そこ)” の例文
そこで、感情かんじやうがいしてるなと、此方こつちではおもつてる前方せんぱうが、くだん所謂いはゆる帳場ちやうばなるもの……「貴女あなた、これはつてかれますか。」とつた。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
雑誌もすで売品ばいひんつた以上いじやうは、売捌うりさばき都合つがふなにやで店らしい者が無ければならぬ、そこ酷算段ひどさんだんをして一軒いつけんりて、二階にかい編輯室へんしうしつ、下を応接所おうせつしよけん売捌場うりさばきぢやうてゝ
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
此處こゝがその、ひどなかちやうしき面白おもしろいのは、女房かみさんが、「なにかのお禁呪まじなひになるんだらう。」とつた。そこで、そのむすめが、うや/\しくおぼんせて、その釜敷かましきつてる。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そこで、今迄いまゝで毎月まいげつ三銭さんせんかの会費くわいひであつたのが、にはかに十せん引上ひきあげて、四六ばん三十二ページばかり雑誌ざつしこしらへる計画けいくわくで、なほひろく社員を募集ぼしうしたところ、やゝめいばかりたのでした
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
わたししたきました、なか/\批評ひゝやうどころではない、敬服けいふくしてしまつたのです、そこで考へた、かれが二ねんおくれて予備門よびもんに入つて来たのは、意味いみ無くして遅々ぐづ/\してたのではない
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)