれば
産
(
うま
)
ずと
漁師
(
れふし
)
がいへり。その
所為
(
しわざ
)
人の
智
(
ち
)
にをさ/\おとらず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「ハムレツト」の幽霊は実に此観念、この畏怖より、シヱークスピアの
懐裡
(
くわいり
)
に
産
(
うま
)
れたり。
他界に対する観念
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
「おまえは、どこのお
産
(
うま
)
れかえ」
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
産れは八王子のずっと手前の、ある小さい町で、
叔父
(
おじ
)
が
伝通院
(
でんずういん
)
前にかなりな
鰹節屋
(
かつぶしや
)
を出していた。新吉は、ある日わざわざ汽車で乗り出して女の
産
(
うま
)
れ
在所
(
ざいしょ
)
へ身元調べに行った。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
詩人豈に国民の為にのみ
産
(
うま
)
れんや、詩人豈に所謂国民的なる狭少なる偏見の中にのみ限られんや、然れども事実に於て、詩人も亦た愛国家なり、詩人も亦た国民の中に生くるものなり。
国民と思想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
錠を
卸
(
おろ
)
してある寝室へ入って、深々した軟かい、二人寝の寝台の上へも
臥
(
ね
)
かされた。よく薬種屋の方へ遊びに来ている、お島さんという神奈川在
産
(
うま
)
れの丸い顔の女が、この外人の
洋妾
(
らしゃめん
)
であった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
倘
(
も
)
し伯が貴族の家に
産
(
うま
)
れたる身を以て、
自
(
みづか
)
ら
降
(
くだ
)
りて平民の友となり、其一生を唯だ農民の為に尽すところあらんとするの精神を読み得なば、誰れか伯の資性の天真爛熳たるを疑ふものゝあるべき。
トルストイ伯
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
戦ひに死して
背
(
はい
)
を敵に向けず、其勇は実に
嘉
(
よみ
)
すべし。然れども戦ふ為に
産
(
うま
)
れ、戦ふ為に
仆
(
たふ
)
る可きは、夫れ仏国か。一大魔ありて人間界を支配するとせば、彼は仏国を以て一闘犬となしつゝあるなり。
想断々(2)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
産
常用漢字
小4
部首:⽣
11画
“産”を含む語句
財産
土産
御土産
産婆
流産
産土神
資産
産霊
産所
産業
生産
産出
出産
子産
産子
産土神様
土産物
手土産
産褥
産毛
...