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当
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まさ
ふりがな文庫
“
当
(
まさ
)” の例文
旧字:
當
是の如く、観ずる時、
当
(
まさ
)
に、縛字を一切の身分に遍して、その毛孔中より甘露を放流し、十方に周遍し、以て一切衆生の身に
灑
(
そそ
)
がん。
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
素
(
もと
)
汗吐下の三法は
張仲景
(
ちやうちゆうけい
)
に至つて備はつたから、従正は
当
(
まさ
)
に仲景を祖とすべきである。然るに此に出でずして、溯つて素問を引いた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
雉
(
きじ
)
雊
(
な
)
き竜戦ふ、
自
(
みづか
)
らおもへらく杜撰なりと。則ち之を
摘読
(
てきどく
)
する者は、
固
(
もと
)
より
当
(
まさ
)
に信と謂はざるべきなり。
豈
(
あに
)
醜脣平鼻
(
しうしんへいび
)
の
報
(
むくい
)
を求むべけんや。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
「
凡
(
およ
)
そ人事を
区処
(
くしょ
)
する、
当
(
まさ
)
に
先
(
ま
)
ずその結局を
慮
(
おもんぱか
)
り、
而
(
しか
)
して後に手を下すべし、
楫
(
かじ
)
無
(
な
)
きの舟を
行
(
や
)
る
勿
(
なか
)
れ、
的
(
まと
)
無
(
な
)
きの
箭
(
や
)
を発する
勿
(
なか
)
れ」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
吾の得失、
当
(
まさ
)
に蓋棺の後を待って議すべきのみ〔隠然自負、
蓋
(
けだ
)
し松陰直情
径行
(
けいこう
)
といえども、また臨機応変的長州気質を免がる
能
(
あた
)
わざるなり〕。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
▼ もっと見る
そして
縷々
(
るる
)
として霊の恋愛、肉の恋愛、恋愛と人生との関係、教育ある新しい女の
当
(
まさ
)
に守るべきことなどに就いて、切実にかつ
真摯
(
しんし
)
に教訓した。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
既に方向を同じくしている以上、三女史も私も互に敵視すべき間柄でなく、私たちは
当
(
まさ
)
に
力
(
つと
)
めて、その共通の目的の上に親み合わねばなりません。
平塚・山川・山田三女史に答う
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
されど又予を目して、万死の狂徒と
做
(
な
)
し、
当
(
まさ
)
に
屍
(
しかばね
)
に鞭打つて後
已
(
や
)
む可しとするも、予に於ては
毫
(
がう
)
も遺憾とする所なし。
開化の殺人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
太祖の
言
(
ことば
)
に、
吾
(
われ
)
は乱世を治めたれば、刑重からざるを得ざりき、
汝
(
なんじ
)
は平世を治むるなれば、刑おのずから
当
(
まさ
)
に
軽
(
かろ
)
うすべし、とありしも当時の事なり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
当
(
まさ
)
に前の呪を
誦持
(
じゅじ
)
して、我が至るを
希望
(
けもう
)
すべし。我その時に於て即ち
是人
(
このひと
)
を護念し、観察し、来りてその室に入り、座につきて坐し、その供養をうけん。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
粕谷
(
かすや
)
の夫妻は彼女を慰めて、葛城が此等の動揺は
当
(
まさ
)
に来る可き
醗酵
(
はっこう
)
で、少しも懸念す可きでないと
諭
(
さと
)
した。然しお
馨
(
けい
)
さんの渡米には、二念なく賛同した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
その間
孜孜
(
しし
)
として之を
懋
(
つと
)
めば、
当
(
まさ
)
に事として成らざるなかるべし。老禅の一語、実に虚しからざる也、古人学業終身を期せんのみ。汝等深く思うて
旃
(
これ
)
を勉めよ。
洪川禅師のことども
(新字新仮名)
/
鈴木大拙
(著)
右の新国字の数と種とは、今正確に分類出来ないけれども、新井白石の同文通巻によれば「峠」の如きも、
当
(
まさ
)
にその時代に造らしめられた国字の一つに相違ない。
「峠」という字
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
夫れ
大人
(
ひじり
)
の
制
(
のり
)
を立つる、
義
(
ことわり
)
必ず時に随ふ。
苟
(
いやしく
)
も民に
利
(
くぼさ
)
有らば、何ぞ
聖造
(
ひじりのわざ
)
に
妨
(
たが
)
はむ。
且
(
ま
)
た
当
(
まさ
)
に
山林
(
やま
)
を
披払
(
ひらきはら
)
ひ
宮室
(
おほみや
)
を
経営
(
をさめつく
)
りて、
恭
(
つゝし
)
みて
宝位
(
たかみくらゐ
)
に臨み、以て
元元
(
おほみたから
)
を鎮むべし。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
年二十。
考
(
こう
)
既ニ亡シ。マサニ遺命ヲ奉ジテ遊学セントスルヤ、
妣
(
ひ
)
コレヲ戒メテ曰クワガ門
中
(
なか
)
ゴロ
𡉏
(
やぶ
)
ル。
汝
(
なんじ
)
当
(
まさ
)
ニ勉学シテ再興スベシ。然ラザレバワレ汝ヲ子視セジト。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
当
(
まさ
)
に掖廷に
納
(
い
)
れて、后宮の数に
盈
(
ア
)
つべしと。天皇
聴
(
ゆる
)
す。……丹波の五女を
喚
(
メ
)
して、掖廷に納る。
水の女
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
然かも欧陽公必ず誤まらざらん、
当
(
まさ
)
に更に
博
(
ひろ
)
く旧制を
攷
(
かんが
)
ふべき也。(老学庵筆記、巻七)
放翁鑑賞:07 その七 ――放翁詩話三十章――
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
「——先帝の名は
備
(
び
)
なり。備は、
備
(
そな
)
うるなり、また
具
(
そな
)
うるを意味す。後主の
諱
(
いみな
)
は禅にして
禅
(
ゆず
)
るの意をもつ。すなわち禅り授くるなり。劉氏は久しからずして
当
(
まさ
)
に他へ
具
(
そな
)
え
禅
(
ゆず
)
るべし」
三国志:12 篇外余録
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かの仏遺教経の遠離功徳分にあるごとく「寂静無為の安楽を求めんと欲す」る
比丘
(
びく
)
は「
当
(
まさ
)
に
憒閙
(
かいどう
)
を離れて独処に
閑居
(
かんきょ
)
し」「当に己衆他衆を捨てて空間に独処し」なくてはならない。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
私の心は今、来るべき時代に
繋
(
つな
)
がる。しかし私は単なる時間の経過に未来を
画
(
えが
)
いているのではない。私はその継続に向って「
当
(
まさ
)
にかくあるべき」内容を盛りつつ進まねばならない。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
後世歴史法学の始祖といえばサヴィニー、比較法学の始祖といえばモンテスキューと誰しも言うが、この二学派の開祖たる名誉は、
当
(
まさ
)
にライブニッツに冠せしむべきではあるまいか。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
「民衆」は
当
(
まさ
)
にその日を待つべきであります。
演劇一般講話
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
其堂ニ造ラント欲シ其
胾
(
ししむら
)
ヲ
啖
(
くら
)
ハント欲スル者ハ
当
(
まさ
)
ニ洋籍ヲ不講ニ置ク可カラザルナリ是レ洋籍ノ結構所説ハ精詳微密ニシテ遠ク和漢ノ書ニ絶聳スレバナリ
雖然
(
しかりといえども
)
是レ今時ニ在テ之ヲ称スルノミ永久百世ノ論トスルニ足ラザルナリ
牧野富太郎自叙伝:02 第二部 混混録
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
鳳頭鞋子
(
ほうとうあいし
)
を着け得て
即
(
すなわ
)
ち
当
(
まさ
)
に来るべし
阿英
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
当
(
まさ
)
に知るべし、是の時に仏は大光明を
美の日本的源泉
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
石川の通称は諸文書に或は貞白に作り、或は貞伯に作つてあつて一定しない。津山未亡人の説に従へば
当
(
まさ
)
に貞白に作るべきである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「
人
(
ひと
)
を
知
(
し
)
るは
難
(
かた
)
くして
易
(
やす
)
く、
自
(
みずか
)
ら
知
(
し
)
るは
易
(
やす
)
くして
難
(
かた
)
し、
但
(
ただ
)
し
当
(
まさ
)
にこれを
夢寐
(
むび
)
に
徴
(
ちょう
)
し
以
(
もっ
)
て
自
(
みずか
)
ら
知
(
し
)
るべし、
夢寐
(
むび
)
自
(
みずか
)
ら
欺
(
あざむ
)
く
能
(
あた
)
わず」と。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
貴船
当
(
まさ
)
にこの地に来るべしと聞き、期に先んじて来り待ち、一小舟を
掠
(
かす
)
めて以て貴舟に近づかんと欲すれども未だ能わず。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
洪武十七年、太祖高皇帝の
御恩
(
ぎょおん
)
を
蒙
(
こうむ
)
りて、臣が孝行を
旌
(
あらわ
)
したもうを
辱
(
かたじけな
)
くす。巍
既
(
すで
)
に孝子たる、
当
(
まさ
)
に忠臣たるべし。孝に死し忠に死するは巍の至願也。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
狩野芳涯
(
かのうはうがい
)
常に
諸弟子
(
しよていし
)
に教へて
曰
(
いはく
)
、「
画
(
ぐわ
)
の神理、唯
当
(
まさ
)
に
悟得
(
ごとく
)
すべきのみ。師授によるべからず」と。一日芳涯病んで
臥
(
ふ
)
す。
偶
(
たまたま
)
白雨天を傾けて来り、
深巷
(
しんかう
)
寂
(
せき
)
として
行人
(
かうじん
)
を絶つ。
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私はこれを「
何
(
いつ
)
か
当
(
まさ
)
に共に西牕の燭を
剪
(
き
)
りて、
却
(
かへつ
)
て巴山夜雨の時を
話
(
かた
)
るべき」と読む。
閑人詩話
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
抑又
(
はたまた
)
塩土老翁
(
しほつちのをぢ
)
に聞きしに曰く、東に
美地
(
よきくに
)
有り、青山
四周
(
よもにめぐれり
)
、……
余
(
われ
)
謂
(
おも
)
ふに、
彼地
(
そのくに
)
は必ず
当
(
まさ
)
に以て
天業
(
あまつひつぎのわざ
)
を
恢弘
(
ひろめのべ
)
て
天下
(
あめのした
)
に
光宅
(
みちを
)
るに足りぬべし、
蓋
(
けだ
)
し
六合
(
くに
)
の
中心
(
もなか
)
か。……何ぞ
就
(
ゆ
)
きて
都
(
みやこつく
)
らざらむや。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
帰心
(
きしん
)
矢の如きものあるべきは、情においても、理においても、
当
(
まさ
)
にしかるべきところがあるが、今では、もう義理にも人情にも泣こうという涙は
涸
(
か
)
れて、ただただ血に渇く
咽喉
(
のど
)
が拡大し
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「汝等沙門
当
(
まさ
)
に愛欲を捨つべし」という。しかし俗人が魚鳥を殺し愛欲に生くることは何の罪とも認められない。このことは戒律から「万人の踏むべき道」としての普遍的な意味を奪う。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
惟当
下
遭
二
斯辰
一
惟
(
た
)
だ
当
(
まさ
)
に
斯
(
こ
)
の
辰
(
とき
)
に
遭
(
あ
)
いて
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
皆
当
(
まさ
)
に喜歓すべし
翩翩
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
その状
当
(
まさ
)
に行うべき所を行う如くであったので、抽斎はとかくの意見をその間に
挟
(
さしはさ
)
むことを得なかった。しかし中心には深くこれを徳とした。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
東角門の言は、
即
(
すなわ
)
ち子澄
七国
(
しちこく
)
の故事を論ぜるの語なり。子澄退いて
斉泰
(
せいたい
)
と議す。泰
曰
(
いわ
)
く、
燕
(
えん
)
は
重兵
(
ちょうへい
)
を握り、
且
(
かつ
)
素
(
もと
)
より大志あり、
当
(
まさ
)
に
先
(
ま
)
ず
之
(
これ
)
を削るべしと。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
制行狂暴にして、弱冠より
而還
(
このかた
)
、しばしば重典を犯す。而れども不幸にして遂に法に死せざりき。二十九年間を回顧すれば、
当
(
まさ
)
に死すべきもの極めて多し。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
僧徳洪妄云ふ、更は
当
(
まさ
)
に平声に読むべしと。なんぞ是あらんや。(老学庵筆記、巻六)
放翁鑑賞:07 その七 ――放翁詩話三十章――
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
これを見て大将の土方歳三が、しまった! と叫んだのも、もとより
当
(
まさ
)
に
然
(
しか
)
るべきところで、人違いの失策もあろうが、島田虎之助がそのころ一流の剣法であったことを知らないはずはない。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
君もし血気の壮士なりとせんか、
当
(
まさ
)
に
匕首
(
あひくち
)
を懐にして、先生を刺さんと誓ひしなるべし。その文を猥談と称するもの明朝に
枝山
(
しざん
)
祝允明
(
しゆくいんめい
)
あり。允明、字は
希哲
(
きてつ
)
、
少
(
をさな
)
きより文辞を攻め、奇気
甚
(
はなはだ
)
縦横なり。
八宝飯
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
是より後
当
(
まさ
)
にかの人をして睡夢の中に我を見るを得しめん。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
これに反して経史子集の
当
(
まさ
)
に刻すべくして未だ刻せられざるものは、その
幾何
(
いくばく
)
なるを知らない。世に伝ふる所の松崎
慊堂
(
かうだう
)
天保十三年の
上書
(
じやうしよ
)
がある。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
それに
拠
(
よ
)
ると、将門が在京の日に
比叡
(
ひえい
)
の山頂に藤原
純友
(
すみとも
)
と共に立つて皇居を
俯瞰
(
ふかん
)
して、我は王族なり、
当
(
まさ
)
に天子となるべし、卿は藤原氏なり、関白となるべし、と約束したとある。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「詩を学べば
当
(
まさ
)
に陶を学ぶべく、書を学べば当に顔を学ぶべし」としてある。
放翁鑑賞:07 その七 ――放翁詩話三十章――
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
笠翁
(
りゅうおう
)
は昔詳細に、支那の女の美を説いたが、(偶集巻之三、声容部)
未嘗
(
いまだかつて
)
この耳には、一言も述べる所がなかった。この点では偉大な十種曲の作者も、
当
(
まさ
)
に芥川龍之介に、発見の功を譲るべきである。
上海游記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これも亦凡人である以上は人情の
当
(
まさ
)
に然るべきところだ。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
当
常用漢字
小2
部首:⼹
6画
“当”を含む語句
当時
見当
当然
本当
当家
当麻
相当
心当
当地
胸当
当麻語部
日当
弁当
至当
当初
当今
当方
当世
正当
面当
...