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何人
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たれ
ふりがな文庫
“
何人
(
たれ
)” の例文
「九時比に目黒のさきへ往ったと云うのは時間が
逢
(
あ
)
わないが、女と往ってよろしくやってたから、
何人
(
たれ
)
かが
悪戯
(
いたずら
)
をしたのじゃないの」
一握の髪の毛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
こういうことは
何人
(
たれ
)
よりも、彼が一番よく理解してくれるだろう。助けてもくれるだろうし、きっと好い智恵も貸してくれるに違いない。
梟の眼
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
さしずめ目下にしてみれば、粟田口か青江か、それともほかの
何人
(
たれ
)
かか、がちゃんと言えるはずなんだが、儀式だけは心得ているからけっして二
寛永相合傘
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
その後一度も思い出しもせなんだ、あの初めの女のお春の面影でした……まことに、あの兄なる者の言う通り彼女を殺したのは手を下さずとも此の自分でなくて
何人
(
たれ
)
か?
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
此
(
この
)
次
(
つぎ
)
は
如何
(
いか
)
なる
人
(
ひと
)
が
出
(
で
)
るだらうと、
私
(
わたくし
)
は
春枝夫人
(
はるえふじん
)
と
語
(
かた
)
りながら一
方
(
ぽう
)
の
倚子
(
ゐす
)
に
倚
(
よ
)
りて
眺
(
なが
)
めて
居
(
を
)
つたが、
暫時
(
しばらく
)
は
何人
(
たれ
)
も
出
(
で
)
ない、
大方
(
おほかた
)
今
(
いま
)
の
鵞鳥聲
(
がてうごゑ
)
の
婦人
(
ふじん
)
の
爲
(
た
)
めに
荒膽
(
あらぎも
)
を
※
(
ぬ
)
かれたのであらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
大師喜びて他国へ逃げ給ふに、遥なる山を
隔
(
へだ
)
てゝ人の家あり築地高く築きめぐらして一の門あり、其処に人立てり。悦をなして、問ひ給ふに、これは一人の長者の家なり、わ僧は
何人
(
たれ
)
ぞと問ふ。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そうする
中
(
うち
)
にも、
何人
(
たれ
)
がどう
世話
(
せわ
)
して
下
(
くだ
)
すったのやら、
砂
(
すな
)
の
上
(
うえ
)
には
折畳
(
おりたた
)
みの
床几
(
しょうぎ
)
が三つほど
据
(
す
)
えつけられてありました。しかもその
中
(
うち
)
の
二
(
ふた
)
つは
間近
(
まじか
)
く
向
(
む
)
き
合
(
あ
)
い、
他
(
た
)
の一
脚
(
きゃく
)
は
少
(
すこ
)
し
下
(
さが
)
って
背後
(
うしろ
)
の
方
(
ほう
)
へ……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「
何人
(
たれ
)
か来たようだ、では別れよう、体を大事になさい」
倩娘
(新字新仮名)
/
陳玄祐
(著)
神仙は尊に向って、「十年間はこのことを
他言
(
たごん
)
してはならん」と云った。尊はその
命
(
めい
)
を守って十年過ぎても
何人
(
たれ
)
にも云わなかった。
神仙河野久
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「大事ない。ここはわしの庭じゃ。ごみを焼こうと世話を焼こうと、
何人
(
たれ
)
に気がねがいるものかい」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
壮い婢は
何人
(
たれ
)
か
己
(
じぶん
)
を見ているものでもないかと云うようにして、ちらと後を見ておいて年老った婢の
鼻端
(
はなさき
)
へ近ぢかと顔を持って往った。
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
庭の
飛石
(
とびいし
)
に
下駄
(
げた
)
の音がした。平三郎は
何人
(
たれ
)
であろうと思いながら、やはり本を読んでいた。
枝折戸
(
しおりど
)
の
掛金
(
かけがね
)
をはずす音が聞えた。
水面に浮んだ女
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
すぐここをお
発
(
た
)
ちになるが
宜
(
よろ
)
しゅうございます、決して
何人
(
たれ
)
にも云ってはなりません、そのことを云うと、
生命
(
いのち
)
にかかわります
竈の中の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
と、その提燈は
何人
(
たれ
)
かつるしてある釘から
除
(
と
)
ったように、燈の点いたなりにふわふわと下へ落ちて来た。真澄はしまったと思って盃を置いた。
岐阜提灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
殊に兄の
女
(
むすめ
)
を妻室にするに至っては、不倫の甚だしきものであった。心ある者は
何人
(
たれ
)
も眉を
顰
(
ひそ
)
めたが、皆元親の思惑を憚って口にはしなかった。
八人みさきの話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
蔦芳は自分にことわらないで、あがりこんでるのは
何人
(
たれ
)
だろうと思って見たが、夕方で
微暗
(
うすぐら
)
いのではっきり判らなかった。
幽霊の衣裳
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
たしかに
何人
(
たれ
)
かが其処から持って来たものである。益之助は不思議に思った。そして、急に大きな声で笑いながら雨戸を閉めて奥の間へ引返した。
宝蔵の短刀
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
彼は
何人
(
たれ
)
か二三人来客があっていてくれるなら好いがと思った。それはもう途中で二度も三度も考えたことであったが。
雑木林の中
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
Mはそこで奴め墓場で
何人
(
たれ
)
かと
媾曳
(
あいびき
)
でもするのかと思った。Mはますます面白くなったので、堤を越えて墓場へおりた。
死体を喫う学生
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
すると由平の指に水に濡れた
布片
(
ぬのぎれ
)
のような物が触れた。由平はおやと思って眼をあげた。其処には
何人
(
たれ
)
かが立っていた。
阿芳の怨霊
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
章一はもしや
何人
(
たれ
)
かが己の留守に来て、おかやきはんぶんに細君にたきつけたものではあるまいかと思ったが、べつに何人も来たようでないから
一握の髪の毛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
よたよたと歩くような
跫音
(
あしおと
)
が聞えた。いよいよ
何人
(
たれ
)
かが入って来た。と、思っていると、今まで
母屋
(
おもや
)
の
西洋室
(
せいようま
)
で寝ていた病人の伯爵の顔が見えた。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
甚六と甚六の女房は驚いてそのほうへ顔をやると、堂の中から
何人
(
たれ
)
かが投げつけるように位牌や
瓦盃
(
かわらけ
)
が飛んで来た。
一緒に歩く亡霊
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「この事を
何人
(
たれ
)
にも話しちゃいけないよ、もし話したら、お前さんの命はないよ、判ったね、忘れちゃいけないよ」
雪女
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
金五郎の女房は、鬼魅の悪い偶人を一刻も早く始末をしたいと思ったが、
同儕
(
なかま
)
にはもうその噂が弘まっているので、
何人
(
たれ
)
も買おうと云う者がなかった。
偶人物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
庄造は不審に思って
衝
(
つ
)
と窓の障子に手をかけたが、
何人
(
たれ
)
か人だったら気はずかしい思いをするだろうと思ったので、其のまま
庭前
(
にわさき
)
へ廻って窓の外を見た。
狸と俳人
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
何人
(
たれ
)
かが入って来た。漁師仲間の何人かが話しに来たろうと思って庭を見ると、色の白い小柄な男が来て立っていたが勘作には見覚えのない顔であった。
ある神主の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
静かに障子を締めて
階下
(
した
)
におりたが、不思議な男女のことはその大きな腹にしまい込んで
何人
(
たれ
)
にも話さなかった。
鼓の音
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
この噂は
何人
(
たれ
)
云うとなしに外へ漏れて大評判になったので、野次馬が集まって来た。阿倍野署では捨てておけないので、山本家へ刑事をやって調べさした。
室の中を歩く石
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
良人には素知らぬ顔をして
更衣
(
きがえ
)
の
手伝
(
てつだい
)
をして、そしてオーバーを
著
(
き
)
せておりますと、
何人
(
たれ
)
か玄関へ来たようですから、傍にいたその時四つだった女の子に
母の変死
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
しかし、
戸外
(
そと
)
では返事をしなかった。興哥は
何人
(
たれ
)
だろうと思って考えた。と、またことことと扉を叩きだした。
金鳳釵記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「あんたなんかの処へ、
何人
(
たれ
)
が
酔狂
(
すいきょう
)
にごちそうまで持って来るものかね、ほんとにあんたは、どうかしてるよ」
岐阜提灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
何人
(
たれ
)
か知った人であったら
燧
(
ひうち
)
の火を借りて、松明でもこしらえて往こうと思いながら、近づいて見ると、それは日比親しい曽根源之丞と云う武士であった。
魔王物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
軽い跫音がして
何人
(
たれ
)
か入って来た。今の僧にしては跫音が違っているなと思って飯田は顔をあげた。壮い女が茶を持って来たところであった。飯田は驚いた。
怪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
野には稲の一番草を
除
(
と
)
っている者もあれば麦を刈っている者もあった。母親は附近にいる人びとに聞いてみたが、
何人
(
たれ
)
もお種を見かけたという者がなかった。
蟹の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
新一はついとすると彼の壮い男が此処で
何人
(
たれ
)
かを待ちあわせているだろうと思ったが、それにしてもこんな処で待ちあわして何をするつもりだろうと思った。
狐の手帳
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
実は今日夕方、女房が病気で死んだから、下の村にいる親類へ知らして来たいと思うたが、
何人
(
たれ
)
も留守居を
死人の手
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それは
何人
(
たれ
)
かが
此方
(
こっち
)
へ向って呼びかけている声であった。ところで木客だちは、そのおうウイの声を
酷
(
ひど
)
く
忌
(
い
)
み嫌っているので、何人もそれに応ずる者はなかった。
死んでいた狒狒
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
お種はこれは
何人
(
たれ
)
か人が来たから逃げたものだろうと思って、安心して待っていたが何人も来なかった。
蟹の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
木の枝を持っていた
何人
(
たれ
)
かがそれを入れて、水の中を
掻
(
か
)
きまわした。一尺ばかりある岩魚が浮いて来た。
岩魚の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
主翁はしかたなく
榻
(
ねだい
)
の方へ歩いて往った。歩きながら
何人
(
たれ
)
かに眼を覚まされて見られては大変なことになると思った。彼の足は何を踏んでいるのか判らなかった。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それはその室の中で
何人
(
たれ
)
かが立ちはだかって、踊でもやってるのか調子のある軽い跫音をさして、そのものの影であろうぼんやりしたものの影が障子に動いていた。
猫の踊
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
日浦坂を越えようとした一組は、坂の上のほど落ちの傍まで往くと
何人
(
たれ
)
云うとなしに云いだした。
蟹の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「これをあげるから、
何人
(
たれ
)
にも知らさずに、一枚は髪の中に挟み、一枚は今晩
三更
(
よなか
)
に焼くが宜い」
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
賢明な彼女は男勝りのしっかりしたその腹の中へ、それをしまい込んで
何人
(
たれ
)
にも話さなかった。
猫の踊
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
と、云って傍の
手文庫
(
てぶんこ
)
の中から出してくれるが、
何人
(
たれ
)
も傍にいない時には一銭も出さない。……
雑木林の中
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
何人
(
たれ
)
かによさそうな
家
(
うち
)
を聞いてはいろうと思っていると、温泉宿の
婢
(
じょちゅう
)
らしい女が前を往くので
火傷した神様
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
色深い美しい顔をした女で、捕えようとすると傍にある壁のはめ板へぴったり
引附
(
ひっつ
)
いてそのまま姿を消すのであった。土地の人は
何人
(
たれ
)
云うとなしにそれを
板女
(
いたおんな
)
と云っていた。
女賊記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「談判してみましたが、あの
室
(
へや
)
は怪しいことがあるので、
何人
(
たれ
)
も入れないと云ってるのです」
警察署長
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「
何人
(
たれ
)
ぞ後に」後には
何人
(
たれ
)
もいなかった。「こりゃ、わしかいの、ほんまにわしの顔かいの」
南北の東海道四谷怪談
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“何人”で始まる語句
何人前
何人目
何人種