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滴
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したたり
ふりがな文庫
“
滴
(
したたり
)” の例文
今、この瞳に宿れる
雫
(
しずく
)
は、母君の
御情
(
おんなさけ
)
の露を取次ぎ参らする、
乳
(
ち
)
の
滴
(
したたり
)
ぞ、と
袂
(
たもと
)
を傾け、差寄せて、
差俯
(
さしうつむ
)
き、はらはらと落涙して
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
第一に、空中には常に、眼には見えない水蒸気があるといふ事、第二に、此の水蒸気を冷やすと、眼に見える霧となつてやがて水の
滴
(
したたり
)
となるといふ事だ。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
代助はその
香
(
におい
)
を
嗅
(
か
)
ごうと思って、乱れる葉の中に鼻を突っ込んだ。縁側の
滴
(
したたり
)
はそのままにして置いた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
吾は聴く、夜の
静寂
(
しづけき
)
に、
滴
(
したたり
)
の落つるを
将
(
はた
)
、落つるを。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
燃
(
もゆ
)
る
滴
(
したたり
)
。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
其のどちらかの虫が怒つた時には、その螫の端に小さな滴が真珠のやうになつて見える。それが襲撃の準備なのだ。それは毒の
滴
(
したたり
)
で、蠍はそれを傷の中に滲ますのだ。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
代助は返事も
為
(
し
)
ずに書斎へ引き返した。縁側に垂れた君子蘭の緑の
滴
(
したたり
)
がどろどろになって、干上り掛っていた。代助はわざと、書斎と座敷の仕切を立て切って、一人
室
(
へや
)
のうちへ這入った。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
熱あるものは、
楊柳
(
ようりゅう
)
の露の
滴
(
したたり
)
を吸うであろう。恋するものは、
優柔
(
しなやか
)
な
御手
(
みて
)
に
縋
(
すが
)
りもしよう。
御胸
(
おんむね
)
にも
抱
(
いだ
)
かれよう。はた迷える人は、緑の
甍
(
いらか
)
、
朱
(
あけ
)
の
玉垣
(
たまがき
)
、金銀の柱、
朱欄干
(
しゅらんかん
)
、
瑪瑙
(
めのう
)
の
階
(
きざはし
)
、
花唐戸
(
はなからど
)
。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
貞丈雑記
(
ていぢやうざつき
)
に、湯を召さするに常の
衣
(
きぬ
)
の上に白き
生絹
(
きぎぬ
)
、
其
(
その
)
白
(
しろ
)
き生絹の
衣
(
い
)
を、湯巻ともいまきともいふなり。こは湯の
滴
(
したたり
)
の飛びて衣を濡すを防ぐべきための衣なり、とあり。俗に婦人の腰に纏ふ処の
当世女装一斑
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“滴”の意味
《名詞》
(しずく)空中や物の表面にある球状となった少量の液体。
(出典:Wiktionary)
滴
常用漢字
中学
部首:⽔
14画
“滴”を含む語句
点滴
一滴
雨滴
滴々
涓滴
水滴
滴水
墨汁一滴
余滴
點滴
滴点
滴垂
二滴
下滴
散滴
油滴
滴水和尚
滴血
滴雫
血一滴
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