誰樣どなた)” の例文
新字:誰様
誰樣どなたも又のちほど遊ばせて下され、これは御世話と筆やの妻にも挨拶して、祖母ばゝが自からの迎ひに正太いやが言はれず、其まゝ連れて歸らるゝあとは俄かに淋しく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ば助けてやるがよし誰樣どなたも客人方に盜まれし品はなきやといふにとなり座敷の客は寢惚眼ねぼけまなこにてキヨロ/\しながら拙者は大事の者が見えぬなり早々さう/\詮議せんぎなされて下されよと云ゆゑ大事な者とは何なりやとひけるに客人ちと申兼たるが御寶おたから紛失ふんじつ致し然も昨日きのふかひたてなりと云ば皆々成程犢鼻褌ふんどしでござるか夫は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まぢくないの高聲たかごゑみんないとよびつれておもて出合頭であいがしら正太しようた夕飯ゆふめしなぜべぬ、あそびにほうけて先刻さつきにからぶをもらぬか、誰樣どなたまたのちほどあそばせてくだされ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)