鳥目あし)” の例文
「もし行くなら、一度坊やにおまいりをさせたいから成田さんへ連れて行って下さい。お鳥目あしがかからないでよござんすよ。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
これ/\う云うお武士さむらいが可哀想だと仰しゃって紙に包んで下さいましたのを、お鳥目あしかと存じてたくへ帰り開けて見ると金子きんすでございました、親に御飯を喰べさせる事も出来ん様な難渋な中ゆえ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「叔父さんが世話をした人ですから、事情わけを言って話せば、引き受けてくれないことはないと思います。あなたからお鳥目あしさえ少し頂ければね。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「酢が切れようが砂糖がなくなろうが、一向平気なもんだ。そらお鳥目あし……。」と、父親は懐の財布から小銭を一つ取り出して、そこへほうり出した。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「今までのように、不断にお鳥目あしを使ったり何かしちゃいけないからって、今阿母さんともその話をしていたのさ。」
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「そうですね。知れるでしょうか。……それよりかあなたお鳥目あしが……。」と、お銀は笹村の顔を見上げた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
お前はそのお鳥目あしを自分のものにしてけておおきよ。これまでは芳のもうけにしておいたけれど、あれにやったって皆な飲んでしまうから何にもなりゃしない。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「無駄なお鳥目あしなぞつかって、皆さんに心配かけちゃいけませんよ。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「お鳥目あしがなくなったら、また何とかいって来ますよ、きっと。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)