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甘
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あまん
ふりがな文庫
“
甘
(
あまん
)” の例文
富有な旦那の
冥利
(
みょうり
)
として他人の書画会のためには千円からの金を棄てても自分は
乞丐
(
こじき
)
画師の仲間となるのを
甘
(
あまん
)
じなかったのであろう。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
甘
(
あまん
)
じて爰に起臥せんとす、而して風雨の外より犯す時、雷電の上より襲ふ時、慄然として恐怖するを以て自らの運命とあきらめんとす。
人生に相渉るとは何の謂ぞ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
吾人は
寂寞
(
せきばく
)
閑雅なる広重の江戸名所において
自
(
おのずか
)
ら質素の生活に
甘
(
あまん
)
じたる太平の
一士人
(
いちしじん
)
が
悠々
(
ゆうゆう
)
として狂歌俳諧の天地に遊びし
風懐
(
ふうかい
)
に接し
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
もとは単純に指令に服従して、怖しい神の妻たることに
甘
(
あまん
)
じたものが、のちにはこれを避けまたは
遁
(
のが
)
れようとしたことが明らかに見えるのである。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
故
(
ゆゑ
)
に愛のためにせむか、他に与へらるゝものは、難といへども、苦といへども、喜んで、
甘
(
あまん
)
じて、これを
享
(
う
)
く。
愛と婚姻
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
文学者に地理書の編輯! 渠は自分が地理の趣味を有っているからと称して進んでこれに従事しているが、内心これに
甘
(
あまん
)
じておらぬことは言うまでもない。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
彼
(
か
)
の横井、佐久間、もしくは大久保、木戸の徒をしてこの際に処せしむ、彼ら如何に迫切なる死地に陥るも、
豈
(
あ
)
に
自
(
みず
)
から
甘
(
あまん
)
じて刺客列伝の材料とならんや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
彼常に「不感無覚」を以て称せらる。世人
輙
(
やや
)
もすれば、この語を誤解して
曰
(
いは
)
く、高踏一派の徒、
甘
(
あまん
)
じて感情を犠牲とす。これ既に芸術の第一義を没却したるものなり。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
一度
翻
(
ひるがえ
)
りて宇宙の大道に従い、手足を労し額に汗せば、天は彼をも見捨てざるなり、貧は運命にあらざれば我ら手を
束
(
つかね
)
て決してこれに
甘
(
あまん
)
ずべきにあらず、働けよ、働けよ
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
かみさんには隣人のために縁の下の力持ちをして
甘
(
あまん
)
じているようなところがあった。
日日の麺麭
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
主将の意思は必ずしも
然
(
そ
)
うでは無かったのであろうが、敵を愛することを知らぬ部下の者共は、
此
(
こ
)
の異国の捕虜に対して
甚
(
はなは
)
だしき侮辱と虐待を加えたので、彼等は
甘
(
あまん
)
じて仕事に着かなかった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それなら万物の霊を辞職するかと思うと、どう致して死んでも放しそうにしない。このくらい公然と矛盾をして平気でいられれば
愛嬌
(
あいきょう
)
になる。愛嬌になる代りには馬鹿をもって
甘
(
あまん
)
じなくてはならん。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
貧なればよく質素に
甘
(
あまん
)
ずといへども
僅少
(
きんしょう
)
の利を得れば
直
(
ただち
)
に浪費する
癖
(
へき
)
ある事なり。常に中庸を
尚
(
とうと
)
び極端に
馳
(
は
)
する事を恐るる道徳観を
持
(
じ
)
する事なり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
然
(
しか
)
れどもその敢て第二流を以て、
自
(
みず
)
から
甘
(
あまん
)
ぜざる大抱負に至りては、また欽ずべきものなくんばあらず。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
“甘”の解説
あまいこと。あまいもの。甘味を参照。
漢字の部首の一つ。甘部を参照。
甘 (姓) - 漢姓のひとつ。
中国の古代地名、甘のこと。本記事で説明。
甘(かん)は中国の古い地名。現在の中華人民共和国陝西省西安市鄠邑区甘亭鎮にあたる。
夏の帝啓が、諸侯の有扈氏を破った古戦場。この地で、書経の「甘誓」は発表された。
(出典:Wikipedia)
甘
常用漢字
中学
部首:⽢
5画
“甘”を含む語句
甘味
甘美
甘藍
甘藷
甘睡
甘蔗
甘藷畑
甘酸
甘草
甘々
甘薯
甘蕉
花甘藍
甘酒
甘受
甘木
甘垂
甘干
甘葛
甘納豆
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