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誰
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たれ
ふりがな文庫
“
誰
(
たれ
)” の例文
誰
(
たれ
)
が八っちゃんなんかに御免なさいするもんか。始めっていえば八っちゃんが悪いんだ。僕は黙ったままで婆やを睨みつけてやった。
碁石を呑んだ八っちゃん
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
この沿線中、
誰
(
たれ
)
でも最初に深く印象づけられる景色は愛野の地峡をぬけて、断崖の上から千々岩灘の
碧湾
(
へきわん
)
に直面した時の眺めである。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
殊に日本はごくごくこの間、三四千年前までは、全く人が居なかったと云ひますから、もちろん
誰
(
たれ
)
もそれを見てはゐなかったでせう。
イギリス海岸
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
毎夜東の空に当って
箒星
(
ほうきぼし
)
が見えた。
誰
(
たれ
)
がいい出したか知らないが、これを西郷星と呼んで、先頃のハレー
彗星
(
すいせい
)
のような騒ぎであった。
思い出草
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何
(
なん
)
だ、
又
(
また
)
これを
持
(
も
)
つて
帰
(
かへ
)
るほどなら、
誰
(
たれ
)
が
命
(
いのち
)
がけに
成
(
な
)
つて、
這麼
(
こんな
)
ものを
拵
(
こしら
)
へやう。……
誑
(
たぶらか
)
しやあがつたな!
山猫
(
やまねこ
)
め、
狐
(
きつね
)
め、
野狸
(
のだぬき
)
め。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
わたくしは
誰
(
たれ
)
の紹介をも求めずに往ったのに、飯田さんは
快
(
こころよ
)
く
引見
(
いんけん
)
して、わたくしの問に答えた。飯田さんは渋江
道純
(
どうじゅん
)
を
識
(
し
)
っていた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
川口
(
かはぐち
)
の、
葦
(
あし
)
のたくさん
生
(
は
)
えてゐる、その
葦
(
あし
)
の
先
(
さき
)
の
葉
(
は
)
が、みんなとれてゐる。これは、
誰
(
たれ
)
が
折
(
を
)
つたのかと
申
(
まを
)
しますと、それは、
私
(
わたし
)
です。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
これ必ずしも意外ならず、
苟
(
いやし
)
くも吾が宮の如く美きを、目あり心あるものの
誰
(
たれ
)
かは恋ひざらん。
独
(
ひと
)
り怪しとも怪きは隆三の
意
(
こころ
)
なる
哉
(
かな
)
。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
『
少
(
すこ
)
しも
乗客
(
じょうきゃく
)
を
煩
(
わずら
)
わさんように
務
(
つと
)
めている
俺
(
おれ
)
か、それともこんなに
一人
(
ひとり
)
で
大騒
(
おおさわぎ
)
をしていた、
誰
(
たれ
)
にも
休息
(
きゅうそく
)
もさせぬこの
利己主義男
(
りこしゅぎおとこ
)
か?』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
誰
(
たれ
)
も爲る
者
(
もの
)
有
(
あ
)
るまじと思ひ
頻
(
しきり
)
に
悲
(
かな
)
しく心は後へ
引
(
ひか
)
れながら既に
奉行所
(
ぶぎやうしよ
)
へ來り
白洲
(
しらす
)
へ
引居
(
ひきすゑ
)
られたり此日伊勢屋三郎兵衞方にては彼旅僧を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼
(
かれ
)
は
憎惡
(
ぞうを
)
と
嫉妬
(
しつと
)
とを
村落
(
むら
)
の
誰
(
たれ
)
からも
買
(
か
)
はなかつた。
憎惡
(
ぞうを
)
も
嫉妬
(
しつと
)
もない
其處
(
そこ
)
に
故意
(
わざ
)
と
惡評
(
あくひやう
)
を
生
(
う
)
み
出
(
だ
)
す
程
(
ほど
)
百姓
(
ひやくしやう
)
は
邪心
(
じやしん
)
を
有
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
そういう
特種
(
とくしゅ
)
の社会哲学を、
誰
(
たれ
)
が誰に語っているのかと思えば、
聴手
(
ききて
)
には
後
(
うしろ
)
に耳のないわたしへで、語りかけるのは福沢氏だった。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
要するに
誰
(
たれ
)
の恋でもこれが
大切
(
おおぎり
)
だよ、女という動物は三月たつと十人が十人、
飽
(
あ
)
きて了う、夫婦なら仕方がないから
結合
(
くっつ
)
いている。
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
もし余に失策あるとも
誰
(
たれ
)
も余の本心を疑うものはなきものと確信し、その安心喜楽は実に筆にも紙にも書き尽されぬほどにありき。
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
初めの内は誤解もするし、
怒
(
おこ
)
るような事もあるし、場合に
依
(
よ
)
っては
誰
(
たれ
)
か死ななくては目ざす人に近寄られないというような事さえある。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
奥「あゝ
誰
(
たれ
)
を
怨
(
うら
)
みましょう、
私
(
わたくし
)
は宗悦に殺されるだろうと思って居りましたが、貴方御酒をお
廃
(
や
)
めなさいませんと遂には家が潰れます」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「今声を立てたのはお前かい。
誰
(
たれ
)
か大声を出して叫んだように聞えたが。」こう言い掛けて、男は
忙
(
せわ
)
しい息を
衝
(
つ
)
いて、こう言い足した。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
女王樣
(
ぢよわうさま
)
の
論據
(
ろんきよ
)
は
斯
(
か
)
うでした、
若
(
も
)
し
何事
(
なにごと
)
にせよ、
全
(
まつた
)
く
時間
(
じかん
)
を
要
(
えう
)
せずして
成
(
な
)
し
了
(
を
)
うせられなかつたなら、
所有
(
あらゆる
)
周圍
(
しうゐ
)
の
誰
(
たれ
)
でもを
死刑
(
しけい
)
に
處
(
しよ
)
する。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
たとえば
誰
(
たれ
)
でも一度か二度は経験しない人はあるまいが、寝ておって、高い所から落ちる夢を見て、
冷汗
(
ひやあせ
)
をかいて
目
(
め
)
ざめることがある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
誰
(
たれ
)
にも分るめえ。おれが教へてやる。きしやといふのは汽車のことではねえ。むかし
騎士屋
(
きしや
)
と云つてとても強い人があつたのだ。
騎士屋
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
私
(
わたし
)
は
数人
(
すうにん
)
の
男女
(
だんじよ
)
のR
国人
(
こくじん
)
に
紹介
(
せうかい
)
されて、それらの
人達
(
ひとたち
)
の
力強
(
ちからつよ
)
い
手
(
て
)
と一
々
(
/\
)
握手
(
あくしゆ
)
をした。しかし
誰
(
たれ
)
が
誰
(
たれ
)
だか
覚
(
おぼ
)
えてもゐられなかつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
最後
(
さいご
)
に
会
(
あ
)
ったのはたしか
四五月頃
(
しごがつごろ
)
でしたか、
新橋演舞場
(
しんばしえんぶじょう
)
の
廊下
(
ろうか
)
で
誰
(
たれ
)
か
後
(
うしろ
)
から
僕
(
ぼく
)
の
名
(
な
)
を
呼
(
よ
)
ぶのでふり
返
(
かえ
)
って
見
(
み
)
ても
暫
(
しばら
)
く
誰
(
たれ
)
だか
分
(
わか
)
らなかった。
夏目先生と滝田さん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
銃劒が心臓の
真中心
(
まッただなか
)
を貫いたのだからな。それそれ軍服のこの大きな
孔
(
あな
)
、
孔
(
あな
)
の
周囲
(
まわり
)
のこの血。これは
誰
(
たれ
)
の
業
(
わざ
)
? 皆こういうおれの
仕業
(
しわざ
)
だ。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
風
(
かぜ
)
でも
吹
(
ふ
)
いて
栗
(
くり
)
の
枝
(
えだ
)
の
搖
(
ゆ
)
れるやうな
朝
(
あさ
)
に
父
(
とう
)
さんがお
家
(
うち
)
から
馳出
(
かけだ
)
して
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ますと『
誰
(
たれ
)
も
來
(
こ
)
ないうちに
早
(
はや
)
くお
拾
(
ひろ
)
ひ。』と
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
が
言
(
い
)
つて
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
珠運
(
しゅうん
)
は段々と
平面板
(
ひらいた
)
に
彫浮
(
ほりうか
)
べるお
辰
(
たつ
)
の像、元より
誰
(
たれ
)
に頼まれしにもあらねば細工料取らんとにもあらず、
唯
(
ただ
)
恋しさに余りての業
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
気味悪さに着るにもよう着ないで居た自分の姿が
可笑
(
をか
)
しく目に浮ぶのであつたから寒いなどとは
誰
(
たれ
)
にも告げやうとはしなかつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
昼の
日中
(
ひなか
)
も
誰
(
たれ
)
憚
(
はばか
)
るおそれもなく
茶屋小屋
(
ちゃやこや
)
に出入りして女に戯れ遊ぶこと、これのみにても
堅気
(
かたぎ
)
の若きものの目には
羨
(
うらやま
)
しきかぎりなるべきに
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「だつて、昔から
誰
(
たれ
)
も行かない森だもの、入つて行くのは気味が悪いから……」といつて、
矢張
(
やつぱ
)
り誰一人、森へ入つて行かなかつたのです。
馬鹿七
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
星あかりの道に酔い
痴
(
し
)
れて、館へ帰る
戦人
(
もののふ
)
の、まぼろしの憂ひを
誰
(
たれ
)
ぞ知る、行けルージャの女子達……私はホメロス調の緩急韻で歌ったが
ゼーロン
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
まち
子
(
こ
)
は、いつまでもいつまでも
誰
(
たれ
)
も
何
(
なに
)
も
云
(
い
)
はなかつたら、その
青白
(
あをしろ
)
い
細
(
ほそ
)
い
葉
(
は
)
の
川柳
(
かはやなぎ
)
を
見
(
み
)
つめてゐたかもしれない。この
川柳
(
かはやなぎ
)
も
古郷
(
こきやう
)
に
多
(
おほ
)
い。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
私達は初めのうちは、このお婆さんと
擦
(
す
)
れ違っても、
誰
(
たれ
)
もお婆さんのことなどはかまいませんでしたが、ある日のことです。
納豆合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
そう言われて一応安心はしたものの、先刻舌鼓を打った料理が、毛蟲や蛇の卵でないと、
誰
(
たれ
)
が本当に保証するものでしょう。
奇談クラブ〔戦後版〕:13 食魔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
殊に庭の
襁褓
(
おしめ
)
が主人の人格を七分方下げるように思ったが、求むる所があって来たのだから、質樸な風をして、
誰
(
たれ
)
も言うような世辞を
交
(
ま
)
ぜて
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
斯
(
か
)
う
考
(
かんが
)
へると、
實
(
じつ
)
に
愉快
(
ゆくわい
)
で/\
堪
(
たま
)
らぬ、
今
(
いま
)
や
吾等
(
われら
)
の
眼
(
まなこ
)
には、たゞ
希望
(
きぼう
)
の
光
(
ひかり
)
の
輝
(
かゞや
)
くのみで、
誰
(
たれ
)
か
人間
(
にんげん
)
の
幸福
(
さひはひ
)
を
嫉
(
ねた
)
む
惡魔
(
あくま
)
の
手
(
て
)
が
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
外を見ると、従兄は
勿論
(
もちろん
)
、
誰
(
たれ
)
の姿も
其処
(
そこ
)
に見えない、不思議とは思ったが、その夜はそれなりに、寝てしまったのである。
感応
(新字新仮名)
/
岩村透
(著)
誰
(
たれ
)
もが
體
(
からだ
)
をぐらつかせながら、まるで
出來
(
でき
)
の
惡
(
わる
)
い
機械人形
(
きかいにんぎやう
)
のやうな
足
(
あし
)
を
運
(
はこ
)
んでゐたのだつた。
隊列
(
たいれつ
)
も
可成
(
かな
)
り
亂
(
みだ
)
れてゐた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
其以後
(
そのいご
)
、
誰
(
たれ
)
も
手
(
て
)
を
附
(
つ
)
けぬ。
漸
(
やうや
)
く
余
(
よ
)
が
此前
(
このまへ
)
を
素通
(
すどほ
)
りする
位
(
くらゐ
)
であつたが、四十
年
(
ねん
)
五
月
(
ぐわつ
)
十二
日
(
にち
)
に、
余
(
よ
)
は、
織田
(
おだ
)
、
高木
(
たかぎ
)
、
松見
(
まつみ
)
三
子
(
し
)
と
表面採集
(
へうめんさいしふ
)
に
此邊
(
このへん
)
へ
來
(
き
)
た。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
誰
(
たれ
)
かが犬をめがけて、石を投げつけました。それと一しよに、シヤツとズボンだけの男の人が、プールの欄干に乗り出して、早口にどなりました。
プールと犬
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
気持
(
きもち
)
がいいだって! まあお
前
(
まえ
)
さん
気
(
き
)
でも
違
(
ちが
)
ったのかい、
誰
(
たれ
)
よりも
賢
(
かしこ
)
いここの
猫
(
ねこ
)
さんにでも、
女御主人
(
おんなごしゅじん
)
にでも
訊
(
き
)
いてごらんよ、
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
を
泳
(
およ
)
いだり
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
第一番に薩摩の望む所は
兎
(
と
)
にも
角
(
かく
)
にもこの戦争を
暫
(
しばら
)
く
延引
(
えんいん
)
して
貰
(
もら
)
いたいと云う注文なれども、その周旋を
誰
(
たれ
)
に頼むと
云
(
い
)
う手掛りもなく当惑の
折柄
(
おりから
)
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
けれども
誰
(
たれ
)
もそこにはゐませんでした。たゞうしろの入口の戸が開いて、そこから、お玄関の方の廊下が見えました。でも人はひとりもをりません。
鳩の鳴く時計
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
これはた
誰
(
たれ
)
がための催しぞと思うに、穴にも入りたき心地ぞする、死したらんにはなかなか心易かるべしとも思いぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
百姓の妻 「さうだよ。だけどお前さん。今年ばかりよくても、来年悪ければつまんない。
私
(
わたし
)
はさう思ふと、いやになるよ。おや。
誰
(
たれ
)
か泣いてるよ。」
〈ピツコロさん〉
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
其中
(
そのうち
)
に
誰
(
たれ
)
云ふと無く桑
盗人
(
ぬすびと
)
はお玉の母親に違ひ無いと云ふ事が評判になりまして
可愛想
(
かあいさう
)
に
其
(
その
)
娘のお玉までも憎まれて
此
(
この
)
村を追ひ出されてしまひました。
金銀の衣裳
(新字旧仮名)
/
夢野久作
(著)
はやるほど
猶
(
なほ
)
落附
(
おちつき
)
てお
友達
(
ともだち
)
の
誰
(
たれ
)
さま
御病氣
(
ごびやうき
)
ときく
格別
(
かくべつ
)
に
中
(
なか
)
の
好
(
よ
)
き
人
(
ひと
)
ではあり
是非
(
ぜひ
)
お
見舞
(
みまひ
)
申
(
まを
)
したく
存
(
ぞん
)
じますがと
許容
(
ゆるし
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
丈夫見る所有り、意を決してこれを為す、富岳崩るといえども、刀水
竭
(
つ
)
くといえども、また
誰
(
たれ
)
かこれを
移易
(
いえき
)
せんや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
誰
(
たれ
)
がこさへたものか、とにかく昔風の茶人好みの庭、何の自然も無いのに、形は心を写してゐる。こさへた人もさみしかつたか、心がそのまま現れてる。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
彼
(
かれ
)
はちょうど、そうぞうしい
蜂
(
はち
)
の
巣
(
す
)
のようだった。しかし
誰
(
たれ
)
もそれに気づかなかった。
彼自身
(
かれじしん
)
も
気
(
き
)
づかなかった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
然し同僚の
誰
(
たれ
)
一人、敢て此時計の怠慢に對して、職務柄にも似合はず何等
匡正
(
きやうせい
)
の手段を講ずるものはなかつた。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
專門教育を受ける人間は現代日本では六十人に一人の
割
(
わり
)
合であると、以前に
誰
(
たれ
)
からか聞かされたことのあるのを思ひ出しながら、金太郎は坂を下り始めた。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
“誰(誰(小説))”の解説
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『誰』(だれ)は、太宰治の短編小説。
(出典:Wikipedia)
誰
常用漢字
中学
部首:⾔
15画
“誰”を含む語句
誰某
誰何
誰人
誰々
誰彼
誰方
誰様
誰一人
彼誰時
誰奴
誰樣
誰家
誰憚
誰故
何誰
誰袖
誰方様
誰方樣
誰君
誰某公
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