“どなた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
誰方54.4%
何方17.5%
何誰12.4%
何人6.6%
誰人2.6%
誰何1.1%
誰樣1.1%
誰君0.7%
誰様0.7%
何殿0.4%
何某殿0.4%
何様0.4%
彼方0.4%
御誰0.4%
0.4%
誰某0.4%
誰殿0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
貴女あなた、貴女、誰方どなたにしましても、何事にしましても、危い、それは危い。怪我をします。怪我をします。気をおつけなさらないと。」
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何方どなたにしても嘘とわかっているのにどうしてあんなに根こそげ欺されるのであろうと、さながらに魔術のように感ぜられるのであります。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
曲げるわ、和泉屋さんはおろおろするばかり、へっへっへ、仲へ立った私のお開きまでの苦労と言ったら——して、あなた様は何誰どなたで?
助五郎余罪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
「もう一つお訊きしたいのは、昨晩、最後にこの室を、つまり兄さんの室をですね、お出になったのは何人どなたでしょう!」
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
『いえ、誰人どなたいのちたすかりたいのはおなことでせう。』とつて、ひとみてん
「それで、そなたは、誰何どなたのお使いで何処へ参るのじゃ?」
ば助けてやるがよし誰樣どなたも客人方に盜まれし品はなきやといふにとなり座敷の客は寢惚眼ねぼけまなこにてキヨロ/\しながら拙者は大事の者が見えぬなり早々さう/\詮議せんぎなされて下されよと云ゆゑ大事な者とは何なりやとひけるに客人ちと申兼たるが御寶おたから紛失ふんじつ致し然も昨日きのふかひたてなりと云ば皆々成程犢鼻褌ふんどしでござるか夫は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お前の抱かれてゐるは誰君どなた、知れるかへと母親の問へば、言下ごんか兄様にいさんで御座りませうと言ふ、さうわかればもう子細はなし、今話して下された事覚えてかと言へば、知つてゐまする
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「ねえ、お定、お前は吾家うちへ来る御客様のうちで、誰様どなたが一番いいとお思いだえ」
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「ハ、表面おもて立つた媒酌人と申すも、いまだ取りさだめたと申す儀にも御座りませぬ、いづれ其節何殿どなたかに御依頼致しまする心得で——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「山木様、まア、お目出度めでたう御座います、存じませんでしたもんですから、ツイ、失礼致しましてネ、——シテ、春山様、何殿どなた
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「どうも、お嬢様、貴嬢あなたのお胸には何某殿どなた御在おありなさるに相違御座りません、——御嬢様、婆やの目ががひましたか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
何様どなたも御馳走様になりまして。お珍らしいものばかり。イヤ頂戴致します」
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ゆるされしかば夫々に改名かいめいして家來分となりにけるまづ紺屋五郎兵衞は本多源右衞門ほんだげんゑもん呉服屋又兵衞は南部權兵衞なんぶごんべゑ蒔畫師の三右衞門は遠藤森右衞門米屋六兵衞は藤代要人ふぢしろかなめと各々改名に及びたり中にも呉服屋又兵衞は武州入間いるま郡川越に有徳うとく親類しんるゐあれば彼方どなたか御同道下さらば金千兩位は出來しゆつたいすべしといふにより山内伊賀亮は呉服屋又兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「御研究中で、御誰どなたにもお目に掛りませんが」
音波の殺人 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
どなたさんかと思へば若旦那様でいらつしやいますか? 久しくお目にかゝりませぬ。その後は御無沙汰を致しました。文蔵がまた長らくお宅でお世話になります。
開けて、誰殿どなたの御藩士——と訊ねた
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)