“余滴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よてき75.0%
したたり25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
考え込むと、深い吐息といきで、手に持つ猪口ちょくがフラフラと傾いて酒がこぼれそうになる。気がついてグッと呑んで、余滴よてきをたらたらと水の上に落して、それを見るともなく見つめて無言。
やがてみずから麺粉めんふん鶏卵けいらんを合せき居られしが、高橋も来りてこれを見て居けるうち、鶏卵の加減かげん少しぎたるゆえ、ぱちぱちと刎出はねだし、先生の衣服いふく勿論もちろん余滴よてき、高橋にも及びしかば
葉子の頭の上に張り渡された雨よけの帆布ほぬのはしから余滴したたりがぽつりぽつりと葉子の顔を打つたびに、断続して聞こえて来るように思われた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)