室の中を歩く石へやのなかをあるくいし
大阪市住吉区阿倍野筋一丁目に、山本照美と云う素封家の未亡人が住んでいた。其家には三人の子供があって、長女を政子、長男を政重、次男を政隆と云っていた。 その夏照美さんは、子供たちのために、庭へ小さな池を掘って数多金魚を入れたが、池の周囲が淋し …