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因
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よ
ふりがな文庫
“
因
(
よ
)” の例文
現に露国皇帝が第一回平和会議を召集されたのは、かの有名なる平和論者ジャン・ド・ブロッホの著作に
因
(
よ
)
る事多いという事である。
文明史上の一新紀元
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
彼
(
か
)
の
(四三)
三
晉
(
しん
)
の
兵
(
へい
)
は、
素
(
もと
)
(四四)
悍勇
(
かんゆう
)
にして
齊
(
せい
)
を
輕
(
かろ
)
んじ、
齊
(
せい
)
を
號
(
がう
)
して
怯
(
けふ
)
と
爲
(
な
)
す。
善
(
よ
)
く
戰
(
たたか
)
ふ
者
(
もの
)
は
(四五)
其勢
(
そのいきほひ
)
に
因
(
よ
)
つて
之
(
これ
)
を
利導
(
りだう
)
す。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
かく判明せる原因は、
該
(
がい
)
要保護人を署内(目白署)に収容せる後に至りて、該人物が巧妙なる
鬘
(
かつら
)
を
被
(
かむ
)
り居たることを発見せるに
因
(
よ
)
る。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
隠
(
かく
)
すにゃ
当
(
あた
)
らないから、
有様
(
ありよう
)
にいって
見
(
み
)
な、
事
(
こと
)
と
次第
(
しだい
)
に
因
(
よ
)
ったら、
堺屋
(
さかいや
)
は、このままお
前
(
まえ
)
には
会
(
あわ
)
せずに、
帰
(
かえ
)
ってもらうことにする」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
装中にその詩あり、
因
(
よ
)
って併せて象山をも捕えて獄に下し、予と生とまた江戸に送られて獄に下る。三人並びに吏に対して
鞠
(
きく
)
せらる。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
▼ もっと見る
珙
(
こう
)
と道衍とは
本
(
もと
)
より
互
(
たがい
)
に知己たり。道衍又
嘗
(
かつ
)
て道士
席応真
(
せきおうしん
)
を師として
陰陽術数
(
いんようじゅっすう
)
の学を受く。
因
(
よ
)
って道家の
旨
(
し
)
を知り、仙趣の微に通ず。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
自殺と見せかけて、実は他殺ではないかという疑いもあったが、前後の状況に
因
(
よ
)
って、それが他殺でないことだけは確かめられた。
深見夫人の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
尤
(
もつと
)
も
道路
(
どうろ
)
或
(
あるひ
)
は
堤防
(
ていぼう
)
が
搖
(
ゆ
)
り
下
(
さが
)
りに
因
(
よ
)
つて
地割
(
ぢわ
)
れを
起
(
おこ
)
すこともあるが、それは
單
(
たん
)
に
開
(
ひら
)
いたまゝであつて、
開閉
(
かいへい
)
を
繰返
(
くりかへ
)
すものではない。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
その人に向ひてはほとほと
言尽
(
いひつく
)
して
心残
(
こころのこり
)
のあらざる如く、
止
(
ただ
)
これに
因
(
よ
)
りて欲するままの夢をも結ぶに似たる快きを覚ゆるなりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その
因
(
よ
)
って
来
(
きた
)
るところはかくのごとく深いのだから、決して教育や
薫陶
(
くんとう
)
で
癒
(
なお
)
せる者ではないと、早くあきらめてしまうのがいい。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
蘆雪
(
ろせつ
)
らの筆
縦横自在
(
じゅうおうじざい
)
なれどもかへつてこの趣致を存せざるが如し。あるいは余の性簡単を好み天然を好むに偏するに
因
(
よ
)
るか。(五月十二日)
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
彼の脳髄が
如何計
(
いかばか
)
り数学的なるやは彼の書きしものが
悉
(
こと/″\
)
く条理整然として恰も幾何学の答式を見るが如くなるに
因
(
よ
)
りて知らる。
明治文学史
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
故に領地は版籍と称して、田地四至の版図と住民の戸籍を併せて領するものなるに
因
(
よ
)
つて、或は田を表はし、或は戸を表はす。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
特に茶趣味は多くの陶器を
害
(
そこな
)
いました。真の茶器は、趣味の遊びから出たものではないことを忘れるからに
因
(
よ
)
るのであります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
わたくしはこれに
因
(
よ
)
って、初めて放水路
開鑿
(
かいさく
)
の大工事が、既に荒川の上流において着手せられていることを知ったのである。
放水路
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
これは火成岩の岩質に
因
(
よ
)
るものであろう。中にも豪壮とか偉麗とかいうような文字は、花崗岩の山水に最もふさわしい形容詞であるといえる。
渓三題
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
これは私の犬が温良なのにも
因
(
よ
)
るが主として向う犬の寛大を賞讃しなければなるまい。そこでおれは安心して入って行った。
西班牙犬の家:(夢見心地になることの好きな人々の為めの短篇)
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
梅「それは罪を犯したる者の次第にも
因
(
よ
)
りましょうけれども、
上
(
かみ
)
たる者は
下
(
した
)
の者の罪は減じ得られるだけ軽くして、命を助けんければならん」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかし小夜子が彼の屋敷を出たのには、切れても切れられない関係にあった、長いあいだの男の
唆
(
そその
)
かしにも
因
(
よ
)
るのであった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「民約篇」の飜訳は彼の手に
因
(
よ
)
りて完成せられ、而して仏国の狂暴にして
欝怏
(
うつあう
)
たる精神も亦た、彼に因りて明治の思想の巨籠中に投げられたり。
兆民居士安くにかある
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
恐らくは無かるべし、
譬
(
たと
)
い
之
(
これ
)
ありとするも、そは唯腕力の微弱なるより、一種の害迫を加えられんかを恐るるに
因
(
よ
)
るのみ。
黒壁
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
このことは今でもまだ時々想い出し、わたしはこれに
因
(
よ
)
って時々苦痛を押し切り、つとめて自分自身に想到しようとする。
些細な事件
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
今宵
(
こよひ
)
、
家例
(
かれい
)
に
因
(
よ
)
り、
宴會
(
えんくわい
)
を
催
(
もよふ
)
しまして、
日頃
(
ひごろ
)
別懇
(
べっこん
)
の
方々
(
かた/″\
)
を
多勢
(
おほぜい
)
客人
(
まろうど
)
に
招
(
まね
)
きましたが、
貴下
(
こなた
)
が
其
(
その
)
組
(
くみ
)
に
加
(
くは
)
はらせらるゝは一
段
(
だん
)
と
吾家
(
わがや
)
の
面目
(
めんもく
)
にござる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
香以は贔屓の連中を組織して、
荒磯連
(
あらいそれん
)
と
名
(
なづ
)
け、その
掟文
(
おきてぶみ
)
と云うものを勝田諸持に書かせた。九代目の他日の成功は半香以の
庇蔭
(
ひいん
)
に
因
(
よ
)
ったのである。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
た文の妙なるに
因
(
よ
)
る
歟
(
か
)
然
(
しか
)
り
寔
(
まこと
)
に其の文の巧妙なるには因ると
雖
(
いえど
)
も
彼
(
か
)
の圓朝の
叟
(
おじ
)
の如きはもと文壇の人にあらねば
操觚
(
そうこ
)
を
怪談牡丹灯籠:01 序
(新字新仮名)
/
坪内逍遥
(著)
唯先生を中心として起った悲劇に
因
(
よ
)
り御一同の
大小
(
だいしょう
)
浅深
(
せんしん
)
さま/″\に受けられた苦痛から最好きものゝ生れ出でんことを信じ、且
祷
(
いの
)
るのみであります。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
因
(
よ
)
って鑑賞者は、この歌の作者は憶良でも、旅人の妻即ち
大伴郎女
(
おおとものいらつめ
)
の死を念中に持って味うことが必要なのである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
若
(
も
)
し人の一枝の草一把の上を持ちても像を助け造らんと情願する者あらば
恣
(
ほしいまま
)
に
之
(
これ
)
を
聴
(
ゆる
)
せ、国郡等司此の事に
因
(
よ
)
りて百姓を
侵擾
(
しんぜう
)
して強ひて
収斂
(
しうれん
)
するなかれ
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
就
(
つい
)
てはあなたのお筆が与へた動機に
因
(
よ
)
る反省をあなたに
向
(
むか
)
つて書送る事を年若き一
仏蘭西
(
フランス
)
婦人にお許し下さい。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
一番目「
楼門五三桐
(
さんもんごさんのきり
)
」は五幕に分る。
宋蘇卿明
(
そうそけいみん
)
の
真宗
(
しんそう
)
の命に
因
(
よ
)
り
此村大炊之助
(
このむらおおいのすけ
)
と名乗り、奴
矢田平
(
やだへい
)
と共に
真柴久次
(
ましばひさつぐ
)
に仕へ、
不軌
(
ふき
)
を謀りしが、事
顕
(
あらわ
)
れて
自尽
(
じじん
)
す。
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
宮本の姓は、無二斎が、晩年、下庄からそこへ移って、おのずと、
因
(
よ
)
って彼の姓となったものと考えられる。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
相伝
(
あいつた
)
う、
維亭
(
いてい
)
の張小舎、
善
(
よ
)
く
盗
(
とう
)
を察すと。たまたま市中を歩く。一人の衣冠甚だ整いたるが、草を
荷
(
にな
)
う者に遭うて、数茎を抜き取り、
因
(
よ
)
って
厠
(
かわや
)
にゆくを見る。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「此の事
爾
(
なんぢ
)
にありしに
因
(
よ
)
る、また
汝
(
なんぢ
)
わが契約をわが爾に命じたる
法憲
(
のり
)
を守らざりしによりて、我必ず爾より国を裂きはなして、これを爾の
臣僕
(
けらい
)
に与ふべし。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
信心家が神棚に向かって切火をする習慣は実にこの故事に由来するものであり、現在どこにも曾古津神社なるものが存在しない由縁もまたこれに
因
(
よ
)
るのである。
艶妖記:忍術千一夜 第一話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そうして、女もし慎みと信仰と愛と
潔
(
きよ
)
きとに居らば、子を生む事に
因
(
よ
)
りて救わるべし、と言い結んである。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
その時の呉青秀の心理状態を解剖して、こうした矛盾の
因
(
よ
)
って起ったそのそもそもを探って見なければならぬ……しかもそれは決して難かしい問題ではないのだ
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
これは、趙が近眼であるにも
拘
(
かかわ
)
らず眼鏡を掛けていないという事実に
因
(
よ
)
ることが多いもののようだった。
虎狩
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
人間が現わす表情の中、見る人を不快にさせる悒鬱な表情は、実に憎みによって奪い取って来た愛の
鬼子
(
おにご
)
が、彼の衷にあって彼を
刺戟
(
しげき
)
するのに
因
(
よ
)
るのではないか。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
われわれ陪審官はこの死体はマウンテン・ライオン(豹の一種)の手に
因
(
よ
)
って殺されたるものと認む。
世界怪談名作集:04 妖物
(新字新仮名)
/
アンブローズ・ビアス
(著)
よくよく詮議すればどこかにその
因
(
よ
)
って来るべき因縁系統がある。例えば現代の分子説や
開闢説
(
かいびゃくせつ
)
でも古い形而上学者の頭の中に
彷徨
(
ほうこう
)
していた幻像に脈絡を通じている。
科学上の骨董趣味と温故知新
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
第六十八条 特別ノ
須要
(
すよう
)
ニ
因
(
よ
)
リ政府ハ
予
(
あらかじ
)
メ年限ヲ定メ継続費トシテ帝国議会ノ協賛ヲ求ムルコトヲ
得
(
う
)
大日本帝国憲法
(旧字旧仮名)
/
日本国
(著)
イエス
答
(
こたえ
)
けるは人はパンのみにて
生
(
いく
)
るものにあらずただ神の口より
出
(
いづ
)
る
凡
(
すべて
)
の
言
(
ことば
)
に
因
(
よ
)
ると
録
(
しる
)
されたり
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
その
平生
(
へいぜい
)
涵養
(
かんよう
)
停蓄
(
ていちく
)
する所の智識と精神とに
因
(
よ
)
るべきは
勿論
(
もちろん
)
なれども、妾らを以てこれを考うれば、むしろ
飢寒
(
きかん
)
困窮
(
こんきゅう
)
のその身を
襲
(
おそ
)
うなく、
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
のその心を痛むるなく
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
こういう時に、弁信法師は何事を
措
(
お
)
いてもヒタと歩みをとどめて、仔細らしく小首を
傾
(
かし
)
げて、その物音の
因
(
よ
)
って起るところを、じっと聞き定めようとするのがその例です。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
一国の文化を推進せしめるものは外国文化の影響刺戟に
因
(
よ
)
るものであるという信念がいつからか
萌
(
きざ
)
していてさして発育もしなかったが、根は抜けずに、そのままになっていて
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
因
(
よ
)
つて
後家倒
(
ごけたお
)
しと名づく。又近頃は鉄を以て歯と
為
(
な
)
し、鉄稲扱きと名づくるあり(以上)
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
一たび筆を
揮
(
ふる
)
ふ時は千言立ちどころに
就
(
な
)
ると云ふ。又書名あり。筆法
遒勁
(
いうけい
)
、風韻蕭散と称せらる。その内外の二祖、
咸
(
み
)
な当時の
魁儒
(
くわいじゆ
)
たるに
因
(
よ
)
り、希哲の文、典訓を
貫綜
(
くわんそう
)
し、古今を
茹涵
(
じよかん
)
す。
八宝飯
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一方危機は明子の心臓の
昂進
(
こうしん
)
とともに確実な足どりで近づきつつあつた。それは主として伊曾に起つた新たな欲望に
因
(
よ
)
るものだつた。伊曾と劉子は日ごとに白い死の方へと
堕
(
お
)
ちて行つた。
青いポアン
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
分析とは、物が方法的に見出され、如何に果が因に
因
(
よ
)
るかを見る方法である。
デカルト哲学について
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
世間には、
血統
(
ちすじ
)
に
因
(
よ
)
るいろいろの素質とか、祖先はじめ現在の両親などから与えられているいろいろの境遇というものが、かなり人の一生の運命を決定するように思いきめている人があります。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
因
常用漢字
小5
部首:⼞
6画
“因”を含む語句
因縁
原因
因果
因業爺
因業
起因
因由
因習
因数
所因
因幡
因循
因子
源因
基因
素因
因循姑息
業因
因陀羅
因果応報
...