よどみ)” の例文
されど彼またまこと青鷹もろがへりなりければ、劣らず爪をこなたにうちこみ、二ながら煮ゆるよどみ眞中まなかに落ちたり 一三九—一四一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
たゞ左右さいう斷崕だんがい其間そのあひだ迂回うねながるゝ溪水たにがはばかりである。辿たどつておくおくへとのぼるにれて、此處彼處こゝかしこ舊遊きういうよどみ小蔭こかげにはボズさんの菅笠すげがさえるやうである。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
崖の下の海の深淵や、大河・谿谷のよどみのあたり、また多くは滝壺の辺などに、おさの音が聞える。水の底に機を織っている女がいる。若い女とも言うし、処によっては婆さんだとも言う。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
妙音よどみなく、和讚わさんを咏じて
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
その場所ばしよまつたくぼくつたのである、後背うしろがけからは雜木ざふきえだかさかさねておほひかゝり、まへかなひろよどみしづかうづまいながれてる。足場あしばはわざ/\つくつたやうおもはれるほど具合ぐあひい。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
妙音よどみなく、和讃わさんを咏じて
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)