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甘
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あま
ふりがな文庫
“
甘
(
あま
)” の例文
ロレ いや、
其
(
その
)
語
(
ことば
)
の
鋭鋒
(
きっさき
)
を
防
(
ふせ
)
ぐ
甲胄
(
よろひ
)
を
與
(
おま
)
さう。
逆境
(
ぎゃくきゃう
)
の
甘
(
あま
)
い
乳
(
ちゝ
)
ぢゃと
謂
(
い
)
ふ
哲學
(
てつがく
)
こそは
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
の
慰
(
なぐさ
)
め
草
(
ぐさ
)
ぢゃ、よしや
追放
(
つゐはう
)
の
身
(
み
)
とならうと。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
今
(
いま
)
敵國
(
てきこく
)
深
(
ふか
)
く
侵
(
をか
)
して、
邦内
(
はうない
)
騷動
(
さうどう
)
し、
士卒
(
しそつ
)
、
境
(
さかひ
)
に
(一七)
暴露
(
ばくろ
)
す。
君
(
きみ
)
寢
(
い
)
ねて
席
(
せき
)
を
安
(
やす
)
んぜず、
食
(
くら
)
うて
味
(
あぢはひ
)
を
甘
(
あま
)
しとせず。百
姓
(
せい
)
の
命
(
めい
)
皆
(
みな
)
君
(
きみ
)
に
懸
(
か
)
かる。
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
餅菓子店
(
もちぐわしや
)
の
店
(
みせ
)
にツンと
濟
(
す
)
ましてる
婦人
(
をんな
)
なり。
生娘
(
きむすめ
)
の
袖
(
そで
)
誰
(
たれ
)
が
曳
(
ひ
)
いてか
雉子
(
きじ
)
の
聲
(
こゑ
)
で、ケンもほろゝの
無愛嬌者
(
ぶあいけうもの
)
、
其癖
(
そのくせ
)
甘
(
あま
)
いから
不思議
(
ふしぎ
)
だとさ。
神楽坂七不思議
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
これらの
川魚
(
かわざかな
)
は、
底
(
そこ
)
の
浅
(
あさ
)
いたらいの
中
(
なか
)
に、
半分
(
はんぶん
)
白
(
しろ
)
い
腹
(
はら
)
を
見
(
み
)
せて、
呼吸
(
こきゅう
)
をしていました。その
隣
(
となり
)
では、
甘
(
あま
)
ぐりを
大
(
おお
)
なべで
炒
(
い
)
っていました。
とびよ鳴け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「イヤ、そうは脱けさせない。自分は隠しじるしをして置いた、それが今
何処
(
どこ
)
にある。ソンナ
甘
(
あま
)
い手を食わせられる自分じゃない」
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
與吉
(
よきち
)
はおつぎに
抱
(
だ
)
かれる
時
(
とき
)
いつも
能
(
よ
)
くおつぎの
乳房
(
ちぶさ
)
を
弄
(
いぢ
)
るのであつた。
五月蠅
(
うるさ
)
がつて
邪險
(
じやけん
)
に
叱
(
しか
)
つて
見
(
み
)
ても
與吉
(
よきち
)
は
甘
(
あま
)
えて
笑
(
わら
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
今も昔のごとく
薄給
(
はっきゅう
)
に
甘
(
あま
)
んじ下男同様の
粗衣
(
そい
)
粗食を受け収入の全額を挙げて春琴の用に供したその他経済を切り詰めるため奉公人の数を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
うら悲しいような、
甘
(
あま
)
えたいような気持ちが、自然にそんな言葉となって、かれの
唇
(
くちびる
)
をもれたといったほうが適当だったのである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
明微洞察
(
めいびどうさつ
)
神のごとく、世態人情の
酸
(
す
)
いも
甘
(
あま
)
いも味わいつくして、善悪ともにそのまま見通しのきくうえに、
神変不可思議
(
しんぺんふかしぎ
)
な
探索眼
(
たんさくがん
)
には
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
園
(
その
)
さま
我
(
わ
)
れに
遠慮
(
ゑんりよ
)
は
入
(
い
)
らず、
嫌
(
い
)
やな
時
(
とき
)
は
嫌
(
い
)
やといふがよし、
我
(
わ
)
れを
他人
(
たにん
)
の
男
(
をとこ
)
と
思
(
おも
)
はず
母樣
(
はヽさま
)
同
(
どう
)
やう
甘
(
あま
)
へ
給
(
たま
)
へと
優
(
やさ
)
しく
慰
(
なぐ
)
さめて
日毎
(
ひごと
)
に
通
(
かよ
)
へば
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼はマッカベエイの
書
(
ふみ
)
のうちなるヤーソンの第二とならむ、また王これに
甘
(
あま
)
かりし如くフランスを治むるもの彼に甘かるべし 八五—八七
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
子どもらしく先生と書かずに、教師と書いたところに早苗の精いっぱいさがあり、
甘
(
あま
)
っちょろいあこがれなどではないものを感じさせた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
もとよりその職業につく目的をもって進みきたり、かつ現在の職業に
甘
(
あま
)
んずる人は百人に一人あるや否や我らは大いに疑わざるを
得
(
え
)
ない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
その上結婚当時の
甘
(
あま
)
い言葉や優しい態度など
思合
(
おもひあわ
)
せると、彼の愛も卑劣な欺瞞と賤しい情慾との塊にすぎないのだと思はれた。
復讐
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
『いえ、あのお
猿
(
さる
)
さんが
蟹
(
かに
)
にぶつけたのも、きつと
私
(
わたし
)
のやうな
澁
(
しぶ
)
い
柿
(
かき
)
で、
自分
(
じぶん
)
で
取
(
と
)
つて
食
(
た
)
べたといふのはお
前
(
まへ
)
さんのやうな
甘
(
あま
)
い
柿
(
かき
)
ですよ。』
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
酢
(
す
)
ならば
酸
(
す
)
ッぱくなるし——カミツレ
草
(
さう
)
ならば
苦
(
にが
)
くするし——ト
云
(
い
)
つて——ト
云
(
い
)
つて
砂糖
(
さたう
)
やなどでは
子供
(
こども
)
を
甘
(
あま
)
やかして
了
(
しま
)
うし。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
采女の事などを主にするから
甘
(
あま
)
くなるかというに決してそうでなく、皇子一流の精厳ともいうべき歌調に統一せられている。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
来るたんびにきっと何か
玩具
(
おもちゃ
)
を買って来てやった。ある時は余り多量に
甘
(
あま
)
いものをあてがって叔母から
怒
(
おこ
)
られた事さえある。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その長い長い別れのキスが、誰を心あてにしたものか、神ならぬ身の知るよしもなかったけれど、わたしはむさぼるように、その
甘
(
あま
)
さを味わった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
庭には
沈丁花
(
ちんちょうげ
)
の
甘
(
あま
)
い
香
(
か
)
が日も夜も
溢
(
あふ
)
れる。梅は赤い
萼
(
がく
)
になって、
晩咲
(
おそざき
)
紅梅
(
こうばい
)
の蕾がふくれた。犬が
母子
(
おやこ
)
で
芝生
(
しばふ
)
にトチ
狂
(
くる
)
う。猫が小犬の様に
駈
(
か
)
け
廻
(
まわ
)
る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
拂
(
はら
)
ひしも
最早
(
もはや
)
夫さへ殘りなく
誠
(
まこと
)
に
當惑
(
たうわく
)
の
折柄
(
をりから
)
なるに
御深切
(
ごしんせつ
)
の御言葉に
甘
(
あま
)
え何とも
鐵面皮
(
あつかま
)
しき御願ひなれども今少し
夫
(
をつと
)
の病氣の
快
(
なほ
)
る迄御慈悲に
滯留
(
たいりう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
駁
(
ばく
)
するものは言ふ。芸者したものは
酸
(
す
)
いも
甘
(
あま
)
いも知つてゐるはずなり。
栄耀栄華
(
えいようえいが
)
の味を知つたもの故芝居も着物もさして珍らしくは思はぬはずなり。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
もっと、ここに書くのも
気恥
(
きはず
)
かしいほど、
甘
(
あま
)
ったるい文句も書いてありました。で、ぼくは大切に、一々トランクの
奥底
(
おくそこ
)
にしまい込んでいたのです。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
およそこの世の
酸
(
す
)
いも
甘
(
あま
)
いもしゃぶりつくした福松は、金銭の有難味を知っていて、締まるところは締まる仕末も、世間が教えてくれた訓練の一つ。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
また、そんなに
劇
(
はげ
)
しい色をしていない代りに、
甘
(
あま
)
い重苦しくなるほど劇しい
匂
(
におい
)
を持った花もどっさりある——
茉莉
(
パクリ
)
だとか、
鷹爪花
(
ヰエヌニアンホア
)
だとか、
素馨
(
スウヒイエン
)
だとか。
蝗の大旅行
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
いいえ、あいつの歌なら、あの
甘
(
あま
)
ったるい歌なら、さっきから光の中に溶けていましたがひばりはまさか溶けますまい。溶けたとしたらその小さな
骨
(
ほね
)
を
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
氷と雲とにおおわれた
裸
(
はだか
)
の岩山が谷をとりまいていました。ヤナギとコケモモが
咲
(
さ
)
きそろい、よい
香
(
かお
)
りのするセンオウは
甘
(
あま
)
い
匂
(
にお
)
いをひろげていました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
お母さんは、ひとり子の
隆夫
(
たかお
)
少年に昔から
甘
(
あま
)
くもあったが、また隆夫少年ひとりをたよりに、さびしく暮して行かねばならない気の毒な婦人でもあった。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
子供がすでに啄木の感傷の
甘
(
あま
)
さに満足しない位だから、滅多には歌も詠めなくなったと、人に話したことだった。
かき・みかん・かに
(新字新仮名)
/
中島哀浪
(著)
これは目ぼしい季節の蔬菜を、風物ごと刻み込んで醗酵させた、おかず味噌で、霜焼けの手を掻くような、掻かないではいられない
甘
(
あま
)
かゆいものであった。
立春開門
(新字新仮名)
/
河井寛次郎
(著)
代って
舌鼓
(
したつづみ
)
うちたいほどの
甘
(
あま
)
い
哀愁
(
あいしゅう
)
が復一の胸を
充
(
みた
)
した。復一はそれ以上の意志もないのに
大人
(
おとな
)
の
真似
(
まね
)
をして
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
熊手をあげて
我
(
わし
)
が口へ
柔
(
やはらか
)
におしあてる事たび/\也しゆゑ、
蟻
(
あり
)
の事をおもひだし
舐
(
なめ
)
てみれば
甘
(
あま
)
くてすこし
苦
(
にが
)
し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
と
蛾次郎
(
がじろう
)
は、
卜斎
(
ぼくさい
)
の
顔色
(
かおいろ
)
が、だんだん
和
(
やわ
)
らいでくるのを見ると、
甘
(
あま
)
ッたれたような
調子
(
ちょうし
)
でしゃべりだしてくる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
与一に対して、何となく肉親のような愛情が
湧
(
わ
)
いた。かつての二人の男に感じなかった
甘
(
あま
)
さが、妙に私を泪もろくして、私は固く二重
顎
(
あご
)
を結んで下を向いた。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
たまらなく「
甘
(
あま
)
いもの」が食べたくなり、時にはそれが発作的な病気のように来ることがあるのと同様に
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
無垢
(
むく
)
な
若者
(
わかもの
)
の
前
(
まへ
)
に
洪水
(
おほみづ
)
のやうに
展
(
ひら
)
ける
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は、どんなに
甘
(
あま
)
い
多
(
おほ
)
くの
誘惑
(
いうわく
)
や、
美
(
うつく
)
しい
蠱惑
(
こわく
)
に
充
(
み
)
ちて
押
(
お
)
し
寄
(
よ
)
せることだらう!
外
(
そ
)
れるな、
濁
(
にご
)
るな、
踏
(
ふ
)
み
迷
(
まよ
)
ふなと
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
今一人の薄汚なき小男を後にて聞けば、失敬な世に
安伴
(
あんばん
)
と呼ばれて
中々
(
なか/\
)
甘
(
あま
)
くない
精悍
(
せいかん
)
機敏
(
きびん
)
の局長なりけり。
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
それが出来なかつたら、師となり
弟子
(
ていし
)
となつたのが
命
(
めい
)
だ、
甘
(
あま
)
んじて死なうと決心した。そこで君だがね。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
天国へ往くと、ワニイユの這入つた、
甘
(
あま
)
い、牛乳と卵とのあぶくを食べながら、ワイオリンの好い
音
(
ね
)
を聞くのださうだが、まあ、それと同じ心持がするのだからね。
聖ニコラウスの夜
(新字旧仮名)
/
カミーユ・ルモンニエー
(著)
「おお、
母
(
かあ
)
さんや、」とお
父
(
とう
)
さんが
言
(
い
)
った。「あすこに、
綺麗
(
きれい
)
な
鳥
(
とり
)
が、
好
(
い
)
い
声
(
こえ
)
で
鳴
(
な
)
いているよ。
日
(
ひ
)
がぽかぽかと
射
(
さ
)
して、
何
(
なに
)
もかも、
肉桂
(
にくけい
)
のような
甘
(
あま
)
い
香気
(
かおり
)
がする。」
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
中国名の
芭蕉
(
ばしょう
)
は一に
甘蕉
(
かんしょう
)
ともいい、実はバナナ、すなわちその果実の味の
甘
(
あま
)
いバナナ類を総称した名である。ゆえにバナナを
芭蕉
(
ばしょう
)
といい、
甘蕉
(
かんしょう
)
といってもよいわけだ。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
女といへば大抵の無理は通るものと思つてゐるらしいが、実際多くの著作家のなかには女名前の手紙には、喜んで返事を書くやうな
甘
(
あま
)
つ
垂
(
たる
)
い
輩
(
てあひ
)
が居ないとも限らない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
あの
大
(
たい
)
そう
甘
(
あま
)
い、
白
(
しろ
)
い
粉
(
こな
)
……
砂糖
(
さとう
)
とやら
申
(
もう
)
すものは、もちろん
私達
(
わたくしたち
)
の
時代
(
じだい
)
にはなかったもので、その
頃
(
ころ
)
のお
菓子
(
かし
)
というのは、
主
(
おも
)
に
米
(
こめ
)
の
粉
(
こな
)
を
固
(
かた
)
めた
打菓子
(
うちがし
)
でございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
そんなふうに、彼はすっかり
甘
(
あま
)
やかされてだめになるところだった。しかし
幸
(
さいわい
)
なことに、彼は
生
(
う
)
まれつき
賢
(
かしこ
)
い
性質
(
せいしつ
)
だったので、ある一人の男のよい
影響
(
えいきょう
)
をうけて
救
(
すく
)
われた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
青年たちはこういうふうに娘たちを、美と善との
靄
(
もや
)
のなかにつつんで心に描くことは少しも
甘
(
あま
)
いことではなく、むしろ健やかなことである。のみならず賢いことでさえある。
学生と生活:――恋愛――
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
例えば「
清貧
(
せいひん
)
に
甘
(
あま
)
んずる」ということが道徳上の善であっても、必ずしもそれがすぐ政治上の道義だとはいえない。国民生活をできるだけ豊かにすることが善い政治であろう。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
いかにも
甘
(
あま
)
い考へだといふのほかはない。ところへいきなり廣岡がわきから飛び込んで來た。さうして肝腎なものをさらつて行かうとしてゐる。畑浦があわてたのも無理はない。
続生活の探求
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
甘
(
あま
)
つたるい感情を、今更こね返してみる気にはなれないよ、僕は……。それより、死ぬか活きるかつていふ仕事にぶつかつてみたいんだ。かういふ
手応
(
てごた
)
へのない生活は、もう御免だ。
ママ先生とその夫
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
まずしい創作集ではあったが、私には、いまでも多少の愛着があるのである。なぜなら、その創作集の中の作品は、一様に
甘
(
あま
)
く、何の野心も持たず、ひどく楽しげに書かれているからである。
ろまん灯籠
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
元来
儂
(
のう
)
は我が国民権の拡張せず、従って婦女が古来の
陋習
(
ろうしゅう
)
に慣れ、
卑々屈々
(
ひひくつくつ
)
男子の
奴隷
(
どれい
)
たるを
甘
(
あま
)
んじ、
天賦
(
てんぷ
)
自由の権利あるを知らず
己
(
おの
)
れがために
如何
(
いか
)
なる弊制悪法あるも
恬
(
てん
)
として意に介せず
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
“甘”の解説
あまいこと。あまいもの。甘味を参照。
漢字の部首の一つ。甘部を参照。
甘 (姓) - 漢姓のひとつ。
中国の古代地名、甘のこと。本記事で説明。
甘(かん)は中国の古い地名。現在の中華人民共和国陝西省西安市鄠邑区甘亭鎮にあたる。
夏の帝啓が、諸侯の有扈氏を破った古戦場。この地で、書経の「甘誓」は発表された。
(出典:Wikipedia)
甘
常用漢字
中学
部首:⽢
5画
“甘”を含む語句
甘味
甘美
甘藍
甘藷
甘睡
甘蔗
甘藷畑
甘酸
甘草
甘々
甘薯
甘蕉
花甘藍
甘酒
甘受
甘木
甘垂
甘干
甘葛
甘納豆
...