何誰どなた)” の例文
『アラうですか。お名前は新聞で承はつてましたけれど、何誰どなたかと思つて、遂……』と優容しとやかに頭を下げた。下げた頭の擧らぬうちに
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
曲げるわ、和泉屋さんはおろおろするばかり、へっへっへ、仲へ立った私のお開きまでの苦労と言ったら——して、あなた様は何誰どなたで?
助五郎余罪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
得ない事情があって、あんな事になったのでございますから……貴郎はここへ何しにいらっしたのですの。何誰どなたかをお訪ねなのですか?
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
伊勢からおいでになると何誰どなたもまず此方の人の色の白いのに驚くそうですが、実際伊賀はこれで美人系ですからね。この町にも随分綺麗な女がいます
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「私が石郷さんの代りになってへやの外へ出たら、何誰どなたか、の鍵をかけて、そのまま鍵穴へ入れて置いて下さい。——あ、この役目は千種君がい」
踊る美人像 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
理論的に話して、彼は卓子テーブルにおいて私に世話をする給仕人の誰かであるかもしれません。彼は卓子テーブルに私と一緒にかける船客の中の何誰どなたかであるかもしれません
『一たいこれは何誰どなたかしら……』こころ千々ちぢみだれながらも、わたくし多少たしょう好奇心こうきしんもよおさずにられませんでした。
庄司千蔵である、「たのむ、たのむ」遠慮も会釈もない叫び声だ、奥から家扶かふが走って来て、「お静かにお静かに」と制止した、「なに御用で、何誰どなたさまでございます」
評釈勘忍記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そんな場合には、とかく、殿方とのがたが特別に必要ですからね。中でもロチスター氏は社交界でも、多才ではなやかな方ですから、何誰どなたにでもかれてゐらつしやると思ひますの。
聞んと長八のうちゆき最早もはや長八殿は歸られしやと云に女房にようばううめなになかもとをして居たりしが振返ふりかへりオヤ何誰どなたかと存じたら長兵衞さん先々まづ/\此方こちら御上おあがくだされよとて此程中のれい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何誰どなたで、またどういう方でいらっしゃいますか」と、スクルージは問い詰めた。
ロミオ (傍の給仕に對ひて)あの武家ぶけりあうてござるあのひめ何誰どなたぢゃ?
「それは誠にすみまへんが、何誰どなたがおいでやしても、おらんさかいにと、いやはれと、おいやしたさかい、おかくしもうし、たんだすさかい、ごめんやす、あんたはんはおなごはんじゃ、さかい、おこりはりゃ、しまへんじゃろ」
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
「壁辰はここだが、今頃、何誰どなたですい」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
何誰どなたじゃ。と呼懸くれば、答は無くて
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あなたは、何誰どなたでしたか。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
何誰どなた」と男が聞いた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
恋の娘は何誰どなたでござる
枯草 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
『アラ然うですか。お名前は新聞で承はつてましたけれど、何誰どなたかと思つて、遂……』と優容しとやかに頭を下げた。下げた頭の挙らぬうちに
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「あそこに、蘇国人ハイランダアの装をしている、あの方は何誰どなたですか。何処かで会ったことがあるような気がするんです——」
消えた花婿 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
「いゝえ、主人が申しましたわ。去年上って今度又上ったのは内藤さんと主人と、もう一人何誰どなたか忘れましたが、三人きりだと言って大喜びでございましたもの」
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
何誰どなた? あ、勇か、どうした。何? 嫌疑者が挙げられた、誰だ? 何、石郷氏? うして殺したんだ、何、其処そこまでは解らない。呆れたなア、よしよし、それだけでも夕刊へ入れて置こう。
踊る美人像 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
あの部屋には何誰どなたも泊ってはいらっしゃいません。
亡霊ホテル (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「私が娘のビアトレスです。貴郎は何誰どなた?」
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
何誰どなた御逢成おあひなされましたと問に長八は溜息ためいき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ロミオ あのかた母御はゝごとは、何誰どなたぢゃ?
「そこへ来たのは何誰どなたです?」
「しかし中島さん、一段拝聴させて戴けませんかなんて、御所望をなすったのは一体何誰どなたでしたか?」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「へぇ——おや、お見それ申しやして、へっへ、何誰どなたさまでげしたかな」
助五郎余罪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
「この藏の鍵は何誰どなたが持つて居なさるんだえ」
何誰どなたさまがおいでになりますの」
(新字新仮名) / 山本周五郎(著)
あら、ひどいことを! 私だってまさか総入歯じゃございませんわ……もしもし、二枚丈け揷歯さしばを致すので、それが出来るまでは何誰どなたにもお目にかかれないと申すのでございますの。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「大殿というのは何誰どなたですの」
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「ハイ、何誰どなた!」
何誰どなただえ?」
助五郎余罪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
「それでは何誰どなたかお家の方に」
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
何誰どなたでござるか、——?」
おもかげ抄 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
何誰どなた樣で——」
「一体あんたはん何誰どなたや?」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
何誰どなたでした」
踊る美人像 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「君は何誰どなたですか?」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
何誰どなたです」
悪魔の顔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
何誰どなたでしょう?」
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
何誰どなたに?」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
何誰どなた?」
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)