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誰方
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どなた
ふりがな文庫
“
誰方
(
どなた
)” の例文
(こゝまでお読みの皆さんは
誰方
(
どなた
)
もさうお思ひになるでせう、私もさう思ひます、心の底から、艶子に同情せずには居られません。)
駒鳥の胸
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「
貴女
(
あなた
)
、貴女、
誰方
(
どなた
)
にしましても、何事にしましても、危い、それは危い。怪我をします。怪我をします。気をおつけなさらないと。」
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私が新銭座に
一寸
(
ちょいと
)
住居
(
すまい
)
の時(新銭座塾に
非
(
あら
)
ず)、
誰方
(
どなた
)
か知らないが御目に掛りたいと
云
(
いっ
)
てお
侍
(
さむらい
)
が参りましたと下女が
取次
(
とりつぎ
)
するから
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そして、今月に入ると、
誰方
(
どなた
)
も滅多にお
室
(
へや
)
から出ないようになり、ことにダンネベルグ様の御様子は、ほとんど狂的としか思われません。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「
淑女
(
みなさん
)
、」彼は、自分の家族の方を向いて、さう云つた。「並びにテムプル先生、諸先生、子供たち、
誰方
(
どなた
)
もこの子供を御覽でせうな?」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
『
其麽
(
そんな
)
事
誰方
(
どなた
)
から習つて? ホホヽヽ、マア何といふ
呆然
(
ぼんやり
)
した顔! お顔を洗つて
被来
(
いらつしや
)
いな。』と言ひ乍ら、遠慮なく座つた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
誰方
(
どなた
)
様かは存じませんが、手前は盲人でござるゆえ、誰方が側にいらっしゃるか心得ません、不調法が有ったら御勘弁下すっても宜しい訳
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ほんに、ほんに、人様に耻を掻かせるどころではない、昔を思えば、愚僧こそ
誰方
(
どなた
)
さまよりも耻かしい人間でござります。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
出入を一々
誰何
(
すゐか
)
する。俺は何の気なしに車を下りて式台の石段を
上
(
のぼ
)
つた。警部がつかつかやつて来て、「
誰方
(
どなた
)
です」と問うた。
流石
(
さすが
)
に敬語を使つた。
畜生道
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
「旦那様それはほんとうのお話でございましょうか? もしや
誰方
(
どなた
)
か外の方のお墓にでもお詣りにいらしていたお方ではございませんでしょうか?」
逗子物語
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「この
辺
(
あたり
)
のところですから、さあ
誰方
(
どなた
)
も変りあってスクリーンを覗いて下さい」理学士が器械から離れながら云った。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
もし……
誰方
(
どなた
)
様やら存じませぬが、世間の衆と
交
(
まじ
)
わりも
断
(
た
)
って、礼儀もわきまえぬわがままな
山家者
(
やまがもの
)
の子でござります。どうぞ、おゆるしくだされませ
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それでも東京には
誰方
(
どなた
)
か待っている人がいるんじゃないんですか。順さんがしっかり稼いで帰ってくるのを。」
夕張の宿
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
あの辺でおきき下さいませば、もう
誰方
(
どなた
)
でも御存じでございます。
滝庄
(
たきしょう
)
という親分が、以前私の父の兄で、顔を
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
中身は赤飯だといっても、留守中は
誰方
(
どなた
)
様からの贈り物があっても、うけられませぬと、女中さん(例の別嬪の)が気の毒そうに言い訳しながら、つき戻した。
我が愛する詩人の伝記
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
人のお世辞も、軽蔑視も、何もかも手にとるように分かっていて、
誰方
(
どなた
)
がみえても楽しくはありません。
雨の玉川心中:01 太宰治との愛と死のノート
(新字新仮名)
/
山崎富栄
(著)
「結構な出来だ、
誰方
(
どなた
)
の
蹟
(
て
)
でせうな。」と
独語
(
ひとりごと
)
のやうに言つてゐたが、暫くするとちよつと舌打をした。「一字も読めない、恐ろしく達者に書き上げたものですな。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
まだ考えが足らず
誰方
(
どなた
)
にもやれそうな仕事で、今見れば銅賞にも及ばぬものかとも思われます。
幕末維新懐古談:55 四頭の狆を製作したはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「天晴れ見事なる装い、味方の落ちゆく中を唯一人、残られたは、一体
誰方
(
どなた
)
か、名乗らせ給え」
現代語訳 平家物語:07 第七巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
私は戸を閉めて
暫時
(
しばらく
)
庭に立っていますと、外からコトコトと戸を叩く音がする。下駄の雪を落す音が聞える。一旦閉めた戸を
復
(
ま
)
た開けて、「
誰方
(
どなた
)
」と声を掛けて見ました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
でも、私あの方と青木さんとが、こうした物を、お取り
換
(
かわ
)
しになっていようとは、夢にも思いませんでしたわ。
屹度
(
きっと
)
、
誰方
(
どなた
)
にも秘密にしていらしったのでございましょう。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それで、こちらも丁寧に向き直って、さて、「あなたは
誰方
(
どなた
)
ですか。」とやったものだ。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
「ヘイ圓朝、年忘れのお見舞いにうかがいました。
誰方
(
どなた
)
も佳い年をお取り下さいやし」
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
へゝえ、
誰方
(
どなた
)
ですか、もう直ぐこれへ歸つておいでになりますで、……實はあなたを
熊野奈智山
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
ジロジロと私の
風体
(
ふうてい
)
を視廻して、膝を突いて、母の顔を見ながら、「
誰方
(
どなた
)
?」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
線香も絶え、軒先の蚊ばしらにまた
勢
(
いきほひ
)
もついて来たので、
蚊帳
(
かや
)
のなかに入らうとしてゐると、不意に玄関の戸がそつと開くのだ。
婆
(
ばあ
)
やは風呂へ入つてゐる。「
誰方
(
どなた
)
ですか」と声をかけて見た。
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
「旦那様、
誰方
(
どなた
)
か、一寸、手をかして頂けませんで、ござりましょうか」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
「いえ、ピカ一さんの純情は
誰方
(
どなた
)
にもまして私が認めておりますのよ」
不連続殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「あれは
誰方
(
どなた
)
ですね」と、マトヴェイ・サヴィチがきいた。
女房ども
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「と、云って、あなたさまは、
誰方
(
どなた
)
でございますか」
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
「はい、はい。
誰方
(
どなた
)
でございます」
乳を刺す:黒門町伝七捕物帳
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「そんだら、
誰方
(
どなた
)
も。」と言う。
遠野へ
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
「
誰方
(
どなた
)
もお変りありませんか。」
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
「え。あなた
誰方
(
どなた
)
です」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「
誰方
(
どなた
)
だい」
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
誰方
(
どなた
)
」
情状酌量
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
「アデェル」と私は
訊
(
たづ
)
ねた。「あなたがお話しになつた、その綺麗な氣持ちのいゝ町にゐらした時は、
誰方
(
どなた
)
と御一緒でしたの?」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「ちつとも
此邊
(
このへん
)
ぢやあ
見掛
(
みか
)
けない
兒
(
こ
)
ですからね、だつて、さう
遠方
(
ゑんぱう
)
から
來
(
く
)
るわけはなしさ、
誰方
(
どなた
)
か
御存
(
ごぞん
)
じぢやありませんか。」
迷子
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
いや斯く云ふ私なども敗惨の憂目を覚ゆる点では
誰方
(
どなた
)
にも劣らぬ嘆きの沼の主ではありますが、事態此処に至つたからには
女に臆病な男
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
しの「はい、
誰方
(
どなた
)
かハア知んねえが、お這入んなせえましよ、お嬢さまのお詫なら
何
(
ど
)
んな人でも
免
(
ゆる
)
さねえばなんねえから、まア這入んなせえましよ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「では申そう」と憎々しいまでに
勿体
(
もったい
)
をつけて「——実は、各々方は
誰方
(
どなた
)
も此拠に足をとめて行かぬこととなさるので
厶
(
ござ
)
る。そしてこの興味ある討伐を ...
くろがね天狗
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その代り、必ず/\
誰方
(
どなた
)
にも仰しゃってはなりませんよ。ようございますか。それさえ守って下さいましたら、今夜わたくしがよい所へ御案内いたします
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
お屋敷の旦那方にゃあ、始終、
御贔屓
(
ごひいき
)
にあずかっていたんで、未だに
誰方
(
どなた
)
のことも時々思い出しているんで。
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「是非会わなければならないと言って、そとで
誰方
(
どなた
)
か待っていらっしゃいます。おやすみになっていらっしゃいますと言っても、是非会わなければならないって——。」
或る少女の死まで
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
そりゃ
誰方
(
どなた
)
だってもそう言いますサ。よくよく考えた上でなければこんなことは書けないッて。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「あの時は、まだ
誰方
(
どなた
)
もお元気で、
笛
(
ふえ
)
や
琵琶
(
びわ
)
など持ち出して、興じたものでございました」
現代語訳 平家物語:11 第十一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
「
誰方
(
どなた
)
にでございましょうか。誰方に返して呉れと云われたのでございましょうか。」
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「押しかけますぜ。ないしょごとはすぐ
暴露
(
ば
)
れまさあね。お連れさんは
誰方
(
どなた
)
ですい。」
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
「い、いいえ、この一月ばかりは
誰方
(
どなた
)
も……」とその老人は、眼を
睜
(
みは
)
って
吃
(
ども
)
ったが、検事を満足させるような回答を与えなかった。それに法水は、押しつけるような無気味な声音で追求した。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「……
御尤
(
ごもっとも
)
のお言葉で……その狆は
誰方
(
どなた
)
がお持ちなんですか」
幕末維新懐古談:55 四頭の狆を製作したはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
誰
常用漢字
中学
部首:⾔
15画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“誰方”で始まる語句
誰方様
誰方樣