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因
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ちなみ
ふりがな文庫
“
因
(
ちなみ
)” の例文
因
(
ちなみ
)
にいうが、枳園は単独に弟子入をしたのではなくて、同じく十一歳であった、弘前の医官
小野道瑛
(
おのどうえい
)
の子
道秀
(
どうしゅう
)
も
袂
(
たもと
)
を
聯
(
つら
)
ねて入門した。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
因
(
ちなみ
)
に、去る二月頃、東京で捕まった不良少年少女の一団の中には、彼女の名は無かった。彼女はもう無事に卒業しているかも知れぬ。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
因
(
ちなみ
)
に言う、茎は元来カウ(漢音)キョウ(呉音)の字音しか無いが教育者等は多くはこれ本音を知らずに常にこれをケイと教えている。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
因
(
ちなみ
)
にいう。好景気の時は、山で職人
払
(
ばらい
)
が一本十七銭まで上った由、丁度今の倍額である。それはいうまでもなく大正七、八年の頃である。
野州の石屋根
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
因
(
ちなみ
)
に金博士の深海歩行器というのは、直径三メートルばかりの丈夫なる
金属球
(
きんぞくきゅう
)
でありまして、中に一人の人間が入り、
局所照明灯
(
きょくしょしょうめいとう
)
により
独本土上陸作戦:――金博士シリーズ・3――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
ここに播磨の国
印南郡
(
いなみのこほり
)
七七
荒井
(
あらゐ
)
の里に、彦六といふ男あり。
渠
(
かれ
)
は袖とちかき
従弟
(
いとこ
)
の
因
(
ちなみ
)
あれば、先づこれを
訪
(
とぶら
)
うて、しばらく足を休めける。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
因
(
ちなみ
)
に、索引を作製してもらったり、種々面倒を見て頂いたりした比嘉春潮君、並に本書の出版に努力された角川源義君に感謝の意を表する。
「古琉球」改版に際して
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
◯
因
(
ちなみ
)
に記す、ヨブ記は文学書にあらずしてしかも世界最大の文学書である。世界の大文学中ヨブ記を手本として作られしものは少なくない。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
因
(
ちなみ
)
に、蕪村は「白」という色に特殊な表象感覚を有していて、彼の多くの句に含蓄深く使用している。例えば前に評釈した句
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
因
(
ちなみ
)
に此断裂の位置は、鹿島槍の北峰より約四百米を下りたる辺、陸測五万の大町図幅に
拠
(
よ
)
れば二千四百八十米の等高線が
八ヶ峰の断裂
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
因
(
ちなみ
)
にいふ。
太祇
(
たいぎ
)
にも
蕪村
(
ぶそん
)
にも
几董
(
きとう
)
にも「訪はれ顔」といふ句あるは
其角
(
きかく
)
の附句より思ひつきたるならん。(三月二十四日)
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
また妃
山辺皇女
(
やまべのひめみこ
)
殉死の史実を随伴した一悲歌として永久に遺されている。
因
(
ちなみ
)
に云うに、山辺皇女は天智天皇の皇女、御母は蘇我
赤兄
(
あかえ
)
の
女
(
むすめ
)
である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
同じ日に、私は動詞
Etre
(
エートル
)
の一番はじめの二つの
時制
(
テンス
)
を習ひ、第一番の小屋(
因
(
ちなみ
)
に、その壁は、
傾斜
(
けいしや
)
の點ではピサの斜塔を
凌
(
しの
)
いでゐた。)
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
琳聖太子が上陸したという周防の多々良浜を始め、この地名の水辺に多いのはあるいは竜神信仰と
因
(
ちなみ
)
があるのかも知れぬ。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
因
(
ちなみ
)
にいふ、平湯はたしかに一年中あるであらうが、白骨も上高地も雪の來るのを終りとして宿を閉ぢて、一同悉く麓の里に降つてしまふのである。
樹木とその葉:35 火山をめぐる温泉
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
われこの日始てこれを寺僧に聞得て
愕然
(
がくぜん
)
たりき。
因
(
ちなみ
)
にしるす南岳が四谷の旧居は荒木町
絃歌
(
げんか
)
の地と接し今岡田とかよべる酒楼の立てるところなり。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
因
(
ちなみ
)
に、『土御門泰重卿記』に依れば京の御所では
公卿
(
くげ
)
衆が清凉殿の屋根から大阪城の火の手を見物して居たと云う。
大阪夏之陣
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
因
(
ちなみ
)
に述べておくが予はかつて『芸文』第三年第十一号に、「足利時代を論ず」と題する一篇を掲げたことがある。
東山時代における一縉紳の生活
(新字新仮名)
/
原勝郎
(著)
不勉強が佳なる詩歌を得る
因
(
ちなみ
)
にはならぬが、たゞ當面の勉強のみに因つて佳なる詩歌が得らるゝものでは無い。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
当年の藤野君をして見せしめば、僕の進歩の
長足
(
ちやうそく
)
なるに多少の敬意なき
能
(
あた
)
はざるべし。
因
(
ちなみ
)
に云ふ、藤野滋君はかの
夭折
(
えうせつ
)
したる明治の俳人
藤野古白
(
ふぢのこはく
)
の弟なり。
病中雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さればかゝるはかなき
冊子
(
さうし
)
に此 御神の事を
記
(
しる
)
すはいともかしこけれど、
逃入村
(
にごろむら
)
の
因
(
ちなみ
)
によりてこゝに
書載
(
かきの
)
す。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
髯籠
(
ヒゲコ
)
の
因
(
ちなみ
)
に考ふべき問題は、武蔵野一帯の村々に行はれて居る八日どう又は八日節供と言ふ行事である。
髯籠の話
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
因
(
ちなみ
)
に、翻訳家としての徐氏はわたしたちが想像も及ばないような苦心を積まれるものらしく、これを支那語に訳出するためにはかなりの年月を要せられたという。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と、
冒頭
(
まくら
)
を置いて語り出したのが、即ち次の物語だ。
因
(
ちなみ
)
に記す、右の猟師は年のころ五十前後で、いかにも朴訥で律儀らしく、決して嘘などを吐くような男でない。
木曽の怪物:――「日本妖怪実譚」より
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
さはいへ我も彼とは同郷の
因
(
ちなみ
)
、彼の不徳は我が郷の不徳なるを、いかでかはよそに看過ぐすべき。
葛のうら葉
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
つまり理論を経験の極限として導き出すわけだからである。
因
(
ちなみ
)
に仮説が哲学体系乃至認識方法に於て占める意義を最も重視したのはコーエン H. Cohen である。
辞典
(新字新仮名)
/
戸坂潤
(著)
因
(
ちなみ
)
に、その時の木曽福島の収穫は、その晩、私が、頭痛を起し、ミグレニンという薬を飲んだところ、ミグレニンの中に私の体質に合わないアンチピリンが入っていたので
それからそれ:書斎山岳文断片
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
ソレガシハ非人ナリ、過去、
迦葉仏
(
かしょうぶつ
)
ノ時ニ
於
(
おい
)
テ、カツテコノ山ニ住ス。
因
(
ちなみ
)
ニ学人問ウ。大修行底ノヒト、因果ニ落チルヤ、マタナキヤ。ソレガシ答エテイウ。因果ニ落チズト。
野狐
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
且
(
か
)
つ
傍
(
かたはら
)
に直下数丈の
瀑布
(
ばくふ
)
ありて
幅
(
はば
)
も
頗
(
すこぶ
)
る
広
(
ひろ
)
し其地の
幽
(
いう
)
にして其景の
奇
(
き
)
なる、真に
好仙境
(
こうせんきよう
)
と謂つべし、
因
(
ちなみ
)
に云ふ此文珠岩は
皆
(
みな
)
花崗岩
(
みがけいわ
)
より
成
(
な
)
りて、雨水の
為
(
た
)
め
斯
(
か
)
くは
水蝕
(
すゐいつ
)
したるなり
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
因
(
ちなみ
)
に彼舳羅島の字の出ることと、其竹しまならざることとしらんが爲に爰に抄し置に、北史卷(九)十四倭傳、遺文林郎斐世清使國(倭國)度百濟行至竹島南望耽羅島〔國〕云々
他計甚麽(竹島)雑誌
(旧字旧仮名)
/
松浦武四郎
(著)
宮川
(
みやがわ
)
の西岸で、宇治山田とは橋一つ隔てているだけだとある。作者は
膳所
(
ぜぜ
)
の人だから、どれが一番適当かわからぬが、参宮の
因
(
ちなみ
)
を以て見れば、あるいは最後のそれを挙ぐべきであろうか。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
轟
(
とゞろ
)
かし
末世
(
まつせ
)
奉行の
鑑
(
かゞみ
)
と成たる
明斷
(
めいだん
)
に
因
(
ちなみ
)
て忠相ぬしが
履歴
(
りれき
)
とその
勳功
(
くんこう
)
の
大略
(
あらまし
)
とを豫て傳へ
聞
(
きゝ
)
異説
(
いせつ
)
天一
坊
(
ばう
)
さへ
書記
(
かきしる
)
して
看客
(
かんかく
)
の
覽
(
らん
)
に
供
(
そな
)
ふるなれば看客此一回を
熟讀
(
じゆくどく
)
して忠相ぬしが人と成り
腹
(
はら
)
にを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
因
(
ちなみ
)
に
謂
(
い
)
ふヰルブルク町の木造人道の塵芥を掃除する奉公人は何故に往来人の靴を汚染する事を省みざるや。外国の例の如く塵芥は一所に堆積する如く掃き寄するに何の困難もなきにあらずや。
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
もっとも特別の沿革的理由によってこれを欠くもの、例えば仏蘭西の憲法の如きものもあるけれども、大体においてはこの種の規定は近代の憲法には欠く事の出来ないものとなって居る。
因
(
ちなみ
)
に言う。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
因
(
ちなみ
)
にいう。鴎外の文中、昔年
池辺義象
(
いけべよしかた
)
さんの紀行に歌一首があったと思うが、今は忘れたというのは、鴎外自身が「きつねばな」と題して、『藝文』第二号(明治三十五年八月)に掲げた短文がある。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
(
因
(
ちなみ
)
に、九州では、河豚をフグと濁らず、フクと澄んで呼ぶ)
ゲテ魚好き
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
東国の中でも武蔵の国は武道に
因
(
ちなみ
)
の多い国柄であります。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
因
(
ちなみ
)
に彼……杉山其日庵主は、こうした喰うか喰われるか式の相手に対して最も多くの興味を持つ事を生涯の誇りとし楽しみとしている。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それは兎も角も、山崎久次郎を以て兄とする五郎作は、此文に見えてゐる五郎作即ち永井榮伯の兄の子の五郎作ではなからうか。
因
(
ちなみ
)
に云ふ。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
因
(
ちなみ
)
にいう。渋いという如き、美への標準語を持っている国民は東洋にも他にはない。この点で、支那も朝鮮も美の鑑賞には立ち遅れている。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
(
因
(
ちなみ
)
に記す、ヨブのこの死を慕う語と似たるものを聖書中に求むれば、エレミヤ記二十章十四節以下の如きはそれである)。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
因
(
ちなみ
)
に、その怪人集団は吾人の想像に絶する巨大なる力を有するものの如く、
而
(
しか
)
もその性情は頗る危険なるものの如くである。
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
よき事なりて
即
(
やが
)
て
三〇五
因
(
ちなみ
)
をなしける。かくて都へも
迎
(
むかひ
)
の人を
登
(
のぼ
)
せしかば、此の采女
富子
(
とみこ
)
なるもの、よろこびて帰り来る。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
人倫の
廃頽
(
はいたい
)
も亦極れりと謂うべきである。
因
(
ちなみ
)
にしるす。僕は小石川の家に育てられた頃には「おととさま、おかかさま」と言うように教えられていた。
申訳
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
因
(
ちなみ
)
に、朝鮮では鶴のことをツルミと云うているようであるが、鶴見町などは其
儘
(
まま
)
地名となったのかも知れない。
マル及ムレについて
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
因
(
ちなみ
)
に、こうした景趣の村は関西地方に多く、奈良、京都の
近畿
(
きんき
)
でよく見かける。関東附近の村は全体に
荒寥
(
こうりょう
)
として、この種の南国的な暖かい情趣に乏しい。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
さればかゝるはかなき
冊子
(
さうし
)
に此 御神の事を
記
(
しる
)
すはいともかしこけれど、
逃入村
(
にごろむら
)
の
因
(
ちなみ
)
によりてこゝに
書載
(
かきの
)
す。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
因
(
ちなみ
)
に言ふ、夏目先生の書にも近年はめつきり贋せものが
殖
(
ふ
)
えたらしい。(大正十四年十月二十日)
続澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
端山辺の低い処に赤い月があるのでいくらか印のやうな感が強くなるのである。
因
(
ちなみ
)
にいふ、丸印は昔から時々用ゐられる、
尾形光琳
(
おがたこうりん
)
の如きは丸印の方を普通に用ゐたやうだ。(八月二十六日)
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
造化の我に與へたる所以のものを考察して凡べての其を空しくせざるやうにしたならば、即ち自然に順應して、そして自然を遂ぐる譯で有る。飮食に就て例を取つた
因
(
ちなみ
)
に猶一度飮食に就て言はうか。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
因
常用漢字
小5
部首:⼞
6画
“因”を含む語句
因縁
原因
因果
因業爺
因業
起因
因由
因習
因数
所因
因幡
因循
因子
源因
基因
素因
因循姑息
業因
因陀羅
因果応報
...